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第1章 はじまりの準備
12 ティアラ姫冒険者を目指す!
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「うー!退屈だよぉー!」
――――あれから1ヶ月、カミールからはいまだに外出許可が貰えていない。それどころか、最初の一週間は、ベッドから起きることさえ許して貰えなかった。ぶっちゃけ暇だし、運動不足である。
ただその間、ティアラが何もしていなかった訳ではない。まず、ティアラは今思い出していることの確認と、今世の目標を立てることにした。
「まずは、今思い出したことをまとめてみよう」
実はティアラは、「アリシア」だった頃の記憶をすべて思い出した訳ではない。思い出したのは大きく2つのこと。自分が『全属性の賢者』と呼ばれたアリシアだったこと。そして、「ドラゴンのフィリップ」との約束を守るために生まれ変わったことだ。
8歳になるまで前世の記憶が思い出せなかったように、まだ封印されている記憶があることも感じている。とても、とても大切な何かを忘れている。ただ、それを思い出すのは、今ではないこともわかる。時がくれば、記憶は蘇るだろう。成長とともに思い出すのかも知れないし、フィリップと再会後のことかもしれない。
「忘れてることが何か気になるけど。一番気になるのはフィリップだよね!」
ならば、するべきことは、決まっている。フィリップを探すのだ。今の所フィリップの気配は全く感じることができない。でも、この世界で最強種であるドラゴンのフィリップが、簡単に死ぬとは思えない。
きっとフィリップは生きている。気配を消しているのかもしれないし、国外にいる可能性もあるだろう。効率よくフィリップを探すためには、国内だけでなく国外も自由に行き来できる立場になるのが望ましい。
そこで考えたのが、冒険者になることだ。後二年たてば、冒険者ギルドに所属することができる。少しずつレベルを上げて、国外に出るチャンスを掴みたい。
そのためには、力をつけなければいけない。まずは魔力量を増やすこと。そして、全属性の魔法を覚えることだ。今は回復魔法しか使えず魔力量も少ないため、冒険者として国内外で活動することは難しいだろう。アデルの言うように、カミールから反対されることが目に見えている。
この世界は魔力で満ちており、魔力を受け入れる器を持つものが魔力を体に取り込むことで魔法を使うことができる。そして、自分のもつ属性に変換して魔法を操る。
より多くの魔力を器に溜めるためにはより多くの魔力を吸収することが大切だ。自然と溜まる魔力だけでは足りない。神経を研ぎ澄まし、集中することで効率良く魔力を吸収し、高めることができる。まずはその練習をすること。
全属性の魔法を使えるようになることは、それ程難しくない。魔法自体は忘れていないので、虹色の魔力に変換できるようになったいまなら、全ての属性魔法を問題なく扱えるだろう。ただ、魔力量が少ないうちは、大きな魔力を必要とする上級魔法は使えない。前世の勘を取り戻すため、魔力切れを起こさない範囲で練習していきたい。
「よし決めた!まずは全ての力を取り戻し、冒険者になってフィリップを探しにいく!そしてその後は……」
(今度こそ逃げないで、この世界と向き合わなくちゃ……)
ティアラは大きな決意を胸に秘め、小さく頷くのだった。
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