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黒猫のねがいごと
★5
しおりを挟む青い小鳥と水色の小鳥は、
「ありがとう!」
クロスケにお礼を言うと家に帰って行った。
今度は湖の上ではなく、
ちゃんと湖をう回していくようだ。
小鳥たちに手を振るクロスケに
「本当に、これでよかったの?」
白猫がきいてきた。
「うん!」
クロスケはすっきりした顔でうなずく。
あのあとすぐに、
クロスケが願いごとをとなえると、
虹色のカケラはクロスケの手を離れ、
宙に浮かび上がった。
太陽の光を浴びて、
きらっと輝いた次の瞬間。
パリン!
音をたてて割れると、
中から一色ずつ色の違う、
小さなカケラがあらわれた。
全部で七色。
虹を彩る七つのカケラ。
それぞれ必要とされるところへ飛んで行く。
黄色とオレンジ色のカケラは、
蝶々のもとへ。
赤と緑のカケラは、うさぎのもとへ。
青と水色のカケラは、
小鳥たちのもとへと届けられた。
あのときクロスケは、こう願った。
見つけた星のカケラと同じ色のカケラを、
みんなに届けてあげてください____
「ひとつ、カケラが残っちゃったわね」
七つのうちひとつだけ、
紫のカケラが残った。
クロスケはカケラを手に取ると、
白猫に渡す。
「これは、きみのだよ」
「え? 私の?」
「うん、だって……」
クロスケは白猫の目をじっと見つめた。
白猫の瞳は紫色。
カケラと同じ色をしている。
「あら。
それならあなたもおんなじじゃない」
今度は白猫が
クロスケの目をのぞきこんできた。
クロスケも同じ。
紫色の瞳をしていた。
「じゃあこれは、
私たちのものにしましょうよ」
「きみと、ぼくの?」
「そうよ。この木の下に埋めておくの。
それでときどき様子を見に来て
ここで、おしゃべりをするの。
……どうかしら?」
白猫はそう言うと笑みを浮かべた。
ほほはうっすら桃色に染まっている。
クロスケはだんだんうれしくなってきた。
またスキップして跳び跳ねて、
大声で叫びたいぐらいだ。
しあわせな気持ちのままクロスケは、
にっこり笑うと白猫にこう伝えた。
「じゃあぼくたち、友だちになろうよ」
虹色の流れ星。
そのカケラを見つけると
ひとつだけ願いがかなうという。
え、それで結局、クロスケの
ほんとのねがいごとは何だったのかって?
そうだなあ。
もうかなったから、いいよね。
~黒猫のねがいごと~ 完
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