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「おい、ジロジロと人の顔を見るな。さっきまでと態度が違うじゃねえか」
「はい?お会いしたことありましたか?」
「俺は髭を剃っただけだぞ。」
ああ!確かにこの顔に髭をつければさっきのおっさんだ!
というかおっさんじゃなかった!体つきは俺よりいいけれど、全然俺より若そうだ!
ええ~!この人こんなイケメンだったの?さっきと同じ赤髪だし、目つきや鼻筋も確かに一致する。
「ああ!確かに!誰かと思いました!」
「ふん。」
名前は確かルシアーノだったかな。ルシアーノは俺のテーブルの反対側に座り、足を組みながら俺の顔を睨みつけてくる。
「なんで私を誘拐したんですか?」
「お前は異世界人がこの国でどういう存在か詳しく聞いたことはあるか?」
「とても珍しい…くらいですかね?」
「やっぱりドゥーガルのやつ、隠してやがったな」
どうやらルシアーノのイライラはあのイケメン領主様に向けたものらしい。ハイテンションだったり、イライラしたり忙しい人だ。
「どういう意味ですか?」
「異世界人は確かに珍しい。だが、それだけじゃない。」
ルシアーノがテーブルに体を乗り出し、俺の顎を掴む。
「この世界じゃ、異世界人はみんなの共有物なのさ。この世界の全ての男がお前を手に入れたいのさ。」
「仰っている意味がよくわからないんですが…?」
「すべての男にとって、とても魅力的に見えるということだ」
「はあ?俺自分で言うのも何ですが、普通の顔だと思いますよ?元の世界でも全然持てなかったですし」
「そんなのは謙遜にしか聞こえないな。ま、とにかく色々な男に尻を狙われることになることは確かだ。」
ヒイイ。俺はここまでの人生で人と体を重ねたことなんか一度もない。それどころか付き合ったこともない。そんな俺にとって刺激が強すぎる話だ。
引き攣った俺の顔を見て、ルシアーノがにやりと微笑む。
「まあ、そんなわけだから大人しく俺にケツを差し出せ。そうすれば俺が他の男たちからお前のケツを守ってやる。」
「ええ~。それ結局お尻を差し出しているじゃないですか」
「1人に絞れるだけましだろ?休む時間ができる。」
おおう。確かにずっとやられるよりはまし、なのか?
不特定多数の男たちに囲まれ、ずっと犯されている自分の姿を想像する。
だめだ。それだけは絶対回避したい。できればお尻自体を守りたいが……
ここで断って街中に放り出されでもしたら、あっという間に尻どころか命の危険さえありそうだ。
「な?そういうわけだから諦めて俺のものになれ」
そういうや否や俺の体をひょいと横抱きにして、扉を開けるとそこにはキングサイズのベッドが鎮座していた。
頭で理解はしていてもこれからされることを考えると体がこわばる。
というか、ここルシアーノの私室だったのか。即ベッドじゃねーか。
俺の体はベッドに横たえられて、ルシアーノが勢いよく服を脱ぐ。
筋肉逞しい羨むような美しい上半身が目に入る。同じ男ながら惚れ惚れするような肉体美だ。
一瞬これからされることを忘れて、ポーッとしていると、どかっという音とともに勢いよく寝室のドアが開く。
そこには顔を真っ赤にしたドゥーガルの姿があった。
「貴様!よくも私のサトルを盗みおったな!」
「思ったより早かったじゃねえか。あともう少しで処女いただけたのによお」
「ふざけるな!赤髪で髭面の粗野な男と言ったらお前しか思いつかんわ!サトルは私の元で保護するのだ!さっさとその汚い手を離せ馬鹿者が!」
ドゥーガルはズカズカとベッド脇まできて、ルシアーノの手をはたき落とした。
もっとも、ルシアーノはこの状況を予期していたようだった。
「そもそもお前が異世界人を独占しようとするのが悪い。本当ならきちんと手順を踏んでからじゃないといけないはずだぞ?このことを後で民衆が知ったら恐ろしいことになるだろうなあ?」
ぐっ!と痛いところを疲れたようでルシアーノが顔を赤くする。
「きちんとした手順って?」
「さっきも言ったが、異世界人はみんなの共有物なんだ。黙って囲い込むのは同胞に対する裏切り行為とも言える。本来ならきちんと異世界人が発見されたことを公表して、民衆からの多くの支持を得て初めて独占できるんだ。」
な、なんか意外ときちんとしてるんだな…。
あ、ルシアーノがそっぽ向いてる。黙って取り返すのは諦めたらしい。
領主の館にいるときはそんな素振りは何もなかったのに、そんなこと考えていたのか…ルシアーノの言葉に何も反論しないところを見ると、あながち嘘でもないらしいし。
しかしそれだと俺を外に出したことが疑問に残る。
「なんで俺は外出できたんだ?普通に外に出られたぞ。」
「それはこいつの部下の中に、1人で囲い込もうとしている奴が反感を持ったからだ。そいつらからお前の情報が流れてきて、お前をすぐに確保することができた。」
なんと俺が攫われたのもあらかじめ予定通りのことだったらしい。
「はい?お会いしたことありましたか?」
「俺は髭を剃っただけだぞ。」
ああ!確かにこの顔に髭をつければさっきのおっさんだ!
というかおっさんじゃなかった!体つきは俺よりいいけれど、全然俺より若そうだ!
ええ~!この人こんなイケメンだったの?さっきと同じ赤髪だし、目つきや鼻筋も確かに一致する。
「ああ!確かに!誰かと思いました!」
「ふん。」
名前は確かルシアーノだったかな。ルシアーノは俺のテーブルの反対側に座り、足を組みながら俺の顔を睨みつけてくる。
「なんで私を誘拐したんですか?」
「お前は異世界人がこの国でどういう存在か詳しく聞いたことはあるか?」
「とても珍しい…くらいですかね?」
「やっぱりドゥーガルのやつ、隠してやがったな」
どうやらルシアーノのイライラはあのイケメン領主様に向けたものらしい。ハイテンションだったり、イライラしたり忙しい人だ。
「どういう意味ですか?」
「異世界人は確かに珍しい。だが、それだけじゃない。」
ルシアーノがテーブルに体を乗り出し、俺の顎を掴む。
「この世界じゃ、異世界人はみんなの共有物なのさ。この世界の全ての男がお前を手に入れたいのさ。」
「仰っている意味がよくわからないんですが…?」
「すべての男にとって、とても魅力的に見えるということだ」
「はあ?俺自分で言うのも何ですが、普通の顔だと思いますよ?元の世界でも全然持てなかったですし」
「そんなのは謙遜にしか聞こえないな。ま、とにかく色々な男に尻を狙われることになることは確かだ。」
ヒイイ。俺はここまでの人生で人と体を重ねたことなんか一度もない。それどころか付き合ったこともない。そんな俺にとって刺激が強すぎる話だ。
引き攣った俺の顔を見て、ルシアーノがにやりと微笑む。
「まあ、そんなわけだから大人しく俺にケツを差し出せ。そうすれば俺が他の男たちからお前のケツを守ってやる。」
「ええ~。それ結局お尻を差し出しているじゃないですか」
「1人に絞れるだけましだろ?休む時間ができる。」
おおう。確かにずっとやられるよりはまし、なのか?
不特定多数の男たちに囲まれ、ずっと犯されている自分の姿を想像する。
だめだ。それだけは絶対回避したい。できればお尻自体を守りたいが……
ここで断って街中に放り出されでもしたら、あっという間に尻どころか命の危険さえありそうだ。
「な?そういうわけだから諦めて俺のものになれ」
そういうや否や俺の体をひょいと横抱きにして、扉を開けるとそこにはキングサイズのベッドが鎮座していた。
頭で理解はしていてもこれからされることを考えると体がこわばる。
というか、ここルシアーノの私室だったのか。即ベッドじゃねーか。
俺の体はベッドに横たえられて、ルシアーノが勢いよく服を脱ぐ。
筋肉逞しい羨むような美しい上半身が目に入る。同じ男ながら惚れ惚れするような肉体美だ。
一瞬これからされることを忘れて、ポーッとしていると、どかっという音とともに勢いよく寝室のドアが開く。
そこには顔を真っ赤にしたドゥーガルの姿があった。
「貴様!よくも私のサトルを盗みおったな!」
「思ったより早かったじゃねえか。あともう少しで処女いただけたのによお」
「ふざけるな!赤髪で髭面の粗野な男と言ったらお前しか思いつかんわ!サトルは私の元で保護するのだ!さっさとその汚い手を離せ馬鹿者が!」
ドゥーガルはズカズカとベッド脇まできて、ルシアーノの手をはたき落とした。
もっとも、ルシアーノはこの状況を予期していたようだった。
「そもそもお前が異世界人を独占しようとするのが悪い。本当ならきちんと手順を踏んでからじゃないといけないはずだぞ?このことを後で民衆が知ったら恐ろしいことになるだろうなあ?」
ぐっ!と痛いところを疲れたようでルシアーノが顔を赤くする。
「きちんとした手順って?」
「さっきも言ったが、異世界人はみんなの共有物なんだ。黙って囲い込むのは同胞に対する裏切り行為とも言える。本来ならきちんと異世界人が発見されたことを公表して、民衆からの多くの支持を得て初めて独占できるんだ。」
な、なんか意外ときちんとしてるんだな…。
あ、ルシアーノがそっぽ向いてる。黙って取り返すのは諦めたらしい。
領主の館にいるときはそんな素振りは何もなかったのに、そんなこと考えていたのか…ルシアーノの言葉に何も反論しないところを見ると、あながち嘘でもないらしいし。
しかしそれだと俺を外に出したことが疑問に残る。
「なんで俺は外出できたんだ?普通に外に出られたぞ。」
「それはこいつの部下の中に、1人で囲い込もうとしている奴が反感を持ったからだ。そいつらからお前の情報が流れてきて、お前をすぐに確保することができた。」
なんと俺が攫われたのもあらかじめ予定通りのことだったらしい。
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