7 / 13
7勇者様に攫われてしまった!
「お前は今日から俺の下僕だっ」
「いやいやいや! 下僕になるだなんて! いつお話を!?」
「あの時、一緒に酒を飲んで話してただろ!?」
「は、はいい!?」
――酒の場かあ。じゃ、覚えてないなあ~。
これは夢で知ることはできないなあと落胆した。
謎の文字は消えたが、勇者が俺に恋をしているのは確かなようだ。
どうも無自覚らしいのがやっかいである。
――このままじゃ、俺は魔王に反逆者として、こ、殺されるんじゃ!?
とはいえ、雑魚モブな俺が勇者に勝てるはずもない……今は大人しくして、逃げる隙を伺うしかない。
勇者に森の中に連れて行かれると、魔術師が待っていた。
陣が描かれた中心に立っている。
彼は黒髪黒目の端正な顔つきで、勇者とは違って柔らかい雰囲気だ。
――俺、この魔術師嫌いじゃないみたいだ。
魔術師はニコニコしながら、俺を見ている。
「ちゃんと顔を合わせたのは、久しぶりだね」
「あ、そっすね」
「アランスがあわせてくれないから……」
「そんな事を言うなよ、今日は魔王の配下を捕まえた記念日なんだぞ」
「はいはい。カズヤ、僕のミミを助けてもらったのは忘れてないよ」
「は?」
脳裏にある光景が蘇る。
猫の姿をした聖霊獣が、池で溺れていたのを拾って、めちゃめちゃ懐かれた。
そこにこの魔術師がやってきて、聖霊獣を渡して逃げたのだ。
――そういう訳か。
勇者は魔術師に転移するように告げて、俺は勇者達の本拠地へと連れて行かれてしまった。
ついた先は城の中だった。
目の前に、無数の人間が跪いている。
俺はその光景に呆然とした。
王が跪いているのだ。
「「「勇者様! お帰りなさいませ!」」」
「ただいま戻りました」
「さあ。こちらへ!」
そそくさと進み出たのは、位の高そうな臣下だ。
――勇者は、どこの国を拠点にしてるんだっけ?
「陛下、何か変わったところはありまんか?」
「はい! 大丈夫です、シーク様」
「王様、こいつは、魔王の配下だったカズヤだ。俺の下僕になったから、それなりに対応してやってくれ」
「ははっ!」
王は勇者に深々と頭を下げて、何とも謙虚な態度をとっている。
勇者は背伸びをしながら、誰かにもらった盃で水を飲んでいた。
俺は腕を組み、首をかしげる。
――魔王だって、こんな出迎えられ方はしてないぞ?
やっぱり、この勇者はまともではないと、改めて認識した。
「いやいやいや! 下僕になるだなんて! いつお話を!?」
「あの時、一緒に酒を飲んで話してただろ!?」
「は、はいい!?」
――酒の場かあ。じゃ、覚えてないなあ~。
これは夢で知ることはできないなあと落胆した。
謎の文字は消えたが、勇者が俺に恋をしているのは確かなようだ。
どうも無自覚らしいのがやっかいである。
――このままじゃ、俺は魔王に反逆者として、こ、殺されるんじゃ!?
とはいえ、雑魚モブな俺が勇者に勝てるはずもない……今は大人しくして、逃げる隙を伺うしかない。
勇者に森の中に連れて行かれると、魔術師が待っていた。
陣が描かれた中心に立っている。
彼は黒髪黒目の端正な顔つきで、勇者とは違って柔らかい雰囲気だ。
――俺、この魔術師嫌いじゃないみたいだ。
魔術師はニコニコしながら、俺を見ている。
「ちゃんと顔を合わせたのは、久しぶりだね」
「あ、そっすね」
「アランスがあわせてくれないから……」
「そんな事を言うなよ、今日は魔王の配下を捕まえた記念日なんだぞ」
「はいはい。カズヤ、僕のミミを助けてもらったのは忘れてないよ」
「は?」
脳裏にある光景が蘇る。
猫の姿をした聖霊獣が、池で溺れていたのを拾って、めちゃめちゃ懐かれた。
そこにこの魔術師がやってきて、聖霊獣を渡して逃げたのだ。
――そういう訳か。
勇者は魔術師に転移するように告げて、俺は勇者達の本拠地へと連れて行かれてしまった。
ついた先は城の中だった。
目の前に、無数の人間が跪いている。
俺はその光景に呆然とした。
王が跪いているのだ。
「「「勇者様! お帰りなさいませ!」」」
「ただいま戻りました」
「さあ。こちらへ!」
そそくさと進み出たのは、位の高そうな臣下だ。
――勇者は、どこの国を拠点にしてるんだっけ?
「陛下、何か変わったところはありまんか?」
「はい! 大丈夫です、シーク様」
「王様、こいつは、魔王の配下だったカズヤだ。俺の下僕になったから、それなりに対応してやってくれ」
「ははっ!」
王は勇者に深々と頭を下げて、何とも謙虚な態度をとっている。
勇者は背伸びをしながら、誰かにもらった盃で水を飲んでいた。
俺は腕を組み、首をかしげる。
――魔王だって、こんな出迎えられ方はしてないぞ?
やっぱり、この勇者はまともではないと、改めて認識した。
あなたにおすすめの小説
ストーカーから逃げ切ったのも束の間、転移後はヤンデレ騎士団に殺されかけている現実!
由汰のらん
ファンタジー
ストーカーから逃げていたある日、ハルは異世界に召喚されてしまう。
しかし神官によれば、どうやらハルは間違って召喚された模様。さらに王子に盾ついてしまったことがきっかけで、ハルは国外追放されてしまう。さらに連行されている道中、魔族に襲われ、ハルの荷馬車は置き去りに。
そのさなか、黒い閃光を放つ騎士が、ハルに取引を持ちかけてきた。
「貴様の血を差し出せ。さすれば助けてやろう。」
やたら態度のでかい騎士は、なんとダンピールだった。しかしハルの血が特殊だと知ったダンピールはハルを連れ帰って?
いっそ美味しい『血』(治癒)と『体液』(バフ)と『癒し』を与えるダンピール騎士団のセラピストを目指します!
イケメンチート王子に転生した俺に待ち受けていたのは予想もしない試練でした
和泉臨音
BL
文武両道、容姿端麗な大国の第二皇子に転生したヴェルダードには黒髪黒目の婚約者エルレがいる。黒髪黒目は魔王になりやすいためこの世界では要注意人物として国家で保護する存在だが、元日本人のヴェルダードからすれば黒色など気にならない。努力家で真面目なエルレを幼い頃から純粋に愛しているのだが、最近ではなぜか二人の関係に壁を感じるようになった。
そんなある日、エルレの弟レイリーからエルレの不貞を告げられる。不安を感じたヴェルダードがエルレの屋敷に赴くと、屋敷から火の手があがっており……。
* 金髪青目イケメンチート転生者皇子 × 黒髪黒目平凡の魔力チート伯爵
* 一部流血シーンがあるので苦手な方はご注意ください
悪役令息に転生した俺は推しの為に舞台から退場する
スノウマン(ユッキー)
BL
前世の記憶を思い出したアレクシスは悪役令息に転生したことに気づく。このままでは推しである義弟ノアが世界を救った後も幸せになれない未来を迎えてしまう。それを回避する為に、俺は舞台から退場することを選んだ。全てを燃やし尽くす事で。
そんな俺の行動によってノアが俺に執着することになるとも知らずに。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
『身長185cmの私が異世界転移したら、「ちっちゃくて可愛い」って言われました!? 〜女神ルミエール様の気まぐれ〜』
透子(とおるこ)
恋愛
身長185cmの女子大生・三浦ヨウコ。
「ちっちゃくて可愛い女の子に、私もなってみたい……」
そんな密かな願望を抱えながら、今日もバイト帰りにクタクタになっていた――はずが!
突然現れたテンションMAXの女神ルミエールに「今度はこの子に決〜めた☆」と宣言され、理由もなく異世界に強制転移!?
気づけば、森の中で虫に囲まれ、何もわからずパニック状態!
けれど、そこは“3メートル超えの巨人たち”が暮らす世界で――
「なんて可憐な子なんだ……!」
……え、私が“ちっちゃくて可愛い”枠!?
これは、背が高すぎて自信が持てなかった女子大生が、異世界でまさかのモテ無双(?)!?
ちょっと変わった視点で描く、逆転系・異世界ラブコメ、ここに開幕☆
悲報、転生したらギャルゲーの主人公だったのに、悪友も一緒に転生してきたせいで開幕即終了のお知らせ
椿谷あずる
BL
平凡な高校生だった俺は、ある日事故で命を落としギャルゲーの世界に主人公としてに転生した――はずだった。薔薇色のハーレムライフを望んだ俺の前に、なぜか一緒に事故に巻き込まれた悪友・野里レンまで転生してきて!?「お前だけハーレムなんて、絶対ズルいだろ?」っておい、俺のハーレム計画はどうなるんだ?ヒロインじゃなく、男とばかりフラグが立ってしまうギャルゲー世界。俺のハーレム計画、開幕十分で即終了のお知らせ……!
推し様たちを法廷で守ったら気に入られちゃいました⁉~前世で一流弁護士の僕が華麗に悪役を弁護します~
いつく しいま
BL
やり込んだBLゲームの世界に転生していた。
しかも僕、そのゲームの推しを弁護することになりました。
――前世は一流弁護士、現世は17歳の下級兵(モブ)。
冤罪に苦しむヴィラン攻略対象たちを、論理とハッタリで守り抜こうか!
腐敗した司法、王家の陰謀、国家規模の裁判戦争―― 全てをひっくり返したら、なぜか推したちに溺愛されることになって!?
ちょっと待って、これ重大案件!!!
***
※男主人公をめぐる逆ハーレムあり
※法廷・ミステリーパート中心(基本理解できる範囲になっております)
以前こちらで投稿していた作品を、2章の構成を整えて再投稿します。以前読んでくださっていた方、本当にありがとうございました。3月9日追記:2章中盤45話まで一挙公開しました! 以降は基本二日~三日に1話ずつ公開となります。
弟がガチ勢すぎて愛が重い~魔王の座をささげられたんだけど、どうしたらいい?~
マツヲ。
BL
久しぶりに会った弟は、現魔王の長兄への謀反を企てた張本人だった。
王家を恨む弟の気持ちを知る主人公は死を覚悟するものの、なぜかその弟は王の座を捧げてきて……。
というヤンデレ弟×良識派の兄の話が読みたくて書いたものです。
この先はきっと弟にめっちゃ執着されて、おいしく食われるにちがいない。