雪花祭り☆

のの(まゆたん)

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羽琴の姫君

悲劇の前の穏やかな日々

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平穏な日々・・穏やかに時は過ぎてゆく・・
悲劇の時がゆっくり 忍び寄ってきているなどとは・・そう 知らずに・・

そしてエリンシアは 
いつの間にか 黒の王妃の不在の日を心待ちしている自分

そう黒の王妃の不在の時には ほぼ必ずと良い程
夜半には 黒の王に呼び出される


睦言を・・黒の王の瞳を深々と見つめ 
その美しい黒髪に触れる時が恋しくてたまらくなっている・・などと・・

一糸纏わぬ肌に 黒の王がエリンシアの胸先に
軽く触れて・・それから・・

寝床の中で 身体を抱かれて エリンシアの腕が 黒の王の身体を抱きしめる
首筋に触れている王の唇が時折 くすぐったい

「あ・・」 王はクスクスと笑っている それは蜜のような甘い時間
そして その後 甘い酒を王は口に含み それを口移しにそれを飲ませられる

「ん・・」 

「味は? 女性向けの蜂蜜入りの果樹酒だ 旨いかな?」

「はい・・王」 

何度もそれを繰り返して たくさん飲まされて・・
それは少し強い酒で すぐに酔いが回る

酔った身体に 再び王の身体がのしかかる 「あ・・」

しばらく後・・
いつものように 黒の侍従が呼ばれ エリンシアを抱きかかえて
人目につかぬように 
庭を通り抜けてバルコニーから部屋に入り 寝床にそっと置かれ
毛布をかぶせられる

エリンシアはぼんやりとしていた・・
バルコニーのドアが小さな音を立てて 閉まる

黒の王妃への申し訳ない思い
幼い自分を慕ってくれてるテインタル姫

最近では 赤ん坊だったアリシュア王子も まだ幼い歩きと上手くは喋れないものの
王妃達に連れられてやってきては 時にエリンシアの胸に抱かれて笑ったり すやすやと眠むたり・・

「エ・・エり・・姫 好き・・」王子は 王と同じ金色の瞳で見つめて
エリンシアの胸に抱かれて そう言って笑っていた

そう同じ金色の瞳

思わず、両手で 顔をおおう・・王妃達に対して 申し訳ない想い
涙が流れて落ちる・・

そして 自分は あの黒の王に 体も・・心も奪われた
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