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序章
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ごくり、と喉の鳴る音がした。
それは佐倉慶が鳴らした音だったが、当の本人は喉を鳴らした自覚がなかった。それほどまでに、慶は目の前のものに集中していた。
深夜のラブホテルの一室。
慶の側には四肢を投げ出し、眠りこける男の姿がある。男の衣服は乱れていたが、これは眠りやすいようにわざと緩めたものだ。
慶が思わず手を止め、見入ってしまったのは、カジュアルなスラックスの前をくつろげているときだった。
「……これ、正常時なんだよな?」
スラックスから見え隠れする黒の下着に向かって、慶はそう呟く。無論、そんなところに話しかけたとて返事があるはずもないが、思わず声をかけてしまうほど、そこは圧倒的な存在感を放っていた。
慶がなぜ、男同士でラブホテルにいるのか。それは遡ること数時間前――。
それは佐倉慶が鳴らした音だったが、当の本人は喉を鳴らした自覚がなかった。それほどまでに、慶は目の前のものに集中していた。
深夜のラブホテルの一室。
慶の側には四肢を投げ出し、眠りこける男の姿がある。男の衣服は乱れていたが、これは眠りやすいようにわざと緩めたものだ。
慶が思わず手を止め、見入ってしまったのは、カジュアルなスラックスの前をくつろげているときだった。
「……これ、正常時なんだよな?」
スラックスから見え隠れする黒の下着に向かって、慶はそう呟く。無論、そんなところに話しかけたとて返事があるはずもないが、思わず声をかけてしまうほど、そこは圧倒的な存在感を放っていた。
慶がなぜ、男同士でラブホテルにいるのか。それは遡ること数時間前――。
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