婚約者に結婚破棄されたので、全力で逆ハーレムしようと思ったらハーレムすることになりました。何故か私が悪役令嬢という噂が立てられているのですが

山形 さい

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第1話

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 その日、私は家で泣いた。

 ずっと、一緒にいられると思っていたアインツ様と一緒にいられなくなったからだ。

 とにかく、ベッドが涙と鼻水が濡れ、シミができるほど泣いた。

 泣けば泣くほどアインツ様との思い出が頭をよぎる。
 数え切れないほどたくさんのことがあった。
 どれも、私にとっての宝物だ。

 そのたびに私は泣いた──。

 きっとこれが正しいんだ……。

 これであっているんだ。

 アインツ様は悪くない。

 これは私が悪いんだ。
 私よりその女の方が魅力があったから……私より輝いていたから……。
 だったら、私ももっと輝きたい!!
 もっと、もっと、もっと、もっと私もアインツ様から愛されたい──っ!!
 アインツ様としたいし……アインツ様と一緒に買い物したいし!!
 もっと、もっと、もっと、もっとおしゃべりしたいし!!

 こう考えてみると私たち何もしてないじゃん。

「そ、そうだ……」

 私は天井を見る。
 
 ……なら、私は私をもっと磨いて……その女より輝けば、アインツ様はまた私を見てくれる……のでは?

 私はアインツ様が好きだ。
 好きでたまらない。
 だからこそ、私は私を磨き成り上がる。
 まだ、アインツ様は結婚したわけではない。
 ここから、私が成り上がってどんでん返しすれば……まだ、私の未来は決まってない!

 絶対にアインツ様をもう一度、振り向かせてやる!

 そして、私は大声で言った。

「また、私の魅力に気づかせてあげるんだから──ッ!!」と──。

 そのためには……旅に出るとしよう。



 ガタンガタンと馬車に乗り、揺られている。

 運転手は後ろを振り向き。

「お嬢ちゃん、どこまでだい?」

 私は運転手を見て、ニヤリと笑い言った。

「隣街まで──」と。

 ここから、私を磨く大冒険が始まるのだった──。
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