~幽世ノ華~ 江戸天竜堂検死秘帖

横溝周一郎

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主な登場人物

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高柳凌雲たかやなぎりょううん:八丁堀築地竹島町で「天竜堂診療所」を開く蘭学者、死骸を検死し、事件の真相を見届ける公儀検使役。鳴滝塾出身で、蘭学弾圧事件に巻き込まれある真相が明るみに出た。十六文の安値で治療をする為「二八先生」、死骸の検死を請け負う為に「おろく医者」と呼ばれている。

松平源七郎斉勝まつだいらげんしちろうなりかつ:将軍・徳川家慶の異母弟。先代将軍の将軍・徳川家斉と、御台所の附け女中だった高柳静との間に産まれた庶子。将軍位第二継承者として、神田三河町の御控屋敷に留め置かれている。蘭学弾圧事件で明るみに出た、凌雲の真の姿。

近藤勇五郎こんどう ゆうごろう:北町奉行の与力。年番方筆頭与力・清左衛門の跡取り息子。血が苦手だが、その弱点を克服し一人前になるべく奔走する。北辰一刀流玄武館で「千葉の麒麟児」、「於玉ヶ池の天狗」と呼ばれている青年剣士。

江戸屋仁吉えどやにきち:深川伊勢崎町の口入れ屋「江戸屋」の跡取り。勇五郎の配下。凌雲の乳兄弟であり、手足として協力する。

◆おえん:鶴亀屋の女将。仁吉の姉。凌雲の乳兄妹で、恋心を抱いている。

藤川美沙ふじかわみさ:玄瑞の令嬢。親の反対を押し切り医師となった。生真面目で仕事熱心、医者としては有能だが家事一切に才能は無し。おまけに癇癪を起すと非常に厄介。

杉浦宗哲すぎうらそうてつ:小石川養生所外科医師。大身旗本の末弟から医者になった苦労人。腕っ節が強く豪快な性格で、凌雲とは話の馬があう友人。

楢原淳斎ならはらじゅんさい:幕府御典医。鳴滝塾の高弟で、凌雲の兄弟子。蘭学の地位回復の為に奔走している。

森岡泰然もりおかたいぜん:小石川養生所肝煎医師。名医には違いないが、金と地位に執着する欠点がある。

藤川玄瑞ふじかわ げんずい:幕府奥医師。法印の地位にある名医。凌雲の恩師。美沙の父。

村垣伝助むらがき でんすけ:南町奉行所筆頭同心。ぼさぼさ頭と太い眉から、通称「ゲジ伝」と呼ばれている。典型的な金権主義者。

権蔵ごんぞう:岡っ引き。狸の様な見た目から「タヌ権」と呼ばれている。

神山平蔵こうやまへいぞう:北町奉行所吟味方与力、市中取締掛。勇五郎の上司で、「鬼平」と呼ばれている厳格な人物。

遠山金四郎とおやまきんしろう:北町奉行、官位は左衛門尉。人呼んで遠山の金さん。凌雲の後見人で、家慶の命を受けて警護している。放蕩無頼を経験し、その際に彫った桜吹雪の刺青から「いれずみ奉行」と呼ばれている。

鳥居耀蔵とりいようぞう:南町奉行、官位は甲斐守。情け容赦のない取り締まりから「妖怪」、「蝮の耀蔵」と呼ばれ忌み嫌われている。

長谷川兵庫はせがわひょうご:幕府御先手組組頭兼火付盗賊改長官。気位が高く、町方を見下し自分たちが町の治安を守っていると豪語する。

勝小吉かつこきち:小普請組に属する下級旗本。腕っ節が滅法強く血気盛んな暴れん坊。息子の麟太郎りんたろうを救われてから恩義を感じ、凌雲の用心棒を自称。

男谷精一郎おたにせいいちろう:書院番頭。直心影流十三世で、凌雲の兄弟子。小吉の甥。

藤岡屋由蔵ふじおかやよしぞう:貸本屋・書画骨董商い。

河内山宗俊こうちやまそうしゅん:御数寄屋坊主頭。強請屋の元締。

堀田正睦ほったまさよし:老中。蘭学に関心がある。

水野忠邦みずのただくに:老中首座。天保の改革を強行する。血も涙もない冷血漢。

善右衛門ぜんえもん:薬種商「福寿堂」の主。

吉兵衛きちべえ:鶴亀屋の船頭兼花板。元は鴻巣こうのす政五郎まさごろうと言う名うて盗賊。一度捕縛されたが、ある功績から無罪放免となり今は金四郎の密偵となっている。

梶野弥一郎かじのやいちろう:御庭番、御広敷伊賀者。

◆お喜代おきよ:幸兵衛の女房。

幸兵衛こうべえ:何でも屋「大黒屋」の主で、百間長屋の大家。通称「小言幸兵衛」。

江戸屋長兵衛えどやちょうべえ:口入れ屋の主。本所深川、柳橋から両国一帯に睨みが利く香具師の大物。凌雲の恩人。

徳川家慶とくがわいえよし:12代将軍。凌雲の腹違いの兄。将軍としては冷静に振る舞うが本来は優しい人物で、野に下った弟に期待する一方で幸せを願っている。その一方で、息子の家祥いえさちの現状に頭を抱える男親でもある。
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