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第二章 ロルフとリリアの危険な冒険!?
第16話 衝撃の再会!娘さんをくださいっ!
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◇◇◇
風を切ってビュンビュン走るのは爽快だ。うん。確かに爽快ではある。だがしかし、何事にも限度というものがあるではないか。
最初は上に乗るのに慣れていないリリアのために比較的ゆっくりしたスピードで乗せてくれた二人(二匹?)だが、リリアが慣れてくるにつれ、徐々に速さを競うようになっていった。
『おいフィル、疲れたんじゃないか?そろそろ変わってやろうか?』
『このくらいへっちゃらです!全力で走るの久し振りだから楽しいです!』
『よし!じゃあ次の街まで競争な!』
「え、ちょ、待っ……」
『負けないです!』
「ひ、ひぇぇぇ……」
振り落とされまいと必死でフェンの背中にしがみ付くリリア。村や街が恐ろしい勢いで遠ざかっていく。
◇◇◇
ようやく両親の暮らす村の入り口に立ったとき、リリアは魂が抜けたようにぐったりした有様だった。
「うう、内臓が飛び出そう……」
「リリアごめんなさいです。お水飲むですか?」
「わりい、つい本気で走っちまった」
このままでは感動の再会の前に、乙女にあるまじき醜態を晒してしまう。
「あ、自分に回復魔法をかけてみるのはどうですか?」
フェンの言葉にポンっと手を打つリリア。
「そっか、自分に回復魔法ってかけたことなかったもんね。かけてみる!」
とりあえずむかむかする胸の当たりに手をやり、一心不乱に念じる。
(えーと、えーと、呪文とかよくわからないから、とりあえず気持ち悪いの、とんでけっ!)
リリアの手が白い光に包まれると、それまで感じていた気持ち悪さがすっと楽になるのを感じた。
「リリア、気分はどうだ?」
「う、うん。すごい。治った。自分にもちゃんと使えるみたい」
「良かったな」
「うんっ!回復魔法って本当に便利だねえ」
「だな。だが、治せるからって無茶すんなよ」
「お前が言うなっ!」
「わりい」
◇◇◇
「おい、リリアじゃないか。帰ってきたのか!」
家に向かう途中、ばったり仕事帰りの父親に出くわした。リリアの父親のダンは猟師で、山で獲物を狩って生計を立てている。
「あ、お父さん久しぶり、元気だった?」
「元気だったじゃねえよっ!手紙の一つもよこさねえから心配したじゃねえか!そっちの二人は?友達か?」
相変わらず元気そうな父の様子に頬が緩む。
「うん。こっちがロルフでこっちがフェン。二人とも私の大切な仲間だよ」
「そうかそうか。リリアの父親のダンだ。うちのリリアが世話になってるな」
にこにこして右手を差し出すダン。ロルフはダンの差し出した手をしっかりと握り返した。
「ロルフです。リリアさんとは結婚を前提にお付き合いさせていただいております。本日はご挨拶に伺いました」
「フェンです。リリアの神獣です」
「は?」
風を切ってビュンビュン走るのは爽快だ。うん。確かに爽快ではある。だがしかし、何事にも限度というものがあるではないか。
最初は上に乗るのに慣れていないリリアのために比較的ゆっくりしたスピードで乗せてくれた二人(二匹?)だが、リリアが慣れてくるにつれ、徐々に速さを競うようになっていった。
『おいフィル、疲れたんじゃないか?そろそろ変わってやろうか?』
『このくらいへっちゃらです!全力で走るの久し振りだから楽しいです!』
『よし!じゃあ次の街まで競争な!』
「え、ちょ、待っ……」
『負けないです!』
「ひ、ひぇぇぇ……」
振り落とされまいと必死でフェンの背中にしがみ付くリリア。村や街が恐ろしい勢いで遠ざかっていく。
◇◇◇
ようやく両親の暮らす村の入り口に立ったとき、リリアは魂が抜けたようにぐったりした有様だった。
「うう、内臓が飛び出そう……」
「リリアごめんなさいです。お水飲むですか?」
「わりい、つい本気で走っちまった」
このままでは感動の再会の前に、乙女にあるまじき醜態を晒してしまう。
「あ、自分に回復魔法をかけてみるのはどうですか?」
フェンの言葉にポンっと手を打つリリア。
「そっか、自分に回復魔法ってかけたことなかったもんね。かけてみる!」
とりあえずむかむかする胸の当たりに手をやり、一心不乱に念じる。
(えーと、えーと、呪文とかよくわからないから、とりあえず気持ち悪いの、とんでけっ!)
リリアの手が白い光に包まれると、それまで感じていた気持ち悪さがすっと楽になるのを感じた。
「リリア、気分はどうだ?」
「う、うん。すごい。治った。自分にもちゃんと使えるみたい」
「良かったな」
「うんっ!回復魔法って本当に便利だねえ」
「だな。だが、治せるからって無茶すんなよ」
「お前が言うなっ!」
「わりい」
◇◇◇
「おい、リリアじゃないか。帰ってきたのか!」
家に向かう途中、ばったり仕事帰りの父親に出くわした。リリアの父親のダンは猟師で、山で獲物を狩って生計を立てている。
「あ、お父さん久しぶり、元気だった?」
「元気だったじゃねえよっ!手紙の一つもよこさねえから心配したじゃねえか!そっちの二人は?友達か?」
相変わらず元気そうな父の様子に頬が緩む。
「うん。こっちがロルフでこっちがフェン。二人とも私の大切な仲間だよ」
「そうかそうか。リリアの父親のダンだ。うちのリリアが世話になってるな」
にこにこして右手を差し出すダン。ロルフはダンの差し出した手をしっかりと握り返した。
「ロルフです。リリアさんとは結婚を前提にお付き合いさせていただいております。本日はご挨拶に伺いました」
「フェンです。リリアの神獣です」
「は?」
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