運命の時・・アリサ・・そしてアリシア姫とアジェンダ王の物語

のの(まゆたん)

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雪花祭り・舞踏会事件(始まり・黒の王宮編)

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雪花祭りの当日

午後の始まりと共に
祭りが始まる

街にも王宮にも
華やかに飾り付けられて
どちらも踊り子やピエロ、音楽を奏でる者たちに吟遊詩人
が踊ったり、歌を歌ったりしている

街にはパレードの行列が歩き、花や菓子を配っている
広場では出店や見せ用の小屋や仮設舞台が建てられ

あちらこちらの舞台で
様々な出し物が行われている
遠い異国、各地の食べ物や飲み物の出店が並ぶ

王宮にもそうした
珍しい飲み物に食べ物が
運び込まれ

廊下
あちらこちらの広間に
テーブルに並べて
無料で貴族達に振る舞われている

全て王室からの贈り物

以前の狂王の時代には税金から賄われたり
祭りが短縮されたりした事も多い
悪夢のような残酷な祭りとなった事も

今の白の王国が実はそうである…


そして王宮では
舞踏会開催の合図
竪琴にベル
女官達が呼び掛ける

アジェンダ王様

テアル公爵と
養女のエルサニア姫が声をかける


これはテアル公爵に
姫君

元気そうだな
この祭りを楽しんでくれ

有難うございます
では

テアル公爵が立ち去る

王様…お願いがございます
踊って欲しいのですが
エルサニアが言う

さて…それは
どうしたものかな?

アジェンダの赤い宝石のような瞳が見ている

彼女の大きく胸の空いたデザイン
それをさり気に見せつけている

あ!

足を滑らせたふりをして
アジェンダの身体に
抱きつく

ああ…発情期に入った
若く逞しい身体

私まで熱を帯びて
発情期に入りそう

うっとりするわ

どう?感じる?
小娘では満足出来ないでしょう
成熟した美しい私と言う女が欲しいでしょうね

発情期ですもの
うふふ

離れてくれないか
冷たい声…

あ!あの…

暗い表情…腹ただしげに
睨みつけている

申し訳ないが
私が選んだ者以外は欲しくない

あ…王様…

誰か別の者を捜すが良い

失礼する姫


な…何なの?
まるで反応しない

それどころか
私を…拒絶した

エルサニア姫
他の大貴族達に挨拶を終えた
テアル公爵が戻って来る。

すみません御父様
失敗しましたわ

そなたを拒絶するとは…

あの小娘が王様を満足させたのでしょうか?

いや、あの小娘の身体では
無理だ

では、誰か別の者が?

我らを出し抜くとは
何者だ?
ゲルドかリュース公アントレが相手を世話したか?

二人の戸惑いを余所に
アジェンダ王の挨拶が始まる

この雪花祭りを
楽しんで欲しい

皆、いつも有難う感謝している

先日の戦で功績のあった者たちには褒美を用意している
感謝する

また数日前のパピティ火山近くの鉱山や街に村の地震の被害
救助活動に功績のあった者たちにも
感謝の気持ちと褒美を用意した

特にヴァインズ子爵は
多大な功績があった

彼から贈り物
金貨8000万シリルの贈与に感謝する
有難う

人々が驚愕の視線を
一人の少年

ヴァインズ子爵
サリューンに送る

国家予算の三年分以上の金額だと…

あの田舎者の恥知らずの者が

ざわざわと人々が話している

ど…どこからそんな金が
あり得ない
それだけの金が用意出来るのは

王様と豊かなシエスタの地を持つ
リュース家ぐらいだ


にっと笑うサリューン

この機会に
私の婚約者を紹介しょう
アリシア姫だ

未来の黒の王妃
皆、相応しい礼をつくすように
無礼は私が許さない

アリシアは黒の姫君に
相応しい完璧な作法で、礼を取る

では、ダンスだ
諸君、楽しみたまえ音楽を始めよ

アジェンダの言葉で
音楽が始まる

アジェンダは
楽しそうにアリシアと
踊っている

数曲、アジェンダと踊ると
今度は妻と踊っていたアントレとアリシアが踊る

サリューンがアリシアの元に近ずき
次にサリューンとアリシアが踊る

踊り終わると
アジェンダがやって来て
アリシア姫に深く、くちづけをする
愛しげにアリシアを見る
アジェンダ

頬を赤くして
ニコリと笑うアリシア

サリューン

はい
サリューンもアジェンダ王に
名前を呼ばれ
ニッコリと微笑む

何気な艶笑みな悩殺的笑み

あ…
人々がざわめく

アジェンダは
サリューンの顎をくいと持ち上げ
そのままディープキス突入

人々が驚き
その様子を見ている

唇が離れる

真っ赤になり
瞳を見開いたサリューン

だが
アジェンダの赤い瞳を見つめられ
とりつかれたように
彼の方から再びくちづけを交わす

数人のサリューンに
想いを寄せる騎士達がそっと涙する


ダンスを子爵?

はいアジェンダ王様

アリシア姫

はい、いってらしゃいませ
うふっ

二人はダンスをする

相手は同性だが
なかなか絵になる光景だった


うふ…綺麗、素敵
アリシアの正直な感想

アントレやゲルドは
二人の事は内密になると
思っていたので

どうしょうか?と戸惑い気味だったが

アリシア姫の笑顔を見て

他の王達に先々代のアジェンダの祖父の前例もあるので
そのまま居直る事にした


お…御父様!?

信じられない
同性を好む方ではなかったのだが

あんまりです
突然現れた
あんな痩せっぽっちの元売春宿にいた
田舎者の男の子供に私が負けたなんて!

悔しい!

泣いて悔しがるのは
エルサニア 彼女一人でなく他の姫君も同様だった


どうする?アリシア姫を拐うのが優先だったが

間違いない、発情期の相手は
ヴァインズ子爵だ

そうだな


余興が合間に入る

アントレがリュース家の剣舞を披露する

次にアントレとサリューンの二人舞の剣舞

人々が驚きつつ、拍手を贈る

姫君達の一部に大貴族の何人かは
悔しげに睨み付けている

再びダンスが始まる


舞踏会が盛り上がっている
真っ最中の出来事だった

会場で爆発が起こる

人々の悲鳴

数人の貴族達が大怪我をして
大騒ぎとなる

ハッとするアジェンダ

彼に向かい毒矢が飛んで来る

パッとその矢を掴み
難を逃れるが

何人もの黒ずくめの男達が襲いかかる

アジェンダは、冷たい目をして
呟く様に呪文を唱える

炎…

あっという間に
黒い塊となり灰塵となる

始まった!
アリシア姫に護りの魔法を

サリューンが小声で言い
アジェンダとアリシアの元に駆け寄る

ポウと金と虹色と黒みがかった光の魂が現れて
アリシアを包む

アリシア姫!?

あ…大丈夫ですわ
護りの魔法です

サリューン?
アジェンダが問いかける

ええ、そうです
アラシャ達がしました

再び黒ずくめの男達が襲いかかる

他にも多数現れて
アジェンダ達を守るべく、駆け寄る騎士達にゲルド、アントレに貴族達を妨害すべく攻撃する

王様!?

多数の敵に囲まれ
アリシアを庇いながら

大きな攻撃魔法は、周りを巻き込むので
少し手間取りながらも
剣や魔法で戦う

そんなアジェンダ達を助けながら
剣を振るうサリューン


とにかく、アジェンダ様の命に安全と
アリシア姫が拐われるのを
防ぎたい!

最初の正史では
アリシア姫は拐われ
国境付近ギリギリで

黒の騎士が姫を救い出す

アジェンダ様は大怪我をして身動きが取れない

数百年前に救世主
火焔のヴルジニテ女王が
ティエ姫を白の王都から救助した上に
砦を破壊したので

王都や国境には
魔法侵入や飛び竜の侵入に備えた
特別な白の力の魔法防御壁がある

百人以上の上級魔法いに
魔法の石で常時
守られている


力が弱くなった俺には対抗出来ない

アラシャ達なら
防御壁を彼らの魔法を弾き飛ばし壊して侵入出来るが…

もし白の王都に呪われた神が居たなら
関知される


今回は此処でなんとしても
食い止める!!


場所が悪く
敵の数が多い上に手練れだ

やりにくい!!

そこで思わぬ事態が発生する
黒い亀裂が出現して
化け物達が中から現れた


な!寄りにもよって
この時点のこの場所に時空の亀裂!!
最悪だ!

何だ!白の国の新たな幻獣か!?

騎士の数人が化け物達の餌食となり断末魔の悲鳴と血まみれの死体が転がる

アジェンダも襲われ
身体中を引き裂かれる

ぐっ!!

きやああ!!いやあ!

アジェンダ王様!?

アリシア姫に人々の悲鳴


アジェンダ王様!?

サリューンが駆け寄り
倒れたアジェンダに癒しの魔法を掛けつつ化け物達を切り裂く

心の中で思う
不味い!毒を受けている
それに化け物達の数も多い
対抗出来ない

アラシャ!アシヤ!
サリューンが叫ぶ

はい!サリューン様
フードを被り猫耳を隠したアラシャとアシヤが現れて
亀裂を塞ぎ
化け物達を倒してゆく


今のうちだ!!

アリシア姫に後ろから
黒ずくめの男が抱きつき
麻酔が染み込んだ布を口に当てる

あ…
クラリと倒れるアリシア
黒ずくめの男とアリシアが消える

アリシア姫!?

サリューンが駆け寄ろうとすると
今度は別の黒ずくめの男が
後ろからサリューンを殴り倒して
そのまま身体を抱き上げ
姿を消す

サリューン様
アラシャが声を上げる


こうして舞踏会の事件は
最悪な形で始まりを告げた

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