職場大乱

パン太郎

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転職したての頃…過去編

今井という男

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俺は1年前にこの会社に中途入社してきた。
その時の募集が管理職としての募集だった。
なぜか分からないが、俺みたいな男を管理職候補として採用された。
その直後は、いやいや最悪だった。
管理職候補で途中入社なんて、他の管理職からはなんのアドバイスも貰えない。
この会社での仕事の回し方さえ、分からなかった。
俺が、そんな風に四苦八苦している中で仲良くしてくれたのが、今井さんだった。
まぁ、その当時、今井さんが俺に親切にしてくれたのは、優しさだったのか、後ろめたさなのかは分からないが…
その当時、俺は社内に居場所が無くて、昼休みに昼寝出来る所は無いかと、歩き回っていた時の事だった。
俺は用品庫と書かれた部屋に入った。
トイレットペーパーや蛍光灯が積まれてる部屋だった。
俺は昼休みなら、この部屋には誰も出入りしないだろうと思い、ドアを開けた。
そのドアを開けた先には、今井さんと若手社員の女の子が、抱き合いキスをしていた。
俺はその光景に絶句してしまった。
なぜ、50過ぎの過ぎのオジサンと、若手の女子社員が、抱き合ってディープキスをしているのだろうっと思って立ちすくんでしまった。
俺の存在を察知した女性社員は、そそくさと俺の脇を通り去ってしまった。
今井「なんだ…お前かよ…」
俺「あ、あの…すみません…あの…お取り込み中…」
今井「いいよいいよ…見られちゃったからなぁ…」
そう言いながら、今井さんは俺に肩を組んできた。

今井「あのさぁ…俺、結婚してるんだけどさぁ…妻も子供も居て…」
俺「は、はい…まぁ…そうですよね…今井さんの年齢なら…」
今井「今のさぁ…誰にも言わないでおいてよ…」
俺「はい…そ、そんな…言わないですよ…」
今井「それ…本当?…絶対に誰にも言わない?」
俺「い、いや…言いませんよ…大丈夫です…」
今井「俺にはさぁ…妻も子供も居るし…アイツには将来があるじゃん…その辺、踏まえた上でさぁ…社内不倫なんかで騒がれたくないからさぁ。」
俺「は、はい…大丈夫ですよ…」
今井「よろしくね…頼むよ。その辺…」
俺「は、はい…大丈夫っすよ…」
今井さんは俺の肩を叩いた。
今井「お前さぁ…管理職になった?」
俺「い、いえまだです…」
今井「お前…確か独身だよな?」
俺「はい…ど、独身です…」
今井「羨ましいなぁ…独身でよぉ…管理職なんて…女がたくさん寄ってくるぞ…」
俺「本当ですか?…でも…ま、まだ入社したばかりなんで…」
今井「本当だよ。だからさっさと管理職になっちまえよ。女からしたらよ…金のある男の方が良いに決まってるだろ?お前みたいな独身の管理職なんて若い女からしたら良い物件みたいなもんだよ。」
俺「はい…じゃあ、そっちの方も頑張ってみます。」
今井「羨ましいなぁ…独身って。」
俺「今井さんは、どうやって口説いたんですか?今の子…けっこう若い子でしたけど…」
今井「アイツ?…アハハッ…いや、あの子はさぁ…実はさぁ…飲み会の帰りにさぁ、金払ってヤらせてもらったんだよ。」
俺「そうなんですか!そんな事する子に見えなかったけど…」
今井「そうだよ…それからズルズルと関係続けてんだよ。まぁ…今もたまに小遣い渡してるけど。でもよ…風俗に行くより安いからよ。」
俺「えっ?…そうなんですか…ふ、風俗よりも…」
今井「たまにあげる位で、あの娘とヤレちゃうんだから。だから何でもいいからキッカケ作っちゃえばこっちのもんだよ。何でも良いんだからよ。」
俺「い、いいすっね…」
今井「だろ?キッカケさえ作れれば、お前みたいな独身の管理職なら入れ食いだよ…」
俺は無言で立ち尽くしてしまった。
今井さんは去り際に、俺の股間をポンっと叩いた。
今井「おお!デケェなお前!アハハッ…」
そんな事から今井さんとは仲良くなった。
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