【モテたい、好感度鑑定の覚醒者】あれ?「ネタ魔法」ってバカにしてたよね??最強と気付いたところでもう遅い。

山形 さい

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序章II

遅刻しちゃう!

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「それじゃぁ、お母さん、お父さん! 入試に行ってくる!」

「ああ。楽しんで来いよ!」

「ちょっと、お父さん。そこは、合格して来いよでしょ……」

「いいや、アイツなら、合格なんて簡単だろ……」

 俺は、玄関のドアを開けて外に出る。

 あれから、2年。『好感度鑑定』が覚醒して、ついに俺は!! 『勇秀兵学園』への入試を受ける!!

 『勇秀兵学園』とは……剣術・魔法を、育成して最終的には、騎士などのクラスが高い職に就くことができるといった学園だ。もちろん、入試の難易度が高いため、そう簡単には、入学できない。
 そんな学園で両親は、出会ったとか。

 まぁ、俺にはこの力がある! 
 多分なんとかなるだろう……。というものの、俺は別にクラスの高い職に就く気はない。
 なら何故、そんなレベルの高い学園の入試を受けるかって? そんなの一つしかない。

 それは……。

『ハーレムするためでしょ?』

(ちょっ、鑑さん。げっ、聞こえてたのか……)

『ええ。最初からね! プークスクス』

 まぁ、その通りだ。俺は2年前……テレビでやっていたあるとやらを観た。

 その内容は、学園で可愛い美少女達をとりこにして、ハーレムする話だ。
 それを観た時に、俺はふと思った。 と……。

 俺が持つ、この『好感度鑑定』を使えば、簡単にハーレムできんじゃね? と。

 そこでだ、『勇秀兵学園』にはそれなりの腕が必要なため、かなりのボンボン貴族のお嬢様や、比較的魔力量が多いエルフなどが多いらしい。

 お嬢様やエルフが多いだと!? 
 エルフは、比較的顔立ちのいい奴しかいない。つまりだ、この学園に入れば、大体の女子は美少女!! 
 そんなこんやで、俺はこの学園に入試を受けることにした。

「ちょっと、遅い……」

「ごめんごめん」

 玄関を出ると、そこにはシロがいた。

「ふんだ! もう、知らない!!」

「ほんとごめんて、てか、先行ってても良かったんだぞ?」

 シロは、少し顔を赤くして。

「カァーー! べ、別にあんたを待ってたわけじゃないからね! たたたた、ただ、ひとりで行くのが寂しかっただけだから!! 勘違いしないでね!」

「へいへい。しないしない」

 そう、シロも『勇秀兵学園』の入試を受けるのだ。まぁ、シロはずっと、魔法の鍛錬を積んできたし多分問題ないだろう。

「じゃあ、行くか!」

「うん……」

 比較的、『勇秀兵学園』までの道のりは近く、徒歩5分ほどといったところだ。

「なぁ、シロ」

「ん? どうしたの?」

「お前は、なんで『勇秀兵学園』なんて、入るんだ?」

「別に、あんたのことが心配とか、誰かに、寝取られるとか、そんなこと思ってないから!!」

「わかってる、わかってる。別に、心配しなくても大丈夫」

 じゃぁ、結局何しに、シロは『勇秀兵学園』を受けるのだろうか?

 それにしても、シロは大人になったのかとても、顔がキュッとしていて、なんていうか……少し子供っぽさを残しながら大人ぽい顔立ちになったなぁ~~、つまりだ。
 めちゃくちゃ可愛いくなったなぁ~。

「……じゃぁ、逆に、なんであんたは『勇秀兵学園』に入るわけ?」

「そりゃぁ、おらー将来、騎士になりてェーからかな(嘘)」

「そうなんだ、じゃぁ、わたしも将来騎士になろうかな……」

 シロは、そうボソッと言う。

「ん? 今なんて言ったか聞こえなかった」

「うんうん、なんでもない」

「へー、そうか」

 すると、ゴーンゴーンと鐘が鳴る。

「え? 今の鐘って……」

「ちょっと、やばいんですけど、急がなきゃ!」

 今の鐘は、8時を示す鐘だ。入試開始は8時5分から……つまり、受付けも込みとなるため、間に合うかわからない。

「俺の手を持て」と、俺はシロに手を貸す。

「う、うん」

 少し小さく温もりのある手を握り、俺は剣を抜き、地面に向かって思いっきり振る。

 すると、剣を振った風の勢いによく俺たちは屋根より高く宙に向かって飛んだ。

「よーし、一気に行くぞ!!」

「えっ、ちょ、ちょっと、待ってぇええ!」と、シロは暴れる。

「あんまり動くな。大丈夫だから……」

 そのまま、宙に浮いた状態で、俺は横に剣を振る。

 すると、勢いよく剣の振りにより風が起こり俺たちは、そのままその風に乗る。

「行くぞぉおお!」

「待ってぇえええ!」

 バゴーンと、勢いが増し一直線に俺たちは飛んだ。

 
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