雪花祭り☆

のの(まゆたん)

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アムネジア(テインタル王女)との最悪な出会い

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しばらく後に 艶やかな長い黒髪そのまま流した 一人の娘が現れた
服は着替えたらしく 先程の服とは変わっていた

「・・君は・・道ですれ違い 
劇場でリュートを弾いていた人・・あ、はっ!」

「・・その耳!黒の貴族か まさか黒の王族・・

在り得ない黒の王族はアーシュを除いて全て巨人族に打ち取られた

・・黒からの人質として白の国 僕のお城に滞在していたアーシュ以外 全て!」

「あ・・君」エイルはまじまじと彼女の顔を見る
よく見れば その娘の顔には たしかに覚えがあった

黒の王宮に飾られた 大きな先の王・黄金の黒の王・・竜の王と王妃達 
家族の肖像画

「今の私の名は アムネジア 巨人族の王に従う者よ
魔法の呪術の文様を身体に 刻みこまれた 

見て この入れ墨・・文様を・・」
服を少し脱ぎ エイルに肌を見せる

美しい白い肌に彫られた入れ墨 文様
痛々しい・・

「なんて 酷い・・ねえ 僕と逃げよう!
君の兄さんも きっと喜ぶよ
君とアーシュは 二人だけの血族なのだから」

「そうね 私とアーシュ兄様は 本来なら 運命の一対
この黒の王族は 重婚も兄妹婚も可能って・・知ってた?」

「黒の王族は純血を何より大事にしてきた
より濃く強い魔力の力を欲しったから

あの300年前の火焔の王アジェンダ様も
正妃の子水のエルテア女王と
異母兄である寵姫の子のナデア王の異母兄妹の子だもの」

「え?」
「私は今もアーシュ兄様が好き・・愛している」

「でも この入れ墨の魔法の文様は
巨人族の王に従う事と・・アーシュ兄様を殺す呪術の力が込められてる
私の中にいる 血に飢えたもう一人の私・・私は抗えないの・・」

「そんな!」エイル

「・・人の心配をしてる場合?
私は貴方が憎い・・憎いわエルトニア!
兄様といつも一緒で 一途に愛されてる貴方が!!」

「なっ!」驚き そのオッドアイを見開く

「心配しなくとも いいわ・・
たいした事はしない・・いえ どうかしら?」

ふふ・・と笑うアムネジア(テインタル王女)
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