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リボンとエプロン
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「ねぇアトリア、今Aクラスがすっごく荒れてるって知ってる?」
「そうなんだ。私そういった事って疎くて知らなかったわ。学舎も離れてるし」
「ダメよー。貴族の令嬢たる者、常に周囲に耳を立てないと」
Aクラスは主に高位貴族の方々で構成されている。大公、公爵、侯爵、辺境伯、伯爵の位を持つ方達だ。ただ伯爵位の方々は歴史、血筋の確かな家だけになるので殆どの方は下位貴族クラスに編成されている。
同じ学年のAクラスの方々って20人にも満たない筈。
私の家は高位の方との直接のお付き合いがないし、伝を持っている様な方とも私自身話題にする事もなかったので、詳細なあれこれなんてさっぱりだった。
「そういえばさアトリアってさ、休日になるといつもどこに出かけてるの?」
「私が見かけた時はいつも同じ騎士様に抱えられてましたけど、大丈夫ですの?」
あわわ、友人達に見られてたなんて!変に思われてたり、ふしだらとか思われてたらどうしよう…。
「あ、その、それはえっと」
「ダメよ無理しては。卒業が近いからって、あんなに顔色が悪くなるまで頑張るなんて…。見かける度に心配してましたのよ!」
…あれ?
「でもちょっと羨ましかったわ。警備に当たってる騎士様の中で1番素敵だって噂の人なんですもの」
「えー!?もしかして噂の?表情も全く変わらなくて、素敵だけど怖いって話だったのに面倒見が良いんだねー」
えーと、大丈夫って事なのかな?
それにしても素敵な騎士様…騎士様…。ダメだ、大きなリボンとエプロンしか思い出せない。
そのままあの騎士様も素敵とかの話になっていった。
「あ、いけない。私調べものがあったのに忘れてましたわ。お2人共先に帰っててくださる?」
「わかったよー」
「先に戻るね」
今日の夕飯はなんだろうねなんてケニーと2人歩いていた。
「その、ごめん。アトリアちょっとだけ話をしてもいいかな」
数ヶ月しか経っていないのに、こうしてアンソニーを前にしても不思議と気持ちが揺れない。衝撃の連続だったとはいえ吹っ切れるのが私ってば早いわ。
「アトリア大丈夫なの?」
「うん。心配してくれてありがとう。…わかったわ。アンソニー行きましょう」
邪魔にならない様な場所に移動をした。
「アトリアごめん。その俺、学園に来て色々な人と知り合って舞い上がってたんだ。君にああ言ってしまって離れて分かったんだ。俺やっぱり…」
「やめて」
「アトリア…俺…」
色々な事もあったせいでもあるけど、アンソニーの事は考えて私なりに答えも出した。
「きっと私達は恋愛ではなかったんだと思う。愛はあったけどそれは親愛だったの」
「そんな!違うんだよアトリア!」
「だからアンソニーは、女性と上手くいかなかったとしても謝ればまた戻れると思っているの。私には無理。また新たな出会いを見つけたらきっと同じ事になる」
アンソニーは私の両腕を掴み真っ青な顔をして「違う…違う」と繰り返し呟いていた。
「先の事は分からなくても信じられない人と一緒になるのは嫌。私達はあの時にもう終わったの。だからアンソニーも」
「そんな!嫌だ!そうだ。家の方から縁談を出せばいい。決まってしまえばアトリアも断れないだろ?やり直そう。大丈夫、絶対大丈夫だから!」
すごく痛い!どうしよう、アンソニーったら自分を見失ってるの?
人気の少ない場所のせいなのか誰も通りかかってくれない。怖い誰か…!
「っ!痛っ!」
「女性に乱暴を働くのは感心しませんね」
そう言葉が上から降ってきた時に、両腕からギリギリと掴まれていた感覚が無くなった。
聴き慣れてしまったあの声の主は、私の真後ろに立ちアンソニーの両腕手首をかなり強い力で握り締めているらしく、手首から先が少し変色していた。
「よろしいですか。決して乱暴をしてはいけない」
アンソニーがこくこくと頷くのを確認すると手を緩めたようだ。解放されると彼はその場にへたり込んでしまった。
それを確認した騎士様は私を横抱きしスタスタとその場を離れるのだった。
「そうなんだ。私そういった事って疎くて知らなかったわ。学舎も離れてるし」
「ダメよー。貴族の令嬢たる者、常に周囲に耳を立てないと」
Aクラスは主に高位貴族の方々で構成されている。大公、公爵、侯爵、辺境伯、伯爵の位を持つ方達だ。ただ伯爵位の方々は歴史、血筋の確かな家だけになるので殆どの方は下位貴族クラスに編成されている。
同じ学年のAクラスの方々って20人にも満たない筈。
私の家は高位の方との直接のお付き合いがないし、伝を持っている様な方とも私自身話題にする事もなかったので、詳細なあれこれなんてさっぱりだった。
「そういえばさアトリアってさ、休日になるといつもどこに出かけてるの?」
「私が見かけた時はいつも同じ騎士様に抱えられてましたけど、大丈夫ですの?」
あわわ、友人達に見られてたなんて!変に思われてたり、ふしだらとか思われてたらどうしよう…。
「あ、その、それはえっと」
「ダメよ無理しては。卒業が近いからって、あんなに顔色が悪くなるまで頑張るなんて…。見かける度に心配してましたのよ!」
…あれ?
「でもちょっと羨ましかったわ。警備に当たってる騎士様の中で1番素敵だって噂の人なんですもの」
「えー!?もしかして噂の?表情も全く変わらなくて、素敵だけど怖いって話だったのに面倒見が良いんだねー」
えーと、大丈夫って事なのかな?
それにしても素敵な騎士様…騎士様…。ダメだ、大きなリボンとエプロンしか思い出せない。
そのままあの騎士様も素敵とかの話になっていった。
「あ、いけない。私調べものがあったのに忘れてましたわ。お2人共先に帰っててくださる?」
「わかったよー」
「先に戻るね」
今日の夕飯はなんだろうねなんてケニーと2人歩いていた。
「その、ごめん。アトリアちょっとだけ話をしてもいいかな」
数ヶ月しか経っていないのに、こうしてアンソニーを前にしても不思議と気持ちが揺れない。衝撃の連続だったとはいえ吹っ切れるのが私ってば早いわ。
「アトリア大丈夫なの?」
「うん。心配してくれてありがとう。…わかったわ。アンソニー行きましょう」
邪魔にならない様な場所に移動をした。
「アトリアごめん。その俺、学園に来て色々な人と知り合って舞い上がってたんだ。君にああ言ってしまって離れて分かったんだ。俺やっぱり…」
「やめて」
「アトリア…俺…」
色々な事もあったせいでもあるけど、アンソニーの事は考えて私なりに答えも出した。
「きっと私達は恋愛ではなかったんだと思う。愛はあったけどそれは親愛だったの」
「そんな!違うんだよアトリア!」
「だからアンソニーは、女性と上手くいかなかったとしても謝ればまた戻れると思っているの。私には無理。また新たな出会いを見つけたらきっと同じ事になる」
アンソニーは私の両腕を掴み真っ青な顔をして「違う…違う」と繰り返し呟いていた。
「先の事は分からなくても信じられない人と一緒になるのは嫌。私達はあの時にもう終わったの。だからアンソニーも」
「そんな!嫌だ!そうだ。家の方から縁談を出せばいい。決まってしまえばアトリアも断れないだろ?やり直そう。大丈夫、絶対大丈夫だから!」
すごく痛い!どうしよう、アンソニーったら自分を見失ってるの?
人気の少ない場所のせいなのか誰も通りかかってくれない。怖い誰か…!
「っ!痛っ!」
「女性に乱暴を働くのは感心しませんね」
そう言葉が上から降ってきた時に、両腕からギリギリと掴まれていた感覚が無くなった。
聴き慣れてしまったあの声の主は、私の真後ろに立ちアンソニーの両腕手首をかなり強い力で握り締めているらしく、手首から先が少し変色していた。
「よろしいですか。決して乱暴をしてはいけない」
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