AFTER DEAD「最後の帰路」

ハンドアイランド

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大柄なヒーロー

五階建てのマンション

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私は英花を片腕に抱えたまま、やつらを相手にした。

金属バットが唸る。
一振りごとに、やつらが吹っ飛んでいく。

狙うのは、頭部。
頭部に大きなダメージを与えると、やつらはもう立ち上がらない。

少女を抱えながら、金属バット一本でやつらをなぎ倒していく。
その光景を、女性と男の子はただ呆然と見ていた。
あまりにも一方的な光景に、言葉を失っている様子だった。

数分も経たないうちに、やつらは全て地面に転がった。
私は一度息を整える。
油断はしない。
倒れたやつらの頭部をしっかりと潰していく。

ようやくバットを下ろし、二人の方を見る。

「大丈夫でしたか??」

声をかけると、女性は我に返ったように瞬きをした。

「え? あ、はい、、、」

まだ状況を飲み込めていない様子だった。

その時、

「降ろしてよ!!」

英花の声。

「あ、ごめんごめん」

私は慌てて英花を地面に降ろす。

その瞬間、英花は私の足をペシッと蹴った。

「もう!」

「あんなに振り回されたら、気持ち悪くなるでしょ!!!」

英花はそう言って、頬を膨らませた。

私が抱えて戦ったせいで、酔ってしまったようだ。

「あ……ごめん……」

言い訳しようとしてやめる。

その様子を見て、ようやく女性が一歩前に出た。

「あ、あの、、、ありがとうございました」

少し遅れて、慌てて頭を下げる。
助けられた実感が、今になって追いついてきたのだろう。

「無事で良かったです!」

私はいつもの調子で、思わず満面の笑みを返した。
英花はというと、腕を組んだまま、そっぽを向いている。

「ありがとうございます」

男の子も小さな声でお礼を言った。
けれど、その声には力がない。
視線を落とすと、足元が赤く染まっている。
かなりの出血だ。

「やつら、、ですか?」

恐る恐る確認する。
女性は指を横に振る。

「違います、
  やつら用の罠に誤って、、」

その言葉に、私は思わず苦い顔になる。
あの罠だ。

「そうでしたか」

「すぐに治療が必要ですね。
  ちなみに、この辺りはあなたがたの縄張りですか?」

静かに頷く女性。

「はい。私とこの子を含めて七人で助け合って生活しています」

「じゃあ、そこまで私が担いで運びます!」

そう言って、男の子を見る。
仮に拒否をされても関係ない。
この子はすぐ運ばないと、命が危ない。

拗ねていた英花も真剣な表情に変わる。


私は男の子を担ぎ上げて、そのまま走り出す。
なるべく男の子に負担がないように。

「こっちです!」

途中も罠があったが、女性の指示で無事に彼女たちの住処にたどり着いた。
そこは、五階建てのマンションだった。

「ちょっと待っててくださいね」

女性はそう言い残し、一人で中に入っていく。
私は男の子を抱えたまま、入口付近で立ち止まった。

中から、かすかに話し声が聞こえる。
複数人で話している。

数分後ーー

女性が戻ってきた。
その後ろには警戒した男性が二人。

女性は普通の表情だが、男たちは視線が鋭かった。
手には武器。
長い棒の先に、ガムテープでナイフを固定してある。
その切っ先は、こちらを向いていた。

空気が張り詰める。
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