いずれ最強に至るレベルアップ冒険者

ステータスが出現した日

「ふう～、今日も疲れたあ～」と独り言を呟きながら、ベッドにダイブした。

　ここは、駆け出しの街スイデンにある安宿であり、いつも俺が過ごしている部屋である。

「それにしても、今日は一段と疲れたなあ……ジャイアントスライムの討伐とか俺みたいな底辺冒険者がやる仕事かよ……」

　俺こと、アズウは半年ほど前から冒険者として生きている17歳である。
　冒険者とは人々に害するモンスターの討伐やきのみなどの採取依頼をこなすのを仕事にしている人々のことである。
　主に俺は剣術を使ってモンスターと戦っている者だ。

「今日はもう疲れたし、寝るとするか」

　そして、その日はそのまま眠りについた。

○

「ん……」

　早朝、まだ太陽が登っておらず、少しくらい時間に目を覚ました。

「なんだ、目にゴミか？」と俺は目を擦る。

　んあ、取れないな。
　って、なんで俺の名前が書かれたんだ──ッ！？


　アズウ(17)レベル1

　職業　冒険者

　攻撃力110　　防御力110　　魔力110　　素早さ110　　

　魔法ポイント　15
　スキルポイント　15

　魔法　【ファイヤーボール】
　スキル　なし


　他にも……色々と書かれてるし。
　なぜ俺が冒険者ってことを、それに俺が使える魔法である【ファイヤーボール】が書かれてるんだ？

　これがなんなのかわからない、ただこれが俺の情報であることはわかった。
　あとは、ゴミではないことだ。

「疲れてんのか、俺？」

　全くわからないな、とりあえず。

「視界が遮られててうざいから閉じてくれないかなー？」

　視界一面に広がる変な数値やら言葉が書かれたモノをなんとかしてでも消したい。
　
　今日もクエスト受ける予定なのに困ったなあ。
　これじゃあ、スライムすら視界のせいで倒せるかわからんぞ。
　閉じろ、閉じろ……。

　と、何度も心の中でつぶやく。

　──閉じろ──ッ！

　すると、パッと視界に表示されていたモノが消えた。

「おっ、消えた」

　一体、何だったのだろうか。
　
「まあ、深く考えるのはやめよう。消えてよかった、これで今日も俺は頑張れるぜ」

　木の壁に寄りかけておいた鞘に入った剣を手に持つと、あくびをした後、外に出ることにした。

　まだ、朝早いため冒険者ギルドはやってないだろうし、スライムでも狩るとしよう。
　瓶に詰めて持っていけば金になるし。

　こうして俺は街の外にあるスライムが沸いている草原へと向かった。