【モテたい、好感度鑑定の覚醒者】あれ?「ネタ魔法」ってバカにしてたよね??最強と気付いたところでもう遅い。

山形 さい

文字の大きさ
9 / 18
序章II

最終試験!

しおりを挟む
「えー、これより最終試験を行う。内容はだがーー」と、試験管はひとつの大きな紙を掲示板に貼る。

「おっ? なんだ?」などと、周りはざわめく。もちろん、俺とシロも例外ではない。

「最終試験は、3人グループでダンジョンの最下層のボスを倒すところまでの速さを競うものだ。無論、皆同じダンジョンだが、別空間に飛ばされるため問題はない」

 なるほど……そうきたか……。
 これは、この試験が1番重要になってきそうだ。
 この中で10位以内に入らないと、入学は難しそうだ。

「よし、シロ! 一緒に組むぞ」

「べ、別にあんたのためなんて……思ってないんだからね!! 私は、私のためにやるだけだから!!」

「はいはい、勘違いしねェーよ」

 さーて、あとひとりだが。
 なるべく、ひとりでいる奴を仲間につけるとしよう。うん、その方が良さそうだ。

「なぁ、近くにぼっちの奴いるか探すの手伝ってくれ……」

「わ、わかった!」と、シロは張り切りながら言う。

 うーんと、いねェーかな? ひとりでいる人……。

「あっ! ギル!! あの人」と、俺の袖をぐいぐいと伸ばしながら指を差す。

 そちらの方を見てみるとそこには、桜のような綺麗なピンク色の髪をした少女がひとりでいた。

 ナイス!! しかも、女子!!

『ギルくんって、キモいよね……』

(う、うるせぇーなぁ)

「ナイスだシロ!!」

 俺は、シロをいい子いい子とヨシヨシ頭を撫でる。

「えへぇ、そうかなぁ~、あっ! 別にあんたのためじゃ……」

「知ってるよ、そんくらいよ」

「むーーー!!」と、シロは焼いたお餅のようにほっぺを膨らます。

 か、可愛い!!

 俺は、シロの腕を掴みピンク色の髪の少女のところへ向かった。


■■■


「あのぉ~~すみません、僕たちとグループ組みませんか?」

 俺は、優しい声でピンク色の髪の少女に話しかける。
 すると、少女はビクッとした後に恐る恐るこちらを振り向く。

「ほ、ほんとですか?」

 わぉ! めちゃくちゃ美少女だ! 美しい輝いている紫色の目。まさしく、これがボンキュンボン。
 やばい、可愛い。虜にしたい……。

『ねぇ、マジで気持ち悪いんですけど……もう少しそういうの控えてもらっていいですか? ギルくん』

(す、すみません……たしかに我に帰ると気持ち悪かったです……)

「ああ、ほんとだよ。俺はギル、それでこの子がシロ。俺の自慢の幼馴染だ!」

 俺の言葉が嬉しかったのか、シロはうんうんと首を縦に振っている。

わたくしは、モモ・スエーデンと言います。ギルさん、シロさん、よろしくお願いします」

 モモは、頭を下げ一礼する。

 なんて、いい子なんだろうか。

「別に呼び捨てでいいよ。俺もそうするからさ、なぁ? シロ……」

「うん、モモちゃんそれでいいよ!」

 わぁー! っと嬉しそうにモモは口を開いている。

 うーんと、ちなみにモモの今の好感度は……シロが82で……俺が34!? え……どう言うことだよ……。

『あー、多分この子、男嫌いね!! ドンマイ! プークスクス』

(男嫌いかよ……マジか……)

 まぁ、これに関しては仕方がない。
 いつか、男嫌いを克服してもらう。せっかく美少女なんだし、モテるのになぁ……。

「モモちゃん、そろそろ行こ! ほら、ギルも!!」と、シロはモモの腕を掴みダンジョンにワープさせてもらうため、列に走って行った。

「へいへい、行きますよー」

 さてと、行くとしよう。
 入試のダンジョンなんてたかが知れてる。とっとと倒してどうせなら、一位を目指すとしよう。


■■■


「それでは、ダンジョンへのワープを行います」と、魔術師はなんらかの詠唱を捉える。

 すると、俺たちの地面には光る紋章が現れ徐々に更に光出す。

 目が眩しさに耐えきれないため、気づいたら目をつぶっていた。

「それでは、行ってらっしゃーい!!」

 そう聞こえた瞬間に、「キー」とコウモリか何かが鳴いている声がしたため目を開けてみると……すでに、そこはワープ先のダンジョンだった。

「うわぁあ! すごい!」

「ほんとです!! シロさん!」

 2人は、すでに仲良くなったようだ。
 それは、嬉しいことだが……あれ? 俺ぼっちになってね?

「おい! 感激してるところ悪いけど、早く行くぞ! どうせなら一位取りに行こうぜ!」

「うんうん、ギルの言う通り、私も一位目指す!」

「シロさんがそう言うなら……わたくしも……ギル、わたくしも一位目指します」

「よし、じゃぁとっととボス倒すか!」

「「おー!!」」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  ブックマーク・評価、宜しくお願いします。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界転生特典『絶対安全領域(マイホーム)』~家の中にいれば神すら無効化、一歩も出ずに世界最強になりました~

夏見ナイ
ファンタジー
ブラック企業で過労死した俺が転生時に願ったのは、たった一つ。「誰にも邪魔されず、絶対に安全な家で引きこもりたい!」 その切実な願いを聞き入れた神は、ユニークスキル『絶対安全領域(マイホーム)』を授けてくれた。この家の中にいれば、神の干渉すら無効化する究極の無敵空間だ! 「これで理想の怠惰な生活が送れる!」と喜んだのも束の間、追われる王女様が俺の庭に逃げ込んできて……? 面倒だが仕方なく、庭いじりのついでに追手を撃退したら、なぜかここが「聖域」だと勘違いされ、獣人の娘やエルフの学者まで押しかけてきた! 俺は家から出ずに快適なスローライフを送りたいだけなのに! 知らぬ間に世界を救う、無自覚最強の引きこもりファンタジー、開幕!

処理中です...