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4/I'm in love
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◆◆◆
ぬくもりがそこかしこにあった。
顔のあたりのすべてから、首を撫でる皐の舌。舐め回すようにして、それらは首をなぞっていき、そうして胸部。
そして、そんなぬくもりだけではなく、下腹部にもともと存在する、どうしても心地が良い温もりの中。
屹立している。屹立してしまっている。どこまでも芯となる自分が、どこかそこに存在している。そんな芯が、どうしようもなくぬくもりに包まれている。
ぬくもりに包まれて、滑液にすべてが吸い取られていく。鼓動のように波を打つ圧力に支配されて、それが皐の動きによって背中をなぞる快楽へと変換されていく。
──何が起きている、なにが起きている。なにが、おきている。
「ねえ、どう?」
彼女は俺が戸惑うさまを嘲笑するように、下腹部に圧力をかけてくる。そのうねりが心地良いと感じてしまうのは、どういうことだろう。
理解はしている、理解はしている。理解はしているが、理解を脳は拒絶している。精神的な通りがない。論理を納得することができない。心地のいい心地の悪さが在る。背中をなぞるような快楽が目の前にある。
「私、いろいろと練習したんだよね。最初は痛かったけれど、結構慣れてきたんだよ?」
彼女はそう言いながら、腰を打ち付ける、うちつける。うちつけてくる。
水音、ぬくもり、体全体にのしかかる重みのようなもの、どこまでも果てしない穴に飲み込まれていく感覚、こすりつけられる肉の波がある。
心地が良い、心地が良い。ここちがいい。きもちがいい。きもちがいいのだ。
すべてが快楽の波に飲み込まれる。この快楽の波に飲み込まれる度に、頭で何かを考えることが億劫になる。
いつも一人で親しんでいた快楽の波が目の前で寄せていく。
こすれるたびに、こすれるたびに、体の奥底から高鳴っていく鼓動とは違う鼓動のようなぬくもり。
言葉を出したい、言葉を出したい、声を出して否定をしなければいけない。目の前の快楽を肯定してはいけない。
目の前の快楽は禁忌なのだ。それを肯定してはいけない。禁忌は正しいことではない。正しくないことは肯定してはいけない。でも──。
──どうして俺は、彼女のことを止めることができないのだろう。
「あ、また弾んだね。気持ちい?」
彼女はそうして腰を上下だけではなく、立体的な動きで右往左往にも動く。
肉の波がある、肉の波が──。
──快楽を捉えているうちに、彼女の唇によって口をまた塞がれる。
目の前に心地の良い快楽。上顎を舌でなぶられる度に声をあげてしまう自分が後ろめたく恥ずかしい。
呼吸が覚束ない。肺に彼女の空気が混じり合っている気がする。そこに酸素の供給は少なく、息苦しい背徳の闇のような感覚が肺を専有する。
無限に重なる、汗と吐息と水の音。ぬめりけのある湿気が下半身を包んでいる。
心地が良い、ここちがいい。あらゆるすべての理性を投げ出してしまいたく鳴る。彼女の波に合わせて身体を動かしてしまいたい衝動に持っていかれる。
──だが、理性を持たなければいけない。
皐は妹だ。妹なのだ。家族なのだ。血の繋がっている確かな家族なのである。
この状況はあらゆるとことからみても肯定されることはない。どれだけ小さな社会であっても、近親相姦という概念を肯定する環境なんて存在しない。
──でも、快楽の果てがすぐ来そうな感覚。その快楽に抗うことを考えるのが嫌で仕方がない。
理性? 感情? 理性? 感情?
理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情。
──その両方が、精神を作用して、ろくでもない行動を取ってしまうのだ。
ぬくもりがそこかしこにあった。
顔のあたりのすべてから、首を撫でる皐の舌。舐め回すようにして、それらは首をなぞっていき、そうして胸部。
そして、そんなぬくもりだけではなく、下腹部にもともと存在する、どうしても心地が良い温もりの中。
屹立している。屹立してしまっている。どこまでも芯となる自分が、どこかそこに存在している。そんな芯が、どうしようもなくぬくもりに包まれている。
ぬくもりに包まれて、滑液にすべてが吸い取られていく。鼓動のように波を打つ圧力に支配されて、それが皐の動きによって背中をなぞる快楽へと変換されていく。
──何が起きている、なにが起きている。なにが、おきている。
「ねえ、どう?」
彼女は俺が戸惑うさまを嘲笑するように、下腹部に圧力をかけてくる。そのうねりが心地良いと感じてしまうのは、どういうことだろう。
理解はしている、理解はしている。理解はしているが、理解を脳は拒絶している。精神的な通りがない。論理を納得することができない。心地のいい心地の悪さが在る。背中をなぞるような快楽が目の前にある。
「私、いろいろと練習したんだよね。最初は痛かったけれど、結構慣れてきたんだよ?」
彼女はそう言いながら、腰を打ち付ける、うちつける。うちつけてくる。
水音、ぬくもり、体全体にのしかかる重みのようなもの、どこまでも果てしない穴に飲み込まれていく感覚、こすりつけられる肉の波がある。
心地が良い、心地が良い。ここちがいい。きもちがいい。きもちがいいのだ。
すべてが快楽の波に飲み込まれる。この快楽の波に飲み込まれる度に、頭で何かを考えることが億劫になる。
いつも一人で親しんでいた快楽の波が目の前で寄せていく。
こすれるたびに、こすれるたびに、体の奥底から高鳴っていく鼓動とは違う鼓動のようなぬくもり。
言葉を出したい、言葉を出したい、声を出して否定をしなければいけない。目の前の快楽を肯定してはいけない。
目の前の快楽は禁忌なのだ。それを肯定してはいけない。禁忌は正しいことではない。正しくないことは肯定してはいけない。でも──。
──どうして俺は、彼女のことを止めることができないのだろう。
「あ、また弾んだね。気持ちい?」
彼女はそうして腰を上下だけではなく、立体的な動きで右往左往にも動く。
肉の波がある、肉の波が──。
──快楽を捉えているうちに、彼女の唇によって口をまた塞がれる。
目の前に心地の良い快楽。上顎を舌でなぶられる度に声をあげてしまう自分が後ろめたく恥ずかしい。
呼吸が覚束ない。肺に彼女の空気が混じり合っている気がする。そこに酸素の供給は少なく、息苦しい背徳の闇のような感覚が肺を専有する。
無限に重なる、汗と吐息と水の音。ぬめりけのある湿気が下半身を包んでいる。
心地が良い、ここちがいい。あらゆるすべての理性を投げ出してしまいたく鳴る。彼女の波に合わせて身体を動かしてしまいたい衝動に持っていかれる。
──だが、理性を持たなければいけない。
皐は妹だ。妹なのだ。家族なのだ。血の繋がっている確かな家族なのである。
この状況はあらゆるとことからみても肯定されることはない。どれだけ小さな社会であっても、近親相姦という概念を肯定する環境なんて存在しない。
──でも、快楽の果てがすぐ来そうな感覚。その快楽に抗うことを考えるのが嫌で仕方がない。
理性? 感情? 理性? 感情?
理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情理性感情。
──その両方が、精神を作用して、ろくでもない行動を取ってしまうのだ。
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