異変の時

のの(まゆたん)

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探索の一団と古代の王達の話

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その舞台のはじまり・・現世の現在の時代

ここは にやんこ達(猫耳 しっぽ付き 魔法あり)の王国

街並みは 中世の欧州のよう・・石畳にレンガ・・ 綺麗な街並み
魔法もあるし・・写真もテレビもあるし・・冷蔵庫も

おもに 石炭の蒸気やら 滑車やら・・魔法の力も多く使っている

蒸気機関車の列車に 飛行船・・魔法の力を封じた石で動かす事も

それは それは・・のんびり のほほんと

もちろん・・普通の人間もいる・・違う国だが

遥か彼方の古代の時代には 彼らと違う沢山種族がいて

長寿で 美しく 長い耳や変わった形の耳・・美しい漆黒の翼や白い羽を持ち
今とは比べられる程にならない 絶大な魔法の力を持つ者達の時代

街で 古代の魔法の民達を吟遊詩人が歌う
あるいは 童話の中で

彼等は今は 神として神殿で祭られてる




飛び竜に乗り一団達が話をしていた

時の神殿の創設者は あの救世主アーシュ様・・祝祭も定め

最初の祝祭で二人の姫と結婚の儀を上げている

運が悪いのか・・たまたま忘れたのか

何故か守護神にアーシュ様の名はない

妙な処でいつも運がない被害の身代わりもよくある

名は・・年の終わりの鎮護の祈りに名前が入っているが
・・いつも・・本当に妙な処で運がない・・悪運は強いが


近年・・婚姻の儀(結婚式)で舞ったリュース家の剣舞の絵が発見された

保存状態もよく・・絵も美しい・・二人の姫君は美しい

赤き火焔の瞳のアーシュ様の美丈夫ぶりもなかなかだ
怖い鬼瓦の目付きだが・・

リアン様も剣舞を
武官として滞在中にアルテイシア姫に指導されて習得している


古代の時代に描かれた魔法画の三枚の絵は・・百年前まで

絵の中の幻獣達が 実際に 絵の中で生きていていて

時折 絵の中から 飛び出しては・・美術館中を飛び回った
美術館に来た子供達ともよく遊んだ・・逸話が多く 残されている

数度・・美術館からこっそり逃げ出して 街の酒場に現れて
飲んでいた人達から 酒を奪い 酒をごくごくと飲み・・酔っぱらって倒れて
そのまま 店で一晩 すやすやと寝ていたという

百年前の大災害の時に 三枚の絵の幻獣は 
その魔力で 3つのほぼ同時に起こった大災害から多くの人達を救った
奇跡を起こした

その代償に・・魔法画の幻獣達は魔力を全て 使い切り
一枚は消え失せ・・二枚は残ったものの
ただの絵になった

つい先日の事である・・ 謎だった魔法画の画家の正体が判明

黒の王都に住む 竜人の老人だったという

母が珍しい事に黒の貴族の娘だったので魔法が使えた

魔法画の一枚・・

中に描かれていたオットアイの白鳥のモデルは 
恐らく人質でもあった白のエルトニア姫と
多くの説には あったが

実は 彼女より 前の人質で・・
彼女と同じオッドアイの瞳を持った母親のエリンシア姫と
こちらも判明・・他にも 多くの事が突然に分かった

名を忘れられた伝説の王達の名前・・その過去なども
歴史の闇に消えて 失われていた沢山の逸話も

白の国の事は 黒の国の歴史に深く 関わっていたので
よく知られてはいましたが・・今の我々の言語は黒の言語だったから

でも白の国の言語の解読は 進まずにいたので
わからない事も多かった

白の国の言語が ほぼ全て解読された・・書物は残されていたものの
挿絵のみでしか 分からなかった事も これで知る事が可能

また・・滅び去った巨人族の言語も同様に

何故 それらの謎が判明したかについては・・今だ 謎

関係者が皆 亡くなった後 発表されるという・・証拠もある

噂では・・関係者は
まだ子共だとも 三人か四人の子供達・・言われている 

時の魔法のオルゴールに触れて
その時代に飛び去り・・時の番人により 連れ戻された
偏屈な老人の魔法使いだとも

にやんこな人達は もともと 知識欲が高い そして先祖達に縁が深いのは・・
白の国の人質としていた火竜王アーシュラン様を助けて 
黒の国の再建の手助けをした 黒の大貴族のリュース公

二番目の妻アルテイシア姫の父親
黒の大貴族・・白と黒の王族の血が混ざりあった・・リュース家

彼が治める地には
黒の貴族や白の貴族の血を引く者達が多い

彼の治める地の辺境に現れて 我らにやんこの先祖達が住み着いた

にやんこ達の言語は ほぼ現在も 古代の黒の国の言葉や文字をそのまま
引き継いだ・・・正確には リュース家の領地ララアとシエスタの言語だが

また多少・・以前のにやんこ達先祖の直系の言語も混ざっている

にやんこ達に魔法使いが多いのは リュース家の領地の者達と深く交わり
その間に子供達が出来たから

我らの先祖は 本来 魔力はなかった

そんな 我々にやんこ達は 魔法の力に研究熱心・・魔法の呪文によく使われる
二千年近くあった戦乱の時代を終わらせた火竜王アーシュラン様
一度・・滅ばされた彼の故国・・黒の国を再建した 黒の国の最後の王

そして 彼の最愛の人

敵対していた白の国の王女 黄金の髪とオッドアイの瞳のエルトニア姫と
彼のもう一人の妻
水の王 水竜の女王と呼ばれた魔法と剣も強かったアルテイシア姫

彼女は・・

火竜王が 最後の戦で 戦いの最中・・
敵だった巨人族の王の首を斬り落とし 
二年の戦乱の時代を作った
追放された神であった魔法使いを殺した後で・・
その魔法使いの死体とともに 火竜王が消えて

行方不明になった火竜王、最後の竜の王・・アーシュラン様
アルテイシア姫は 彼の代わりに総大将となり
戦を終わらせた・・・

その後を継いだのは 白と黒の2つの王国の王
白の国を支配する最後の白の宗主 片腕の王リアン様

エルトニア姫と火竜王の間に出来た子供を引き取り
跡継ぎにした

8年後に見つかった火竜王アーシュラン様は瀕死状態

苦しんで・・
数か月で少し前に先に死んだ最愛のエルトニア姫を追うように
息を引き取った・・

彼の死後・・
まもなくアルテイシア姫はリアン様と再婚した

異母兄妹も可能だった黒の国

そして のちにアルテイシア姫と
再婚して 間に出来た女の子は 義理の兄に恋をして
彼女がくどき落として 結婚したという

そんな彼らの御話は結構 慕われて・・

ゆえに 絵本も小説にもよく書かれている
火竜王アーシュランを守護する・・竜人の一人セルト将軍と
‥人間であった その妻ナーリン様もよく題材に使われている

セルト将軍は 火竜王・最後の竜の王が行方不明となった 最後の戦・・
壮絶な最後を遂げたという

一時 セルト将軍は 巨人族の王の手下となった
黒の国の大貴族ヴァン伯爵に囚われ

心を支配する魔法の魔具をつけられて 
巨人族とヴァン伯爵に操られていた

アーシュ様の父王の首も斬り落としてる

彼は黒の国の城を幾つも灰燼に 塵に返した

当時 滅ばされた黒の国‥巨人族たちが支配していた国を
取り戻そうと奮闘していた 

まだ少年だった黒の王子 のちの火竜王・最後の黄金の竜の王
アーシュランと激しい闘いで 
戦いの最中にアーシュラン様が彼を操っていた魔法の魔具を
破壊して・・やっと解放され 彼を守護する一人となったという

最近に発表された 明かされた謎の一つ
その説は間違いだと否定されていた逸話・・

アーシュラン様の母親は人族の側室という事は正史にも記載されていたが

その人族の母親リジャ様は 元はセルト将軍の恋人で・・
攫われて・・売春宿にいる所を セルト様に助け出され

・・彼との結婚の直前に
アーシュラン様の父王である竜の王に 奪い去られ・・
セルト様は無実の罪を着せられて・・一時追放の憂き目にあった

追放されていたその時に
ヴァン伯爵に囚われ・・セルト様は魔法の魔具をつけられて

人族の恋人リジャ様の方は 竜の王の側室となり 

火竜王アーシュラン様を産んで・・
しばらく後に・・まだアーシュラン様が幼い時に 病で死んだという

逸話・・真実であると証明されました
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