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第70話 真島がオレを見ている……
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「んもう~みんな聞いて~。真島と結衣ちゃんがベッドでやらしい事してる~」
佐藤が騒ぎ立てる中、真島は結衣と手をつないで堂々と居間に入ってきた。
「んもう~ヤらしいカップル来たぞ~」
「ふざけんな。やらしくねえわ。ちょっと抱っこしてただけじゃん」
「キャー不純異性交遊~。ハレンチ~。中田、ダメだよな」
「なんで?いいじゃん別に」
「オレにはダメって言うくせに~」
「オマエはな。童貞くん」
「ギャー。中田、桜子ちゃんの前でそういうこと言うな~」
「サティ騒ぎすぎ。結衣ちゃんが恥ずかしいじゃん。ね~」
「……うん」
結衣は真島の背中に隠れるようにしている。
まるで小学生のように騒ぎたてる佐藤の声が耳障りだと灰谷は思った。
「うるせえな佐藤。スキンシップだろ。それよか花火やるんじゃねえの?」
「そうそうそうだった。真島くんったら野獣なんだから」
「違うわ。で、どこでやんの?庭?」
「手持ちとちっちゃい打ち上げとかだから、オマエんちの庭でいいと思うけど。周りうるさい?」
「いや~たぶん大丈夫」
「マジー、バケツに水汲んどこうよ」
「そうだな」
ゾロゾロとみな、庭に出て行く。
灰谷は一人その気になれずに、トイレに入り、用を足し、時間をかけて手を洗った。
居間に戻ると庭では花火が始まっていて、ロケット花火を飛ばしてはワーキャー盛り上がっている。
灰谷は加わる気にもなれず、ソファに腰を下ろした。
「灰谷くん」
明日美が一人抜けてきて、灰谷の隣りに座った。
「花火、始まってるよ」
「うん」
「灰谷くん、今日、しゃべらないね」
「そうかな」
「キャー。イヤー」
声のした方に目を向けると、庭ではまた、逃げる結衣を追いかけては真島がお腹の肉をつまもうとしてキャーキャー言わせている。
「結衣と真島くん、ホントに仲いいね」
「……」
「あたし、このあいだ、言いすぎちゃったよね」
「え?」
――灰谷は明日美との会話を思い出した。
『灰谷くんはあたしといて楽しくない?嬉しくない?ホントは……いっしょにいたくない?
あたしといてくれるのは、あの事があったから……だよね』
『別にそんなんじゃ……。それだけじゃないよ』
『じゃあ……したいから?』
「そんな事、ないよ」
まあある意味、事実だし。言えねえけど……。
「元はと言えばオレが言いすぎたんだ。ごめん」
「……謝って欲しい訳じゃなかったんだけどな」
明日美は少しうつ向いて、聞こえるか聞こえないかの小さな声でつぶやいた。
「灰谷~花火花火ぃ~終わっちまうぞ~」
手持ち花火を両手に持ってグルグル回しながら、佐藤が呼んだ。
オレはいい、と言うように灰谷は首を振った。
「明日美~。花火なくなっちゃうよ~」
結衣が明日美を呼んだ。
そばには真島が貼りついている。
「行ってくれば?」
「灰谷くんも行こう」
明日美はいっしょに行って欲しそうに見えた。
「オレ、いいわ」
「そう?」
「明日美~」
「は~い」
明日美は一人、庭に出ていく。
ふー。
灰谷は大きく息を吐いた。
明日美との駆け引きみたいなやりとりを面倒に感じた。
ん?視線を感じて灰谷は顔を上げた。
――真島が見つめていた。
真島がオレを見ている……。
その顔はどこか淋しそうで今にも泣き出しそうにも見えた。
ほんのひと時、二人は見つめ合ったが真島はすぐに視線を外してしまった。
佐藤が騒ぎ立てる中、真島は結衣と手をつないで堂々と居間に入ってきた。
「んもう~ヤらしいカップル来たぞ~」
「ふざけんな。やらしくねえわ。ちょっと抱っこしてただけじゃん」
「キャー不純異性交遊~。ハレンチ~。中田、ダメだよな」
「なんで?いいじゃん別に」
「オレにはダメって言うくせに~」
「オマエはな。童貞くん」
「ギャー。中田、桜子ちゃんの前でそういうこと言うな~」
「サティ騒ぎすぎ。結衣ちゃんが恥ずかしいじゃん。ね~」
「……うん」
結衣は真島の背中に隠れるようにしている。
まるで小学生のように騒ぎたてる佐藤の声が耳障りだと灰谷は思った。
「うるせえな佐藤。スキンシップだろ。それよか花火やるんじゃねえの?」
「そうそうそうだった。真島くんったら野獣なんだから」
「違うわ。で、どこでやんの?庭?」
「手持ちとちっちゃい打ち上げとかだから、オマエんちの庭でいいと思うけど。周りうるさい?」
「いや~たぶん大丈夫」
「マジー、バケツに水汲んどこうよ」
「そうだな」
ゾロゾロとみな、庭に出て行く。
灰谷は一人その気になれずに、トイレに入り、用を足し、時間をかけて手を洗った。
居間に戻ると庭では花火が始まっていて、ロケット花火を飛ばしてはワーキャー盛り上がっている。
灰谷は加わる気にもなれず、ソファに腰を下ろした。
「灰谷くん」
明日美が一人抜けてきて、灰谷の隣りに座った。
「花火、始まってるよ」
「うん」
「灰谷くん、今日、しゃべらないね」
「そうかな」
「キャー。イヤー」
声のした方に目を向けると、庭ではまた、逃げる結衣を追いかけては真島がお腹の肉をつまもうとしてキャーキャー言わせている。
「結衣と真島くん、ホントに仲いいね」
「……」
「あたし、このあいだ、言いすぎちゃったよね」
「え?」
――灰谷は明日美との会話を思い出した。
『灰谷くんはあたしといて楽しくない?嬉しくない?ホントは……いっしょにいたくない?
あたしといてくれるのは、あの事があったから……だよね』
『別にそんなんじゃ……。それだけじゃないよ』
『じゃあ……したいから?』
「そんな事、ないよ」
まあある意味、事実だし。言えねえけど……。
「元はと言えばオレが言いすぎたんだ。ごめん」
「……謝って欲しい訳じゃなかったんだけどな」
明日美は少しうつ向いて、聞こえるか聞こえないかの小さな声でつぶやいた。
「灰谷~花火花火ぃ~終わっちまうぞ~」
手持ち花火を両手に持ってグルグル回しながら、佐藤が呼んだ。
オレはいい、と言うように灰谷は首を振った。
「明日美~。花火なくなっちゃうよ~」
結衣が明日美を呼んだ。
そばには真島が貼りついている。
「行ってくれば?」
「灰谷くんも行こう」
明日美はいっしょに行って欲しそうに見えた。
「オレ、いいわ」
「そう?」
「明日美~」
「は~い」
明日美は一人、庭に出ていく。
ふー。
灰谷は大きく息を吐いた。
明日美との駆け引きみたいなやりとりを面倒に感じた。
ん?視線を感じて灰谷は顔を上げた。
――真島が見つめていた。
真島がオレを見ている……。
その顔はどこか淋しそうで今にも泣き出しそうにも見えた。
ほんのひと時、二人は見つめ合ったが真島はすぐに視線を外してしまった。
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