雪花祭り☆

のの(まゆたん)

文字の大きさ
上 下
74 / 104

アーシュの問いかけ もう一人の火竜王

しおりを挟む
「それに俺は まだお前を許した訳じゃない

エイルやアルが お前の事を心配して 泣くからだ

黒の王宮内の離れの屋敷なら幾らでも空いている
快適な暮らしは約束するが・・?」アーシュ

「・・お断りするわ・・」

「こんな機会はめったにないぞ・・今度はお前を許すとは限らない
いや、まだ許してはいないが」

焔の瞳が燃えて輝くアーシュラン

「また機会があれば考えるわ・・エリンシア姫の事も気がかかりだしね・・」
アムネジアことテインタル王女

「わかった これを受け取れ」ポンと大きな袋をなげて渡す

「これ?」アムネジア 
中には大量の食材や果実

「黒と白の国の食材だ・・エリンシア姫の土産にでもして
アーサー達と食事でもするんだな・・」アーシュ

「・・どうして?」アムネジア

「魔法の水晶玉に閉じ込められたナーリンを返した礼だ

ついでに言うが・・
お前の残した黒い羽で そのアーサーの事もわかっていたが・・とりあえず
黙っておいた・・これで 貸しは 返した」

一瞬 アーシュの瞳が金色に変わる・・先の黒の王・・父王と同じ金色に

「・・有難う アーシュ兄様」

「礼は要らない ナーリンを無事に返した礼だ
それに エイルの母親 エリンシア姫の事を守れるのは 
お前とその夫アーサーだけだしな」

「それでも礼がしたいなら エリンシア姫の子供の絵でも 欲しいところだが
エイルの異父姉弟・・エイルが会いたがっていた」

「次に会う時は お前は敵だ・・テイ」アーシュ

「わかっているわ」
アーシュは立ち去った

後に残る二人 アムネジアとアーサー
「本当に帰らなくてもよかったのですか?アムネジア様?」

「いいです アーサー殿・・これで・・
もう私達二人の運命は定まってしまっている

帰りましょう 早くエリンシア姫を解放してあげなくては
貴方とエリンシア姫のあの子も寂しがってます」

瞳には うっすらと涙
それを指で拭うアムネジア
しおりを挟む

処理中です...