20 / 154
第20話 朝帰り
しおりを挟む
男と別れて翌日の昼前、オレは自宅にたどり着いた。
いやあ……セックスって……エゲツな……ケツに……オレ、あんな声……。
昨日のモロモロが頭の中でリフレイン……。
ちょっとゲロ吐きそう。
「おい」
急に声をかけられてビックリして振り返る。
灰谷だった。
今、一番顔を見られたくないし、見たくない男の顔が……。
「昨日オマエなんで電話に出ねえんだよ」
「朝っぱらから、うっせえよ」
カギカギ。家のカギが見つからない。
ポケットを探る。
「つうかもう昼だ昼。どこ行ってたんだよ。メシか?」
「うっせえな、オマエはオレの母ちゃんか」
「節子じゃねえよ」
「人の母親呼び捨てにすんな」
あっ、あった。
早く逃げたい。
「節子はオレが節子っていうと喜ぶぞ」
「ババアだからだよ」
カギをあけて中に入ろうとすると灰谷がついて来ようとする。
「なんだよ」
「え?何が?メシ食おうぜ」
コンビニの袋を見せる。
「腹減ってねえよ」
言ったそばからグ~と腹が鳴ってしまった。
「なっ」
灰谷が言う。
何が 『なっ』 だ。
灰谷のやつ、なんでいつもより気持ちテンション高いんだよ。
「オレ、コーヒー」
「自分で淹れろ。着替えてくっから」
「ウッス」
あ……。
台所に向かう灰谷からふわりと……。
階段を上る。
腰がダルい。ケツが痛い。股関節が痛い。つうかなんかダルい。
部屋に入るとTシャツを脱ぎ捨てる。
チクショウなんでいるんだよ。
昨日来れねえって言ったの自分じゃねえか。
つうか……ヤってんじゃねえよ!
灰谷からは昼だというのに、ほのかにボディーシャンプーのニオイがした。
そういうことだろ?
まあオレもか。
もういいや。どうでもいい。
オレはベッドに座りこみ頭を抱えてふーっと息を吐いた。
疲れた。頭まわんねえ。
*
灰谷がコーヒーを淹れ終わり、しばらく経っても真島は降りて来なかった。
「おーい真島~。真島~。全部食っちまうぞ~」
灰谷は二階に向かって叫んだ。
返事はない。
「無視かよ。上等だ」
トントントン灰谷は二階に上がる。
「お~い真島~」
真島は眠っていた。
上半身裸のままベッドで汗をかきながら爆睡していた。
なんで裸?
つうかこいつ、色白いな。
灰谷は改めて思った。
真島は高梨明日美より白かった。
そして女みたいに細いカラダ。
薄ピンクの乳首。
見ようによってはエロかった。
その時、真島はう~んと寝返りを打って、股の間に両腕をはさむポーズになった。
灰谷から笑みがもれた。
真島は子供の頃から、寝る時、このポーズだった。
眠る真島の額に汗がにじんでいる。
灰谷は窓を閉めて、エアコンをつけた。
タオルケットを腹にかけてやろうとしたところで、灰谷はそれに気がついた。
首の後ろ、真後ろ、その少し下。
Tシャツでぎりぎり隠れるところ。
でも絶対に自分ではつけれないところ。
真島の白い肌にクッキリと残る薄ピンクのうっ血した痕。
――キスマーク。
こいつももしかして昨日……。
そっかそっか。
童貞卒業か。
ん?
昨夜具合悪そうに歩いてたって言ってなかったか?高梨さん。
やっぱ見間違いか?
♪~
灰谷のスマホの通知音が鳴った。
クレーンゲームでとってやったぬいぐるみを抱えて微笑む明日美の写真とメッセージ。
『灰谷くん、スキ♥』
スキ……か。
スキ、ねえ。
灰谷はベッドの脇に腰を下ろし、返信した。
『うん』
♪~
明日美からすぐ返信が来た。
『また後でね♥』
『うん』と送り返し、灰谷はふーっと息を吐いた。
灰谷は昨夜の明日美とのセックスを思い返した。
よかった……よなあ。
気持ちよかった。うん。
初めての中学二年の時はあまり余裕がなくてよくわからないまま終わってしまったけれど今回は……。
高梨明日美の胸は佐藤の言っていたようにかなり大きかった。
感触は特大のマシュマロのようで。
そして甘い声。
自分の一挙手一投足に反応する甘い声とやわらかいカラダ。
何より自分の事を好きなのがジワジワと伝わってきた。
一生懸命でとてもカワイかった。
でも……スキなのかと問われると……?
もちろんキライではないけれど。
ああ、こんなこと思っちゃ高梨さんに悪いなと灰谷は思う。
あんなに必死の思いで『初めて』をくれたんだ。
大切にしよう。
大事にしなきゃな。
灰谷は真島の寝顔を見つめる。
真島はどうだったんだろう。
なあ良かった?セックス。
好きなやつとしか付き合えねえとか言ってたけど。
真島は本当に好きなやつとできたのかな?
「フーッ。暑っちい」
灰谷は胸元をパタパタさせた。
でもな。
究極、性欲がなかったら、女なんか要らないような気もする。
話つまんねえし。
ぶっちゃけ真島たちと遊んでる方が面白いのは面白い。
……まあ違うベクトルの話なんだろうな。
それにしても。
真島は子供みたいに無防備に眠っていた。
眠る真島の顔は女みたいにキレイだと思う。
真島。
真島がもし女だったら。
この間の話みたいに、真島マコだったら……。
違う気がした。
きっと女じゃないから、いっしょにいられるのだろう。
対等でそれぞれの足でキッチリ立った男と男同士だから。
何より友達は恋人と違って別れがない。
歳をとっても仕事を持って家庭を持っても真島とはツルんでたいし、遊びたい。
灰谷は思った。
にしても真島、よく寝てんな。
ふわ~。
灰谷は大きなあくびをした。
眠い。
明日美と一晩過ごしてみて自分が他人といるとよく眠れない事を灰谷は知った。
いやあ……セックスって……エゲツな……ケツに……オレ、あんな声……。
昨日のモロモロが頭の中でリフレイン……。
ちょっとゲロ吐きそう。
「おい」
急に声をかけられてビックリして振り返る。
灰谷だった。
今、一番顔を見られたくないし、見たくない男の顔が……。
「昨日オマエなんで電話に出ねえんだよ」
「朝っぱらから、うっせえよ」
カギカギ。家のカギが見つからない。
ポケットを探る。
「つうかもう昼だ昼。どこ行ってたんだよ。メシか?」
「うっせえな、オマエはオレの母ちゃんか」
「節子じゃねえよ」
「人の母親呼び捨てにすんな」
あっ、あった。
早く逃げたい。
「節子はオレが節子っていうと喜ぶぞ」
「ババアだからだよ」
カギをあけて中に入ろうとすると灰谷がついて来ようとする。
「なんだよ」
「え?何が?メシ食おうぜ」
コンビニの袋を見せる。
「腹減ってねえよ」
言ったそばからグ~と腹が鳴ってしまった。
「なっ」
灰谷が言う。
何が 『なっ』 だ。
灰谷のやつ、なんでいつもより気持ちテンション高いんだよ。
「オレ、コーヒー」
「自分で淹れろ。着替えてくっから」
「ウッス」
あ……。
台所に向かう灰谷からふわりと……。
階段を上る。
腰がダルい。ケツが痛い。股関節が痛い。つうかなんかダルい。
部屋に入るとTシャツを脱ぎ捨てる。
チクショウなんでいるんだよ。
昨日来れねえって言ったの自分じゃねえか。
つうか……ヤってんじゃねえよ!
灰谷からは昼だというのに、ほのかにボディーシャンプーのニオイがした。
そういうことだろ?
まあオレもか。
もういいや。どうでもいい。
オレはベッドに座りこみ頭を抱えてふーっと息を吐いた。
疲れた。頭まわんねえ。
*
灰谷がコーヒーを淹れ終わり、しばらく経っても真島は降りて来なかった。
「おーい真島~。真島~。全部食っちまうぞ~」
灰谷は二階に向かって叫んだ。
返事はない。
「無視かよ。上等だ」
トントントン灰谷は二階に上がる。
「お~い真島~」
真島は眠っていた。
上半身裸のままベッドで汗をかきながら爆睡していた。
なんで裸?
つうかこいつ、色白いな。
灰谷は改めて思った。
真島は高梨明日美より白かった。
そして女みたいに細いカラダ。
薄ピンクの乳首。
見ようによってはエロかった。
その時、真島はう~んと寝返りを打って、股の間に両腕をはさむポーズになった。
灰谷から笑みがもれた。
真島は子供の頃から、寝る時、このポーズだった。
眠る真島の額に汗がにじんでいる。
灰谷は窓を閉めて、エアコンをつけた。
タオルケットを腹にかけてやろうとしたところで、灰谷はそれに気がついた。
首の後ろ、真後ろ、その少し下。
Tシャツでぎりぎり隠れるところ。
でも絶対に自分ではつけれないところ。
真島の白い肌にクッキリと残る薄ピンクのうっ血した痕。
――キスマーク。
こいつももしかして昨日……。
そっかそっか。
童貞卒業か。
ん?
昨夜具合悪そうに歩いてたって言ってなかったか?高梨さん。
やっぱ見間違いか?
♪~
灰谷のスマホの通知音が鳴った。
クレーンゲームでとってやったぬいぐるみを抱えて微笑む明日美の写真とメッセージ。
『灰谷くん、スキ♥』
スキ……か。
スキ、ねえ。
灰谷はベッドの脇に腰を下ろし、返信した。
『うん』
♪~
明日美からすぐ返信が来た。
『また後でね♥』
『うん』と送り返し、灰谷はふーっと息を吐いた。
灰谷は昨夜の明日美とのセックスを思い返した。
よかった……よなあ。
気持ちよかった。うん。
初めての中学二年の時はあまり余裕がなくてよくわからないまま終わってしまったけれど今回は……。
高梨明日美の胸は佐藤の言っていたようにかなり大きかった。
感触は特大のマシュマロのようで。
そして甘い声。
自分の一挙手一投足に反応する甘い声とやわらかいカラダ。
何より自分の事を好きなのがジワジワと伝わってきた。
一生懸命でとてもカワイかった。
でも……スキなのかと問われると……?
もちろんキライではないけれど。
ああ、こんなこと思っちゃ高梨さんに悪いなと灰谷は思う。
あんなに必死の思いで『初めて』をくれたんだ。
大切にしよう。
大事にしなきゃな。
灰谷は真島の寝顔を見つめる。
真島はどうだったんだろう。
なあ良かった?セックス。
好きなやつとしか付き合えねえとか言ってたけど。
真島は本当に好きなやつとできたのかな?
「フーッ。暑っちい」
灰谷は胸元をパタパタさせた。
でもな。
究極、性欲がなかったら、女なんか要らないような気もする。
話つまんねえし。
ぶっちゃけ真島たちと遊んでる方が面白いのは面白い。
……まあ違うベクトルの話なんだろうな。
それにしても。
真島は子供みたいに無防備に眠っていた。
眠る真島の顔は女みたいにキレイだと思う。
真島。
真島がもし女だったら。
この間の話みたいに、真島マコだったら……。
違う気がした。
きっと女じゃないから、いっしょにいられるのだろう。
対等でそれぞれの足でキッチリ立った男と男同士だから。
何より友達は恋人と違って別れがない。
歳をとっても仕事を持って家庭を持っても真島とはツルんでたいし、遊びたい。
灰谷は思った。
にしても真島、よく寝てんな。
ふわ~。
灰谷は大きなあくびをした。
眠い。
明日美と一晩過ごしてみて自分が他人といるとよく眠れない事を灰谷は知った。
0
あなたにおすすめの小説
その首輪は、弟の牙でしか外せない。
ゆずまめ鯉
BL
養子ゆえに、王位継承権を持たないオメガで長男のレイン(24)は、国家騎士団として秘密裏に働き、ただ義弟たちを守るためだけに生きてきた。
第一継承権を持つアルファで次男のリオール(19)は、そんな兄に「ごく潰し」と陰口を叩く連中を許せなかった。自分を犠牲にしてまで守る価値はないと思っていた。なにかと怪我の多い国家騎士団を辞めさせたかった。
初めて訪れた発情期のとき。約束をすっぽかされたリオールが不審に思い、兄の部屋へ行くと、国家騎士団の同僚──グウェンソード(28)に押し倒されるところを目撃して激高する。
「今すぐ部屋から出ろ!」
独占欲をあらわにしたリオールは、グウェンソードを部屋から追い出し、兄であるレインを欲望のままに抱いた。
翌朝、差し出されたのは特注の首輪──外せるのはリオールのみ。
「俺以外に触らせるな」
そう囁かれたレインは、何年も首輪と弟の執着に縛られ続けてきた。
弟には婚約者がいるのに、こんな関係を続けてもいいのか。
本当にこのままでもいいのか。
ひたすら執着して独占したがる弟と、罪悪感に苛まれる兄。
その首輪は、いつか弟の牙で血に染まるのか──。
どうにかしてレインを落としたいリオールと、弟との関係に悩むレインのオメガバースです。
リオール・グランケット(19)×レイン・グランケット(24)
※この作品は2015年頃に本文を書き、2017年頃にオメガバースに改稿、さらに2026年に手直しした作品になります。読みにくいかもしれません。ご了承ください。
三人称ですが攻めだったり受けだったり視点がよくかわります。攻め視点多めです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
一夜の過ちで懐妊したら、幼なじみの冷酷皇帝に溺愛されました
由香
恋愛
没落貴族の娘・柳月鈴は、宮廷で医官見習いとして働いていた。
ある夜、皇帝即位の宴で酒に酔い、幼なじみだった皇帝・李景珩と再会する。
遠い存在になったはずの彼。
けれど、その夜をきっかけに月鈴の運命は大きく動き出す。
冷酷と恐れられる皇帝が、なぜか彼女だけには甘すぎて――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる