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ユー・メイク・ミー!(3)
宏章は興奮冷めやらぬままアパートに辿り着き、夢見心地でポケットに手をやると、鍵が入っていない事に気づいた。
……あ、しまった!鍵穴見てもらった時外してたんだ。
宏章は普段、家の鍵はバイクの鍵と一緒にひとまとめにしていた。
だが昨日鍵が回しづらくなっていたので、管理会社に言って見てもらう為にたまたま外していた。結局鍵を交換して受け取ってから、バッグに入れっぱなしにしたままだった。背中のボディバッグを前に持ってくると、ジッパーが全開になっていた。嫌な予感がしてバッグに手を入れると、案の定、財布と鍵がなくなっていた。
……やべっ!落とした!いつから開いてたんだ?
宏章は慌てて今日一日を振り返った。財布の中にカード式のタイムカードを入れていて、退勤の時に間違いなく打刻はしたはずだ。
スタジオか?と思い電話を入れてみるが、そんな落とし物はないと言われる始末。だとするとあのクラブだ。だがあの雑踏の中で、探すのは至難の業だろう。万が一拾われていたとしても、そのまま盗まれるのがオチだ。
宏章は冷静になれと自分に言い聞かせ、これからどうするか考えた。
鍵がない以上家には入れないし、管理会社に電話しようにも、この時間では明日にならないと無理だ。財布が無い以上、どこかに泊まる事も出来ない。
とりあえず誰かに泊めてもらおうと思い、悟に電話するが一向に出ない。
……無理か、あいつ今頃酔い潰れてるな。
宏章は東京にたいして知り合いもおらず、それでも何人か当たるが運悪く全滅だった。
……今は二月下旬だ、このまま外に居たら凍死するぞ。
宏章はゾッとした、すでに体も冷えてきていた。連絡がつかなかった数人からの折り返しを待とうと、暖を取る為近くのコンビニへ駆け込んだ。30分ほど店内をうろつき、流石に怪しまれるだろうと一旦アパートへ戻る事にした。
……何やってんだ俺。
心の中で呟き、ため息をついてアパートへ戻ると、部屋の前に人影が見えた。
……こんな時間に誰だ?
宏章が訝しんで恐る恐る近づくと、その正体に驚いた。
「さっきはどうも!」
それはまさかの、満面の笑みを浮かべた桜那だったのだ。
「えっ!……なんで!?……どうしてここに!?」
宏章はパニックになり、思わず変な声を出した後、挙動不審になりながら尋ねた。
「これ、落としたでしょ?」
桜那はクスッと笑って、宏章の目の前に財布と鍵をちらつかせた。
「ああっ!俺の財布!……でもどうしてここが?」
「免許証入ってたでしょ?それで住所見たの」
宏章はなるほど!と思い、心底安堵した。とりあえず見つかった事に安堵して、何故ここまで桜那が届けてくれたのかなんて考えもしなかった。
手を伸ばして、「ああよかった!ありがとう……」と言いかけたその時、桜那がすっと財布を引っ込めてフェイントをかけた。宏章がまたしても、え!?と驚くと、桜那がにっこりと笑った。
「はい、鍵。とりあえずさ、タクシー来るまで家で待たせてよ。こんな寒い中来たのに、そのまま返すつもり?」
宏章は困惑したが、確かに桜那の言う通りだと思った。こんな寒い中わざわざ届けてくれた上に、風邪でも引かせたら大変だ。何か思惑が隠れているかもなんて、全く疑いもせずに鍵を受け取り、言われるがまま部屋へ上げた。
桜那は溜まりに溜まった憤りから、もう完全に冷静さを失っていた。
男の家に上がり込むなんて、自分から襲ってくれと言っているようなものだ。
それでも、足は止まらなかった。
万が一乱暴されたとしても、大人しくしてその場をやり過ごせば、最悪殺されずに済むだろう。
その後は証拠を残して警察にでも突き出せばいい。
——分かっている。
全部、分かった上での選択だ。
おもちゃの様に扱われる事には慣れている。
どうせ自分は、男の欲望を満たす為の愛玩人形のようなものだから。
桜那はそんな投げやりな気持ちで、鍵の回る音を聞いていた。
部屋に入ると、宏章が慌ててエアコンをつけた。
桜那は無邪気に「おじゃましまーす」と言って、テーブルの前に腰を下ろす。
宏章が困惑と緊張でどうしていいか分からず立ち尽くしていると、桜那は笑顔で「座ったら?」と促した。宏章がすとんと正座をすると、桜那は「はい」と言って、財布を宏章の目の前に置いた。
「あの……、わざわざありがとうございます……」
宏章が緊張気味にお礼を言うと、桜那は含み笑いをしながら答えた。
「ここまで届けてあげたんだから、相応のお礼してもらわなきゃ割に合わないよね?」
宏章はお礼と聞いてドキッとした。
「その……、謝礼って事?」
「お金払ってくれるの?」
桜那が笑顔で尋ねる。
「もちろん!ここまで届けてくれたわけだし……」
宏章はパッと顔を上げた。
こういう場合、相場は多くて二割くらいだから、五万入ってたし……なんて頭の中で計算していると、桜那が「じゃあ十万もらおうかな」と、またしても笑顔で吹っ掛けてきた。
「十万!?」
宏章が声を上げて青ざめると、桜那はぷっと吹き出して大笑いした。
「冗談だよ。それじゃあ恐喝じゃない」
宏章はホッとして呟いた。
「あ……そっか、そうだよね……」
……バカだなこいつ、ちょろいな。
桜那はだんだん宏章を揶揄うのが面白くなっていた。酔いも回って気が大きくなっていたのもあり、どんどん調子づいてしまった。
「でも、何かしらお礼はしてもらいたいかな。私の言うこと、ひとつだけ何でも聞くとかさ」
「何でもって、例えば?」
宏章が怪訝そうな顔で尋ねる。
「それは今から考えるよ、とりあえず一緒に飲も!お酒とか無いの?」
桜那が答えると、宏章は戸惑いながらも冷蔵庫から買い置きしていたビールを差し出した。
桜那はビールを開けて勢いよくグビグビと飲み干した。缶を叩きつけるようにテーブルに置き、グシャっと音を立てて握り潰すと、日頃の鬱憤を宏章に向けてまくし立てた。
「今日もまた絡まれちゃったよ!あいつら私の事AV女優だからって、すぐヤれると思ってるんだよねー。失礼な奴ばっかだよ。あいつらだけじゃない。男なんて金と権力さえあれば、女はすぐ思い通りになるとか思ってるんだよね。ましてやAV女優なんて、性欲の捌け口の道具で、何してもいいって思ってるんだよ。私の事、同じ人間だなんて思ってないんだよ!」
桜那は眉間に皺を寄せ、険しい表情で悪態をついた。
宏章はすぐに、駿の取り巻き達の事だろうと察した。
何も言えず、まるで自分が責められているかのように、肩を落とす。
桜那はてっきり宏章が「そうだね、大変だよね」なんて、あたかも自分は違うとばかりに分かったふりして下心を丸出しにしながら、ここぞとばかりにセックスまで持ち込もうとするだろうと思っていた。予想外の反応に、すっかり調子が狂ってしまった。
……なんなの、こいつ。
桜那は宏章の反応にだんだんと苛立ちを覚えていた。
まるで自分がいじめっ子の様に思えてきて、無性に腹立たしくなったのだ。絶対に自分に反抗してこないのを分かっていて、相手の尊厳を傷つける卑怯者の様に。
……今まで私を都合よく利用しようとしたり、雑に扱ってきた連中とこれじゃ同じじゃない!
このやり場のない苛立ちに悶々としていると、ふとテレビの脇に自分のビデオが積まれているのに気づいた。
「それ……」
桜那がビデオに視線を向けると、宏章は途端に顔を真っ赤にして焦り出した。
……しまった!片付けるの忘れてた!
宏章は慌てふためきながら「あの……、これはその……」と、しどろもどろに言い訳を考えていた。
「別に隠す事ないじゃない、私のファンなんでしょ?」
桜那に笑みを向けられて、宏章は顔を赤らめながら、はい……と素直に返事をした。
「私の作品、どれが一番好き?」
桜那が唐突に尋ねた。
宏章は戸惑いながらもしばし考えて、「どれも好きだけど、強いて言うならMelty Pinkかな?」と答えた。
「へぇ……、あの作品のどこが良かった?」
桜那は少し困らせてやろうと思って、意地悪な質問をしたつもりだった。どこが良いも何も所詮はAVだ。行為がメインなのに良いも悪いもあるかと、わざと答えに困る質問をしたのだ。
……あ、しまった!鍵穴見てもらった時外してたんだ。
宏章は普段、家の鍵はバイクの鍵と一緒にひとまとめにしていた。
だが昨日鍵が回しづらくなっていたので、管理会社に言って見てもらう為にたまたま外していた。結局鍵を交換して受け取ってから、バッグに入れっぱなしにしたままだった。背中のボディバッグを前に持ってくると、ジッパーが全開になっていた。嫌な予感がしてバッグに手を入れると、案の定、財布と鍵がなくなっていた。
……やべっ!落とした!いつから開いてたんだ?
宏章は慌てて今日一日を振り返った。財布の中にカード式のタイムカードを入れていて、退勤の時に間違いなく打刻はしたはずだ。
スタジオか?と思い電話を入れてみるが、そんな落とし物はないと言われる始末。だとするとあのクラブだ。だがあの雑踏の中で、探すのは至難の業だろう。万が一拾われていたとしても、そのまま盗まれるのがオチだ。
宏章は冷静になれと自分に言い聞かせ、これからどうするか考えた。
鍵がない以上家には入れないし、管理会社に電話しようにも、この時間では明日にならないと無理だ。財布が無い以上、どこかに泊まる事も出来ない。
とりあえず誰かに泊めてもらおうと思い、悟に電話するが一向に出ない。
……無理か、あいつ今頃酔い潰れてるな。
宏章は東京にたいして知り合いもおらず、それでも何人か当たるが運悪く全滅だった。
……今は二月下旬だ、このまま外に居たら凍死するぞ。
宏章はゾッとした、すでに体も冷えてきていた。連絡がつかなかった数人からの折り返しを待とうと、暖を取る為近くのコンビニへ駆け込んだ。30分ほど店内をうろつき、流石に怪しまれるだろうと一旦アパートへ戻る事にした。
……何やってんだ俺。
心の中で呟き、ため息をついてアパートへ戻ると、部屋の前に人影が見えた。
……こんな時間に誰だ?
宏章が訝しんで恐る恐る近づくと、その正体に驚いた。
「さっきはどうも!」
それはまさかの、満面の笑みを浮かべた桜那だったのだ。
「えっ!……なんで!?……どうしてここに!?」
宏章はパニックになり、思わず変な声を出した後、挙動不審になりながら尋ねた。
「これ、落としたでしょ?」
桜那はクスッと笑って、宏章の目の前に財布と鍵をちらつかせた。
「ああっ!俺の財布!……でもどうしてここが?」
「免許証入ってたでしょ?それで住所見たの」
宏章はなるほど!と思い、心底安堵した。とりあえず見つかった事に安堵して、何故ここまで桜那が届けてくれたのかなんて考えもしなかった。
手を伸ばして、「ああよかった!ありがとう……」と言いかけたその時、桜那がすっと財布を引っ込めてフェイントをかけた。宏章がまたしても、え!?と驚くと、桜那がにっこりと笑った。
「はい、鍵。とりあえずさ、タクシー来るまで家で待たせてよ。こんな寒い中来たのに、そのまま返すつもり?」
宏章は困惑したが、確かに桜那の言う通りだと思った。こんな寒い中わざわざ届けてくれた上に、風邪でも引かせたら大変だ。何か思惑が隠れているかもなんて、全く疑いもせずに鍵を受け取り、言われるがまま部屋へ上げた。
桜那は溜まりに溜まった憤りから、もう完全に冷静さを失っていた。
男の家に上がり込むなんて、自分から襲ってくれと言っているようなものだ。
それでも、足は止まらなかった。
万が一乱暴されたとしても、大人しくしてその場をやり過ごせば、最悪殺されずに済むだろう。
その後は証拠を残して警察にでも突き出せばいい。
——分かっている。
全部、分かった上での選択だ。
おもちゃの様に扱われる事には慣れている。
どうせ自分は、男の欲望を満たす為の愛玩人形のようなものだから。
桜那はそんな投げやりな気持ちで、鍵の回る音を聞いていた。
部屋に入ると、宏章が慌ててエアコンをつけた。
桜那は無邪気に「おじゃましまーす」と言って、テーブルの前に腰を下ろす。
宏章が困惑と緊張でどうしていいか分からず立ち尽くしていると、桜那は笑顔で「座ったら?」と促した。宏章がすとんと正座をすると、桜那は「はい」と言って、財布を宏章の目の前に置いた。
「あの……、わざわざありがとうございます……」
宏章が緊張気味にお礼を言うと、桜那は含み笑いをしながら答えた。
「ここまで届けてあげたんだから、相応のお礼してもらわなきゃ割に合わないよね?」
宏章はお礼と聞いてドキッとした。
「その……、謝礼って事?」
「お金払ってくれるの?」
桜那が笑顔で尋ねる。
「もちろん!ここまで届けてくれたわけだし……」
宏章はパッと顔を上げた。
こういう場合、相場は多くて二割くらいだから、五万入ってたし……なんて頭の中で計算していると、桜那が「じゃあ十万もらおうかな」と、またしても笑顔で吹っ掛けてきた。
「十万!?」
宏章が声を上げて青ざめると、桜那はぷっと吹き出して大笑いした。
「冗談だよ。それじゃあ恐喝じゃない」
宏章はホッとして呟いた。
「あ……そっか、そうだよね……」
……バカだなこいつ、ちょろいな。
桜那はだんだん宏章を揶揄うのが面白くなっていた。酔いも回って気が大きくなっていたのもあり、どんどん調子づいてしまった。
「でも、何かしらお礼はしてもらいたいかな。私の言うこと、ひとつだけ何でも聞くとかさ」
「何でもって、例えば?」
宏章が怪訝そうな顔で尋ねる。
「それは今から考えるよ、とりあえず一緒に飲も!お酒とか無いの?」
桜那が答えると、宏章は戸惑いながらも冷蔵庫から買い置きしていたビールを差し出した。
桜那はビールを開けて勢いよくグビグビと飲み干した。缶を叩きつけるようにテーブルに置き、グシャっと音を立てて握り潰すと、日頃の鬱憤を宏章に向けてまくし立てた。
「今日もまた絡まれちゃったよ!あいつら私の事AV女優だからって、すぐヤれると思ってるんだよねー。失礼な奴ばっかだよ。あいつらだけじゃない。男なんて金と権力さえあれば、女はすぐ思い通りになるとか思ってるんだよね。ましてやAV女優なんて、性欲の捌け口の道具で、何してもいいって思ってるんだよ。私の事、同じ人間だなんて思ってないんだよ!」
桜那は眉間に皺を寄せ、険しい表情で悪態をついた。
宏章はすぐに、駿の取り巻き達の事だろうと察した。
何も言えず、まるで自分が責められているかのように、肩を落とす。
桜那はてっきり宏章が「そうだね、大変だよね」なんて、あたかも自分は違うとばかりに分かったふりして下心を丸出しにしながら、ここぞとばかりにセックスまで持ち込もうとするだろうと思っていた。予想外の反応に、すっかり調子が狂ってしまった。
……なんなの、こいつ。
桜那は宏章の反応にだんだんと苛立ちを覚えていた。
まるで自分がいじめっ子の様に思えてきて、無性に腹立たしくなったのだ。絶対に自分に反抗してこないのを分かっていて、相手の尊厳を傷つける卑怯者の様に。
……今まで私を都合よく利用しようとしたり、雑に扱ってきた連中とこれじゃ同じじゃない!
このやり場のない苛立ちに悶々としていると、ふとテレビの脇に自分のビデオが積まれているのに気づいた。
「それ……」
桜那がビデオに視線を向けると、宏章は途端に顔を真っ赤にして焦り出した。
……しまった!片付けるの忘れてた!
宏章は慌てふためきながら「あの……、これはその……」と、しどろもどろに言い訳を考えていた。
「別に隠す事ないじゃない、私のファンなんでしょ?」
桜那に笑みを向けられて、宏章は顔を赤らめながら、はい……と素直に返事をした。
「私の作品、どれが一番好き?」
桜那が唐突に尋ねた。
宏章は戸惑いながらもしばし考えて、「どれも好きだけど、強いて言うならMelty Pinkかな?」と答えた。
「へぇ……、あの作品のどこが良かった?」
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