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最終章 世界の理は変わらない

《幕間2》私の役割《ことわり》

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 私はインクプスに教えてもらった場所へ向かっていた。

 私が今できること、それは他にもたくさんあったかもしれない。
 けど、今の私にとって最善なのはこれだと思った。


 私は、昔からある程度のことが人並みにできた。
 魔法は、火の魔法を得意としてはいるが、他の魔法もそこそこできる。
 武術に関しても、小さい頃から教え込まれていたこともあり、問題なくできた。
 けど、それを極めようと思うことはなかった。
 人並み以上にてきれば、それでいいと思っていた。
 そんな、器用貧乏な私が、学年で一番の強さを取るのに、さほど時間はかからなかった。

 けど、ある日、私は偶然見た戦いを夢中になって見てしまっていた。
 それが、マオ様とロノア様の戦いだった。
 今までモノクロだった私の世界に、二人は光をもたらし、私の世界はカラフルな色で満ちていった。
 そして、そのとき私はあることを二人に思った。
 一度、戦ってみたい。
 そして、その夢はすぐに叶った。
 本当は、マオ様と戦いたかったけど、私はロノア様と戦った。
 結果は惨敗。
 そんなロノア様を、マオ様は瞬殺したのだから、到底私がかなうような相手じゃない。
 そして、私がロノア様から最初に命じられたのは、

「あなた、透明化の魔法は使えますの?」

「はい。使えます」

「それでしたら、マオちゃんの家に行って朝ごはんを作ってきなさいな。朝ごはんを作り始めるまで、絶対にバレないようにしてくださいな」

 そんな、犯罪的なことだった。
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