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月灯りの夜
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月明かりの夜の美しい晩に
麗しい乙女の髪が緩やかに舞う
木々の中に白い花が咲き甘い香りが漂う
庭園の湖に設えた椅子に男は腰掛け
自慢の髭に手をあて 乙女に静かに微笑む
馬の姿から乙女の姿に変化を遂げて
乙女は 嬉し気に微笑み
乙女は笑う そして
「赤兎馬は 人の姿の時は、貴方様に尽くしましょう」
「貴方様を背中に乗せて闘い、千里を走ります」
「人の形をとった時は、貴方様と語りましょう
私に笑みを下さるならば
それが喜び」
「今宵は 月を愛でながら楽器でも奏でましょうか?」
月の夜の中で曲を奏でる音
かの乙女は
庭園に設えた豪華な椅子に腰掛け
奏でられる優しげな曲
旋律は心地よく 響きわたり・・・
夜鳴鳥の鳴き声が 不思議と曲に合わせるかのように音に添えている
酒をつぎ それから 自慢の髭に手をあて笑みを浮かべて
じっと曲に聞きいている
「紅玉姫よ 今度ある戦は長引くぞ」
「関羽さま?」
「難しい戦になりそうだ」
楽器から手を止めて、乙女は呟くように語る
「私は、赤兎馬は果てまでも、ついてゆきまする。 それだけですわ」
いつものように穏やかな笑みを浮かべる そして再び 楽器をつまびき・・
浮かべた笑みを見つめ 微笑みを返す
そして気がつけば目を閉じて、一時の眠りの中に 降りてゆく
「関羽さま・・」甘い香りとともに乙女が近くにより
語りかける その後は風の音だけが さやさやと・・
「関羽さま?」部下が彼を起こす
「・・・眠ってしまったようだな・・」
肩には女物の肩衣・・
「関羽さまの赤兎馬が 私を連れてきたのです
・・さすがに賢い馬ですね」と感心するように言う 部下
手元に残った女物の肩衣の残り香に 先程の楽の音を想い起こす・・
そして甘い香り
月の光が 夜の小さな湖に映えて
月の夜の一夜の出来事・・・
麗しい乙女の髪が緩やかに舞う
木々の中に白い花が咲き甘い香りが漂う
庭園の湖に設えた椅子に男は腰掛け
自慢の髭に手をあて 乙女に静かに微笑む
馬の姿から乙女の姿に変化を遂げて
乙女は 嬉し気に微笑み
乙女は笑う そして
「赤兎馬は 人の姿の時は、貴方様に尽くしましょう」
「貴方様を背中に乗せて闘い、千里を走ります」
「人の形をとった時は、貴方様と語りましょう
私に笑みを下さるならば
それが喜び」
「今宵は 月を愛でながら楽器でも奏でましょうか?」
月の夜の中で曲を奏でる音
かの乙女は
庭園に設えた豪華な椅子に腰掛け
奏でられる優しげな曲
旋律は心地よく 響きわたり・・・
夜鳴鳥の鳴き声が 不思議と曲に合わせるかのように音に添えている
酒をつぎ それから 自慢の髭に手をあて笑みを浮かべて
じっと曲に聞きいている
「紅玉姫よ 今度ある戦は長引くぞ」
「関羽さま?」
「難しい戦になりそうだ」
楽器から手を止めて、乙女は呟くように語る
「私は、赤兎馬は果てまでも、ついてゆきまする。 それだけですわ」
いつものように穏やかな笑みを浮かべる そして再び 楽器をつまびき・・
浮かべた笑みを見つめ 微笑みを返す
そして気がつけば目を閉じて、一時の眠りの中に 降りてゆく
「関羽さま・・」甘い香りとともに乙女が近くにより
語りかける その後は風の音だけが さやさやと・・
「関羽さま?」部下が彼を起こす
「・・・眠ってしまったようだな・・」
肩には女物の肩衣・・
「関羽さまの赤兎馬が 私を連れてきたのです
・・さすがに賢い馬ですね」と感心するように言う 部下
手元に残った女物の肩衣の残り香に 先程の楽の音を想い起こす・・
そして甘い香り
月の光が 夜の小さな湖に映えて
月の夜の一夜の出来事・・・
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