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金茶色の髪
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「前から思ってたけど思考回路謎すぎてヤバいわ」
何故そこでお母さんなると言うんだお前はと。
「なんとでも言え。縁が繋げられたからそれでいいんだ。ちょっかい出すなよ。もし出したらお前の嫁にある事ない事知らせるからな」
「嫁一筋の俺に喧嘩売ってるのか」
同僚は嫌そうに顔を歪ませる。
「あら、何か楽しそうね。少し疲れてしまったの。休憩がてら教えていただけない?」
昨日の話をしてどうすれば上手くいくのかと同僚でよく話すヒューに相談を持ちかけていた。妻帯者だしな。
奴に顔を顰められていると学舎からファスター公爵エリノーラ・ハンプトン令嬢が出て来た。
殿下から許可を得て使用している、王族のサロンへ学舎から移動するようだ。
安全を確認し、サロンに入室すると同僚は入り口付近に立ち、俺はファスター公爵令嬢の後ろに控えた。
「それで?先程聞こえたお話しは何だったのかしら」
「シルヴィスが金茶色の髪の女の子に惚れて『お母さん』になるそうです」
ヒューが俺の代わりに答えた。
「…はぁ!?どういう事ですの?1から説明して下さらない?」
「…はい」
仕方がなく話をした。
すれ違えば労いの言葉をかけてくれる金茶色の髪の女の子。その子が先日幼馴染みの恋人にふられて落ち込んでいた事。その時にポツリと呟かれた言葉が「お母さんに会いたい」だったので自分がなると伝えた事。
話終えるとファスター公爵令嬢は扇で顔を隠し、俯きながら震えていた。
「ふふ、それで何故、ふふふ、その様な事を言うのかふふふふ!もうダメ!」
暫く震えていると治まったのか、ふーと大きく息をついた。
側に控えていたメイドのモイラに何事か耳打ちをすると、実に楽しそうに宣言した。
「あー憂鬱だった気持ちが吹き飛びましたわ。決めました!シルヴィスの為に私も協力いたしますわ」
「……」
あーあと言う顔でこちらを見るヒュー。お前な。
少し面倒だが、女性からのアドバイスはありがたいかもしれない。まぁただ面白がっているだけの様な気もするが。
「ふふふ、シルヴィスはどうなさるつもりなのかしら?」
「は。来週の休日に会う予定です」
まぁ!と一際楽しそうな声を上げた。
「それならピクニックなんて如何かしら?殿下が在学中にゆっくりご一緒できた良い場所を知っていますの」
「なるほど」
ああ、あの場所か。あそこなら良いかもしれない。
「女の子って美味しそうな物、可愛らしい物を少しづつ食べるのって好きでしょう?だから小さめにして色々楽しめる様にしては如何かしら?ああ、それと長い時間拘束してはダメよ?長くても2刻ぐらいの方が丁度良いと思うわ」
なる程な。その方が喜ばれるならそうするか。
「あのーすんませんちょっといいですか?」
「あら、よろしくてよ」
「それは良いんですけど、その子にあれこれ注文して頼むんですか?いくら人の良さそうな子でも怒るんじゃないんですかね」
「俺が用意すると言った」
ファスター公爵令嬢は楽しそうにくすくす笑い、ヒューは「あっそう」とだけ言った。
「ふふふ。『お母さん』ならその子の為にしてあげたくなるわよね?お弁当だって作ってあげなくては。さあ、それを持って頑張ってくださいまし」
戻って来たモイラが俺にすっとピンクの布を渡して来た。
何故そこでお母さんなると言うんだお前はと。
「なんとでも言え。縁が繋げられたからそれでいいんだ。ちょっかい出すなよ。もし出したらお前の嫁にある事ない事知らせるからな」
「嫁一筋の俺に喧嘩売ってるのか」
同僚は嫌そうに顔を歪ませる。
「あら、何か楽しそうね。少し疲れてしまったの。休憩がてら教えていただけない?」
昨日の話をしてどうすれば上手くいくのかと同僚でよく話すヒューに相談を持ちかけていた。妻帯者だしな。
奴に顔を顰められていると学舎からファスター公爵エリノーラ・ハンプトン令嬢が出て来た。
殿下から許可を得て使用している、王族のサロンへ学舎から移動するようだ。
安全を確認し、サロンに入室すると同僚は入り口付近に立ち、俺はファスター公爵令嬢の後ろに控えた。
「それで?先程聞こえたお話しは何だったのかしら」
「シルヴィスが金茶色の髪の女の子に惚れて『お母さん』になるそうです」
ヒューが俺の代わりに答えた。
「…はぁ!?どういう事ですの?1から説明して下さらない?」
「…はい」
仕方がなく話をした。
すれ違えば労いの言葉をかけてくれる金茶色の髪の女の子。その子が先日幼馴染みの恋人にふられて落ち込んでいた事。その時にポツリと呟かれた言葉が「お母さんに会いたい」だったので自分がなると伝えた事。
話終えるとファスター公爵令嬢は扇で顔を隠し、俯きながら震えていた。
「ふふ、それで何故、ふふふ、その様な事を言うのかふふふふ!もうダメ!」
暫く震えていると治まったのか、ふーと大きく息をついた。
側に控えていたメイドのモイラに何事か耳打ちをすると、実に楽しそうに宣言した。
「あー憂鬱だった気持ちが吹き飛びましたわ。決めました!シルヴィスの為に私も協力いたしますわ」
「……」
あーあと言う顔でこちらを見るヒュー。お前な。
少し面倒だが、女性からのアドバイスはありがたいかもしれない。まぁただ面白がっているだけの様な気もするが。
「ふふふ、シルヴィスはどうなさるつもりなのかしら?」
「は。来週の休日に会う予定です」
まぁ!と一際楽しそうな声を上げた。
「それならピクニックなんて如何かしら?殿下が在学中にゆっくりご一緒できた良い場所を知っていますの」
「なるほど」
ああ、あの場所か。あそこなら良いかもしれない。
「女の子って美味しそうな物、可愛らしい物を少しづつ食べるのって好きでしょう?だから小さめにして色々楽しめる様にしては如何かしら?ああ、それと長い時間拘束してはダメよ?長くても2刻ぐらいの方が丁度良いと思うわ」
なる程な。その方が喜ばれるならそうするか。
「あのーすんませんちょっといいですか?」
「あら、よろしくてよ」
「それは良いんですけど、その子にあれこれ注文して頼むんですか?いくら人の良さそうな子でも怒るんじゃないんですかね」
「俺が用意すると言った」
ファスター公爵令嬢は楽しそうにくすくす笑い、ヒューは「あっそう」とだけ言った。
「ふふふ。『お母さん』ならその子の為にしてあげたくなるわよね?お弁当だって作ってあげなくては。さあ、それを持って頑張ってくださいまし」
戻って来たモイラが俺にすっとピンクの布を渡して来た。
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