40 / 81
第二章【神無殻の業】
第20話〈龍脈の刃〉
しおりを挟む
地響きが足裏から伝わってくる。
全国の火山を突き動かそうとする龍脈のエネルギーが、笠山の噴火口にあつまろうとしているのだから、当然ではあるのだが、朝火の精神力を借りても、被害を最小限に抑え込めるのかと、不安が脳裏をよぎる。
刀をかちあわせながら、瞳を見開いて、ひたすら龍脈に呼びかけるが、一向に応える意識はない。
冷や汗が背中を伝う。
ふいに龍神祝詞が小さくなる。
地面が激しく上下に揺れ始め、やがて立っていられなくなってしまう。
背後から悲鳴が上がり、振り返りたくても身動きがとれない。刀を持って、朝火の支える腕力と体幹に頼らなければ、噴火口に転がり落ちかねないのだ。
夕都は両足でふんばり、大地に足をくいこませんばかりに四肢に力を入れる。
朝火が苦悶の表情を浮かべて、足元をふらつかせた。
「あ!」
大地が揺さぶられる轟音の中、夕都は噴火口に向かって身を放られる。
ひときわ激しい揺れが、局地的に襲ってきたのだ。
朝火が手を伸ばすが、掴みそこねて、共に噴火口の中へと落下していく。
「あ、朝火!!」
「夕都!!」
お互いに名を呼びあって、刀を右手に掴みながら、左手を必死に伸ばす。
なんども宙を掴み、ついに二人の手は繋がれた。
――あつい。
まばゆい光が溢れて、下から突きあげる龍脈の力に、二人の身体はすっぽりと包まれる。
熱くてあたたかい。それに、落下する速度も緩やかになり、恐怖心がうすれた。
開いた視界に巨大な影が映り込む。
その顔は、あの女人にそっくりである。
「月夜!」
朝火が叫ぶ声音を聞いた瞬間、大仏は内側から光り輝き、またたく間にひび割れて、霧散してしまう。
その時、夕都は地下からつきあがる龍脈のエネルギーを感じて、朝火の手を離し、刀の柄を両手で掴んだ。
朝火が叫ぶが、声は風鳴りでかき消される。
溢れる光に瞳をほそめ、風にあおられる羽織と着物の袖がはげしくはためいた。
ふと、目の前に幻影が現れる。
――母さん!!
母が幼い自分の両手に手を添えて、まるで刀を払うような動作をした。
“龍脈の刃はこう扱うのよ”
母が笑いかける。幻影はふわりと見えなくなった。
息を吸い込み、刀を地下から突きあがる光の渦へと向かって大きく払った。
「解き放たれろ!!」
刀身に宿った龍脈の力が一瞬で肥大化する。やがて数十メートルに及ぶ光の柱となり、刀を模した光の刃へと変化した。
夕都の身体は力に包まれて浮遊し、両手をかかげて、ふたたび大きく薙ぎ払う。
瞬間、光の刃は噴火口の入口に向かって突き上がり、甲高い音を轟かせて、天へと駆け抜けた。
地から放たれた流星のごとく、龍脈の刃は、空をつらぬいて爆発音を響かせながら消えゆく。
「……やばい」
「夕都!」
夕都は朝火ともう一度手を繋いで、ゆっくりと地下へと向かって落下する。霧散して消えた大仏の破片に当たるも、怪我をすることもなく、だんだんと静かになる大地の音に耳を傾けた。
身体が地に転がるが、痛みも苦しみもない。地下深くからあたたかな力を感じる。魂が、その大いなる力に包み込まれているかのようだ。
夕都は、なかなか身体が自由にならないため、隣に横たわる朝火にせめて声をかけた。
「大丈夫か、朝火」
呼びかけると、朝火は身じろいで小さな声で答えた。
言葉ははっきりとしないが、頬を緩める。
しばしの沈黙。暗闇に目が慣れてきた。
手足に力が入るのを感じて、重い四肢を引きずるようにして起き上がる。
手で辺りを探ると、固いものにあたり、掴んだ。持ち上げれば、刀であり、さらに爪先を小突く感触に頷く。どうやらもう一振りも傍にあるようだ。
朝火を抱き起こして、身を寄せながら周囲を伺う。
大地の揺れは収まったようだ。
大仏が霧散した時を思いだしていたら、急に辺りが淡く光りだして慌てる。
周囲を見回すと、岩肌ではなく、空気中に光が漂っているらしい。
光が二人にまとわりついて、視線を交わす。
『二人とも驚きました?』
突然の声に、夕都はまたたいて叫ぶ。
「月夜か!」
朝火がため息をついて、光に手を伸ばした。光がその手に集まり、あわく発光する。さながら松明のようだ。
光がゆらめくと再び声を発した。
『ふふふ。いくら龍主である貴方でも、あんな凄まじい力、手に負えないでしょ?』
夕都は周りに視線を巡らせた。月夜の姿はなくて、明るい声音が空間にとけていくだけだ。
頬がひきつり、またもや、大仏が消えた時を思い浮かべる。
朝火に目をやると、眉根を寄せていた。
白衣と袴はすっかり土汚れでくすんでいる。
ふと据えたニオイが鼻をついた。
笠山の噴火口はもともと降りられるようにはなっているが、もう少し深い場所まで落ちたようだ。
ちょうど溶岩のでっぱりに二人は受け止められているらしい。
赤褐色の溶岩が眼前に迫るように見えている。
体感は熱くも寒くもない。
包み込む龍脈の力が、あたたかいと感じさせる。
月夜が再び、笑いながら話しかけてきた。
『私は、この通り魂だけになりましたから、もう一度受肉するには時間を要します』
「え」
夕都は心臓が跳ねて月夜を問い詰める。
朝火の手に集まる光の玉を見つめて声を荒らげた。
「なんで話さなかったんだ? 万が一、戻れなかったら……、どうするつもりだよ」
『仕方ないです。貴一くんを助けないといけませんし、こうするしか。それより、助けが来るので大人しくしていてくださいね』
「助けとは」
朝火が問うと、光の玉は揺らめいてそれきり声を発する気配はなくなった。
夕都は唇をかみしめて、月夜を何度も呼んだ。
朝火が光の玉を宙へとかかげると、二人を照らすように辺りに広がる。
思わず頭をかいたが、朝火は冷静な態度でいつもと変わる様子はない。
無言でお互いに座り込み、ひとまず助けを待つことにした。
意識が夢と現をさまよう。
身体が揺れ動いたのを感じて、やっと頭がすっきりしてきた。
手足を伸ばそうとすると、足が固いものにこすれて顔が歪む。
上半身を朝火にささえられているのに気づいた。
視界は薄暗く、暗闇に慣れた目でも状況が把握できない。
空気の振動が肌を震わせる。
――誰かいる!
夕都は朝火に身を寄せて息を殺す。
朝火が刀を手にしているようで、わずかに刀身が煌めいた。
その時、複数の人の気配が取り囲んだ。
(気をつけろ)
朝火の忠告に頷き、片手に握らされた己の刀の柄を強く掴む。
か細い呼吸音を頼りに、隙を見せぬよう、意識を集中させた。
全国の火山を突き動かそうとする龍脈のエネルギーが、笠山の噴火口にあつまろうとしているのだから、当然ではあるのだが、朝火の精神力を借りても、被害を最小限に抑え込めるのかと、不安が脳裏をよぎる。
刀をかちあわせながら、瞳を見開いて、ひたすら龍脈に呼びかけるが、一向に応える意識はない。
冷や汗が背中を伝う。
ふいに龍神祝詞が小さくなる。
地面が激しく上下に揺れ始め、やがて立っていられなくなってしまう。
背後から悲鳴が上がり、振り返りたくても身動きがとれない。刀を持って、朝火の支える腕力と体幹に頼らなければ、噴火口に転がり落ちかねないのだ。
夕都は両足でふんばり、大地に足をくいこませんばかりに四肢に力を入れる。
朝火が苦悶の表情を浮かべて、足元をふらつかせた。
「あ!」
大地が揺さぶられる轟音の中、夕都は噴火口に向かって身を放られる。
ひときわ激しい揺れが、局地的に襲ってきたのだ。
朝火が手を伸ばすが、掴みそこねて、共に噴火口の中へと落下していく。
「あ、朝火!!」
「夕都!!」
お互いに名を呼びあって、刀を右手に掴みながら、左手を必死に伸ばす。
なんども宙を掴み、ついに二人の手は繋がれた。
――あつい。
まばゆい光が溢れて、下から突きあげる龍脈の力に、二人の身体はすっぽりと包まれる。
熱くてあたたかい。それに、落下する速度も緩やかになり、恐怖心がうすれた。
開いた視界に巨大な影が映り込む。
その顔は、あの女人にそっくりである。
「月夜!」
朝火が叫ぶ声音を聞いた瞬間、大仏は内側から光り輝き、またたく間にひび割れて、霧散してしまう。
その時、夕都は地下からつきあがる龍脈のエネルギーを感じて、朝火の手を離し、刀の柄を両手で掴んだ。
朝火が叫ぶが、声は風鳴りでかき消される。
溢れる光に瞳をほそめ、風にあおられる羽織と着物の袖がはげしくはためいた。
ふと、目の前に幻影が現れる。
――母さん!!
母が幼い自分の両手に手を添えて、まるで刀を払うような動作をした。
“龍脈の刃はこう扱うのよ”
母が笑いかける。幻影はふわりと見えなくなった。
息を吸い込み、刀を地下から突きあがる光の渦へと向かって大きく払った。
「解き放たれろ!!」
刀身に宿った龍脈の力が一瞬で肥大化する。やがて数十メートルに及ぶ光の柱となり、刀を模した光の刃へと変化した。
夕都の身体は力に包まれて浮遊し、両手をかかげて、ふたたび大きく薙ぎ払う。
瞬間、光の刃は噴火口の入口に向かって突き上がり、甲高い音を轟かせて、天へと駆け抜けた。
地から放たれた流星のごとく、龍脈の刃は、空をつらぬいて爆発音を響かせながら消えゆく。
「……やばい」
「夕都!」
夕都は朝火ともう一度手を繋いで、ゆっくりと地下へと向かって落下する。霧散して消えた大仏の破片に当たるも、怪我をすることもなく、だんだんと静かになる大地の音に耳を傾けた。
身体が地に転がるが、痛みも苦しみもない。地下深くからあたたかな力を感じる。魂が、その大いなる力に包み込まれているかのようだ。
夕都は、なかなか身体が自由にならないため、隣に横たわる朝火にせめて声をかけた。
「大丈夫か、朝火」
呼びかけると、朝火は身じろいで小さな声で答えた。
言葉ははっきりとしないが、頬を緩める。
しばしの沈黙。暗闇に目が慣れてきた。
手足に力が入るのを感じて、重い四肢を引きずるようにして起き上がる。
手で辺りを探ると、固いものにあたり、掴んだ。持ち上げれば、刀であり、さらに爪先を小突く感触に頷く。どうやらもう一振りも傍にあるようだ。
朝火を抱き起こして、身を寄せながら周囲を伺う。
大地の揺れは収まったようだ。
大仏が霧散した時を思いだしていたら、急に辺りが淡く光りだして慌てる。
周囲を見回すと、岩肌ではなく、空気中に光が漂っているらしい。
光が二人にまとわりついて、視線を交わす。
『二人とも驚きました?』
突然の声に、夕都はまたたいて叫ぶ。
「月夜か!」
朝火がため息をついて、光に手を伸ばした。光がその手に集まり、あわく発光する。さながら松明のようだ。
光がゆらめくと再び声を発した。
『ふふふ。いくら龍主である貴方でも、あんな凄まじい力、手に負えないでしょ?』
夕都は周りに視線を巡らせた。月夜の姿はなくて、明るい声音が空間にとけていくだけだ。
頬がひきつり、またもや、大仏が消えた時を思い浮かべる。
朝火に目をやると、眉根を寄せていた。
白衣と袴はすっかり土汚れでくすんでいる。
ふと据えたニオイが鼻をついた。
笠山の噴火口はもともと降りられるようにはなっているが、もう少し深い場所まで落ちたようだ。
ちょうど溶岩のでっぱりに二人は受け止められているらしい。
赤褐色の溶岩が眼前に迫るように見えている。
体感は熱くも寒くもない。
包み込む龍脈の力が、あたたかいと感じさせる。
月夜が再び、笑いながら話しかけてきた。
『私は、この通り魂だけになりましたから、もう一度受肉するには時間を要します』
「え」
夕都は心臓が跳ねて月夜を問い詰める。
朝火の手に集まる光の玉を見つめて声を荒らげた。
「なんで話さなかったんだ? 万が一、戻れなかったら……、どうするつもりだよ」
『仕方ないです。貴一くんを助けないといけませんし、こうするしか。それより、助けが来るので大人しくしていてくださいね』
「助けとは」
朝火が問うと、光の玉は揺らめいてそれきり声を発する気配はなくなった。
夕都は唇をかみしめて、月夜を何度も呼んだ。
朝火が光の玉を宙へとかかげると、二人を照らすように辺りに広がる。
思わず頭をかいたが、朝火は冷静な態度でいつもと変わる様子はない。
無言でお互いに座り込み、ひとまず助けを待つことにした。
意識が夢と現をさまよう。
身体が揺れ動いたのを感じて、やっと頭がすっきりしてきた。
手足を伸ばそうとすると、足が固いものにこすれて顔が歪む。
上半身を朝火にささえられているのに気づいた。
視界は薄暗く、暗闇に慣れた目でも状況が把握できない。
空気の振動が肌を震わせる。
――誰かいる!
夕都は朝火に身を寄せて息を殺す。
朝火が刀を手にしているようで、わずかに刀身が煌めいた。
その時、複数の人の気配が取り囲んだ。
(気をつけろ)
朝火の忠告に頷き、片手に握らされた己の刀の柄を強く掴む。
か細い呼吸音を頼りに、隙を見せぬよう、意識を集中させた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。
失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。
そんな彼が交通事故にあった。
ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。
「どうしたものかな」
入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。
今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。
たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる