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第1部 婚約破棄&処刑されて転生しましたけれど、家族と再会し仲間もできて今はとっても幸せです
非業の死、のち第二の生(2)
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それから、二十一年の年月が経ったんだ、ということに気が付いた。
それも、唐突に。
「ラーラ、どうしたの? 伯爵家住み込みのメイドよ、いいお話だと思うんだけれど」
「……シスター・カーラ。もう一度、その家名を教えてくれませんか?」
「サーフォネス伯爵家よ。といっても、二十年前に隣国のセントライト王国から亡命して来られて、我が国に帰化してからは国王陛下から新しい家名を賜って、今はプレモロジータ伯爵と名乗っているの。
この辺りの辺境地を治めていらっしゃるんだけれど、伯爵の統治になってから、税が収穫に見合った割合になって、水路や街道が整備されたおかげで、とても住みやすくなったのよ。
伯爵夫人は領地の福祉に熱心で、孤児の養子縁組活動に精を出されているそうよ。
ご令息は三十九歳で未婚らしいけれど、明るくて気さくで、評判のいい方よ」
――お父様、お母様、お兄様!
サーフォネスという言葉を聞いた瞬間だ。
すべてを、思い出した。
処刑されて終わった一回目の私の人生。
まさか、新しい命をもらって、もう一度蘇っていたなんて……。
「ラーラは誰に教わるでもなく言葉遣いが丁寧だし、身のこなしも他の子と違うから、あなたに合うんじゃないかと思って、一番に声をかけたのよ」
「シスター・カーラ、私行きます!」
今更ながら腑に落ちる。
私は孤児でありながらも、自然とお祈りの言葉を覚え、聖書を習うことが少しも苦ではなかった。
他の子たちが文字が読めなかったり、じっとして説教を聞いていられないがどうしてなのかと、不思議に思うくらいに……。
もう知っていたからなんだ。
でも、どうしてこんな不思議なことが?
けれど、そんなことはどうでもいい!
生きてまた、お父様とお母様とお兄様に会えるなんて!
***
すっかり荷造りを調えて迎えの馬車を待つそのとき。
少しだけ考えた。
あれから、なにがあったんだろう……。
亡命ということは、お父様たちも命を危険を感じたということ。
私が処刑された後も、アドルフ様は己を振り返ることなく、勝手気ままに振舞ったんだろうか。
ラルフ様がそれをお止めすることも、無理だったということなのだろう……。
セントライトの王家は絶対王。
初代王は、戦を平定したのち、当時の仲間だった五人から永久の忠誠の『誓い』を戴き、満場一致で王に選ばれたという。
その五人はのちに五大伯爵家と呼ばれ、他の貴族よりも数段上の格式と圧倒的な権威を持つことになった。
サーフォネス家は、思いやりの心。
ジャスティス家は、正義の心。
コートシー家は、礼節。
ウィズダム家は、智慧。
親友リサのシンセリティ家は、誠実な心。
それぞれに五つの美徳を持った伯爵家に認められた国王、それが絶対王。
けれど、突然倒れられたルーイ国王陛下に代わってアドルフ様が執権を握った。
結して破られない『誓い』が破られた。
この『誓い』がただの書面や言葉の羅列ではないことは、王家と五大伯爵家だけが知っている……。
私も婚約するときにアドルフ様に向かって『誓い』を暗唱した。
昨晩、ひとりになって、私は『誓い』を暗唱してみようと思いたった……。
「我ミラ・サーフォネスは、絶対王を生涯の主として忠誠を誓う。
我が真心は、人を愛し思いやる心。
この心を持って身を捧ぐは、この国の平穏のため。
絶対王は永久に人を愛し思いやる心を失わず、この国の王としてあり続けるだろう」
当たり前にすっかり覚えていた。
暗唱し終わったときには胸がぽかぽかと温かくなり、ほのかな光が私を包んだ。
この光こそが、絶対王に捧げる真心そのもの。
『誓い』の儀式をすると、この光が絶対王の元に渡される。
なのに、光がまだ私のところにあるということは……。
やっぱり私が未熟だったんだ……。
心を込めてアドルフ様にお仕えしてきたつもりだったけれど、真心が届いていなかったんだ。
だからきっとあんなことに……。
アイリーン・ロー男爵令嬢は見目麗しい方だったけれど、とても狡猾な知略家だった。
ロー男爵は手段を択ばず貴族界でのし上がろうとしているから、気を付けなさいとお父様にもいわれていた。
いつかはきっとわかりあえると信じて、何度も何度も語り掛けて来たのに……。
それが結局、お父様、お母様、お兄様まで巻き込んでしまったのだわ……。
代々伯爵家の名誉と誇りを守ってきたご先祖様や、領地の民を捨てて他国へ逃げ延びなければいけなかったなんて……。
ああ……! 謝ってもとても謝り切れない……。
その夜はひたすら泣いた。
お父様とお母様とお兄様のことを思うと、胸が張り裂けそうで……。
この二十一年を、どんな思いで過ごしてきたか、どれだけたくさんのものを失ってしまったのか……。
処刑された日の悲痛な表情が頭によみがえる。
なんという親不孝者かしら。
愛する人たちをどれほど傷つけて、悲ませてしまったのだろう。
謝りたい……。
会って、私のせいでごめんなさいと心から謝りたい。
けれど、今生ではそれは叶わぬ願い。
今の私は数多いる孤児のひとり。
ミラの時は金色の巻き毛に目は青緑。
今は黒い直毛に黒い目。
全然似ても似つかない。
前世の記憶があるなんていったら、頭がおかしいと言われて、追い返されるに決まっている。
……だから、本当のことは話してはならない。
使用人としてお父様とお母様とお兄様に誠心誠意お仕えしよう。
思いの分だけ心を込めて……!
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それも、唐突に。
「ラーラ、どうしたの? 伯爵家住み込みのメイドよ、いいお話だと思うんだけれど」
「……シスター・カーラ。もう一度、その家名を教えてくれませんか?」
「サーフォネス伯爵家よ。といっても、二十年前に隣国のセントライト王国から亡命して来られて、我が国に帰化してからは国王陛下から新しい家名を賜って、今はプレモロジータ伯爵と名乗っているの。
この辺りの辺境地を治めていらっしゃるんだけれど、伯爵の統治になってから、税が収穫に見合った割合になって、水路や街道が整備されたおかげで、とても住みやすくなったのよ。
伯爵夫人は領地の福祉に熱心で、孤児の養子縁組活動に精を出されているそうよ。
ご令息は三十九歳で未婚らしいけれど、明るくて気さくで、評判のいい方よ」
――お父様、お母様、お兄様!
サーフォネスという言葉を聞いた瞬間だ。
すべてを、思い出した。
処刑されて終わった一回目の私の人生。
まさか、新しい命をもらって、もう一度蘇っていたなんて……。
「ラーラは誰に教わるでもなく言葉遣いが丁寧だし、身のこなしも他の子と違うから、あなたに合うんじゃないかと思って、一番に声をかけたのよ」
「シスター・カーラ、私行きます!」
今更ながら腑に落ちる。
私は孤児でありながらも、自然とお祈りの言葉を覚え、聖書を習うことが少しも苦ではなかった。
他の子たちが文字が読めなかったり、じっとして説教を聞いていられないがどうしてなのかと、不思議に思うくらいに……。
もう知っていたからなんだ。
でも、どうしてこんな不思議なことが?
けれど、そんなことはどうでもいい!
生きてまた、お父様とお母様とお兄様に会えるなんて!
***
すっかり荷造りを調えて迎えの馬車を待つそのとき。
少しだけ考えた。
あれから、なにがあったんだろう……。
亡命ということは、お父様たちも命を危険を感じたということ。
私が処刑された後も、アドルフ様は己を振り返ることなく、勝手気ままに振舞ったんだろうか。
ラルフ様がそれをお止めすることも、無理だったということなのだろう……。
セントライトの王家は絶対王。
初代王は、戦を平定したのち、当時の仲間だった五人から永久の忠誠の『誓い』を戴き、満場一致で王に選ばれたという。
その五人はのちに五大伯爵家と呼ばれ、他の貴族よりも数段上の格式と圧倒的な権威を持つことになった。
サーフォネス家は、思いやりの心。
ジャスティス家は、正義の心。
コートシー家は、礼節。
ウィズダム家は、智慧。
親友リサのシンセリティ家は、誠実な心。
それぞれに五つの美徳を持った伯爵家に認められた国王、それが絶対王。
けれど、突然倒れられたルーイ国王陛下に代わってアドルフ様が執権を握った。
結して破られない『誓い』が破られた。
この『誓い』がただの書面や言葉の羅列ではないことは、王家と五大伯爵家だけが知っている……。
私も婚約するときにアドルフ様に向かって『誓い』を暗唱した。
昨晩、ひとりになって、私は『誓い』を暗唱してみようと思いたった……。
「我ミラ・サーフォネスは、絶対王を生涯の主として忠誠を誓う。
我が真心は、人を愛し思いやる心。
この心を持って身を捧ぐは、この国の平穏のため。
絶対王は永久に人を愛し思いやる心を失わず、この国の王としてあり続けるだろう」
当たり前にすっかり覚えていた。
暗唱し終わったときには胸がぽかぽかと温かくなり、ほのかな光が私を包んだ。
この光こそが、絶対王に捧げる真心そのもの。
『誓い』の儀式をすると、この光が絶対王の元に渡される。
なのに、光がまだ私のところにあるということは……。
やっぱり私が未熟だったんだ……。
心を込めてアドルフ様にお仕えしてきたつもりだったけれど、真心が届いていなかったんだ。
だからきっとあんなことに……。
アイリーン・ロー男爵令嬢は見目麗しい方だったけれど、とても狡猾な知略家だった。
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いつかはきっとわかりあえると信じて、何度も何度も語り掛けて来たのに……。
それが結局、お父様、お母様、お兄様まで巻き込んでしまったのだわ……。
代々伯爵家の名誉と誇りを守ってきたご先祖様や、領地の民を捨てて他国へ逃げ延びなければいけなかったなんて……。
ああ……! 謝ってもとても謝り切れない……。
その夜はひたすら泣いた。
お父様とお母様とお兄様のことを思うと、胸が張り裂けそうで……。
この二十一年を、どんな思いで過ごしてきたか、どれだけたくさんのものを失ってしまったのか……。
処刑された日の悲痛な表情が頭によみがえる。
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愛する人たちをどれほど傷つけて、悲ませてしまったのだろう。
謝りたい……。
会って、私のせいでごめんなさいと心から謝りたい。
けれど、今生ではそれは叶わぬ願い。
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