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結婚破棄
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ある日、婚約者のアインツ様は私に言った。
「エリス……俺さ、お前以外の人に恋をしたんだ……だから、ごめん、俺と別れてくれないか?」
いわば、結婚破棄というやつだ……。
頭が真っ白になった。
「う、嘘ですよね……アインツ様?」
しかし、アインツ様は首を横に振る。
ああ……そうか……私、じゃだめなんだ……。
私はただただ下を向いた。
「本当にごめん……」
アインツ様は貴族であり、私はそこら辺にいるただの平民だ。
そのくらい差がある立場でありながら少しの間、婚約者だということだけで幸せだった……。
今思えば、私とアインツ様では釣り合うはずがないんだ……。
でも……でも……っ。
喉に何かが詰まったように言葉が出ない。
私の好きな人を応援するだけなのに『頑張ってね』って言うだけなのに……。
自然と涙が地面に向かって流れ落ちる。
何滴も無数の涙がこぼれ落ちる。
「エリス──ッ?」と私の心配をしてくれるアインツ様。
やっぱり、アインツ様は優しい人だ。
私は目についた涙を指で拭いて。
「ううん、ごめんね。……私、アインツ様との七年間、本当に楽しかった……」
そして、私は笑顔で言った。
「私を振ったんだから、絶対にその子と仲良く過ごしなさいよね!!」と──。
これが、私の結婚破棄による失恋だった……。
「エリス……俺さ、お前以外の人に恋をしたんだ……だから、ごめん、俺と別れてくれないか?」
いわば、結婚破棄というやつだ……。
頭が真っ白になった。
「う、嘘ですよね……アインツ様?」
しかし、アインツ様は首を横に振る。
ああ……そうか……私、じゃだめなんだ……。
私はただただ下を向いた。
「本当にごめん……」
アインツ様は貴族であり、私はそこら辺にいるただの平民だ。
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今思えば、私とアインツ様では釣り合うはずがないんだ……。
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「私を振ったんだから、絶対にその子と仲良く過ごしなさいよね!!」と──。
これが、私の結婚破棄による失恋だった……。
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