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第10話 前世も来世も

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◇◇◇

 モンスターパレードを無事乗り越えた王都の小さな教会で、獅子奮迅の活躍を見せた二人の冒険者が式を挙げた。

 新婦の名前はアニーシャ。新郎の名前はロイド。奇しくも伝説の聖女と勇者の名を持つ二人の結婚を、王都中の人が祝福した。

「ロイド様、本当に私でいいんですか?」

 不安そうなアニーシャの言葉にロイドは笑う。

「愛してる。きっと、前世も来世も。出逢うたび、俺はお前に恋するんだろうな」

「もしかして、前世の記憶が!?」

 ハッと顔色を変えるアニーシャの頬をロイドは優しく撫でる。

「なんだ、やっぱそうなのか。いや、記憶は無い。でも、お前の態度で分かった」

「ご、ごめんなさい。で、でも、今のロイド様のことも大好きです」

「どっちでもいいよ。俺は、お前のことが好きだから。お前が俺の側にいてくれるなら、お前が好きなのが前世の俺でも今の俺でもどっちでもいい」

「ロイド様……」

「これからはずっと一緒だからな」

「はい」

 王都に鳴り響く祝福の鐘の音。300年の時を経て結ばれた二人。ちょっぴり俺様な勇者様と、ちょっぴりドジで泣き虫な聖女様の恋は、ここから始まるハッピーエンド。

おしまい
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