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序章 アンジェラス1は、世界を救う
8話 魔法剣士と聖女と魔薬
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勇者がエルと仲良く暮らしている一方で、人間達の方はといえばーーー
「聖女様、コレ!」
特に何も変わらず、平和な日常が続いていた。
行意不明になった勇者を、心配する民は誰一人として居ない。
その代わりという様に、魔法剣士と聖女の評判は、うなぎ上がりだった。
「綺麗ですわ、ありがとうございます。」
「はい!」
綺麗な花を渡す子供に、綺麗な笑みを浮かべて受け取る聖女リアナ。
「リアナ、不用意に物は受け取るな。」
誰のプレゼントでも受け取ろうとする聖女を咎める魔法剣士のカイト。
2人は美男美女で、一国の皇子と皇女ということもあり、婚約話まで上がっている。
「ですが、純粋なプレゼントですもの。」
「毒が入っていたらどうするのだ。」
「もうっ、神経質すぎますわっ!」
「勇者がいない今、守れるのは俺達だけなんだぞ。」
「それは、そうですが………」
リアナとカイトは、仲間として勇者アレクのことを心から心配している。
怠惰で怠け者の勇者だが、悪い人ではないのだ。
実力だって、確かにあった。
「俺たちは、魔王退治に備えなければならない。不用意な真似をするな。」
きつい言葉を言っているが、それもこれも全て仲間の為という事をリアナも分かっている。
彼なりに、仲間を思っているのだ。
巷で結婚話が出ていても、この2人が結婚する事はない。
警戒心が強く、近づき難い雰囲気のあるカイトと、警戒心が薄く考えたらずな聖女が今まで旅を共にできたのは、勇者というダメな存在がすぐ近くに居て、ぶつかり合う暇がなかったからだ。
そんな勇者がいない今、気の張り詰める様になった2人の関係はギスギスで、いかに彼の存在が大きかったのか互いに身に染みて感じている。
旅をしている最中に、怪訝な雰囲気になるといつも勇者が何か、だらしない事をして居たが、そうして居たのは全て自分達のためでは無いかと、今更ながらに気づく。
でも、もう何処に居るかも分からない勇者に会う事は敵わず、時間が経てば経つほど必要最低限近づくことも無くなってしまう。
魔王を倒すなんて、到底敵わない。
勇者と肩を並べる程の力も持ち合わせて居ない。
無い無い尽くしの、神から選ばれた付き人は勇者よりも役立たずだった。
「キャッ!」
「まだまだですぞ、皇女様。」
宮廷魔法使いと手合わせを毎日しているが、全く成果が出ない。
それは、カイトの方も同じで勇者が去ってから、何も上手くいかなくなった。
周りの者たちは、成長していると褒めてくれるが、このままではダメだという事は、分かっている。
どうにかして、強くならなければ。
「強く、ならないといけません……」
だから、聖女は手を染めた。
「俺は、足手まといじゃない。」
魔法剣士も、手を染めた。
「「世界を、守る為に。」」
((勇者のそばにいられる様に))
禁制の魔薬ーーーアキシトリ。
それは、一時的に魔力や筋力を激的に成長させ、膨大な力を得る魔薬。
魔族の領域で作られた、恐ろしいもの。
人間が使えば、副作用として体の内側から機能が停止していく。
一度使ってしまえば、死ぬほど苦しく辛い日々が待っている。
だが、それでもカイトとリアナは強くなりたかった。また、勇者に会いたかった。
紫の禍々しい雰囲気を放つ瓶を、無理やり開けて2人で一気に飲み干す。
その途端に、膨大な力が体の中に入ってくるのを感じた。
そしてーーー
「う、ぁ……」
「いっ……」
カイトは、肺が。
リアナは片耳が。
機能しなくなってしまった事が、瞬時に分かった。
これから、徐々に体が蝕まれて最後は心臓が止まって死ぬ。
それまでに、勇者と共に魔王を倒さねば。
ーーそう2人は心に決めて、頷き合った。
「聖女様、コレ!」
特に何も変わらず、平和な日常が続いていた。
行意不明になった勇者を、心配する民は誰一人として居ない。
その代わりという様に、魔法剣士と聖女の評判は、うなぎ上がりだった。
「綺麗ですわ、ありがとうございます。」
「はい!」
綺麗な花を渡す子供に、綺麗な笑みを浮かべて受け取る聖女リアナ。
「リアナ、不用意に物は受け取るな。」
誰のプレゼントでも受け取ろうとする聖女を咎める魔法剣士のカイト。
2人は美男美女で、一国の皇子と皇女ということもあり、婚約話まで上がっている。
「ですが、純粋なプレゼントですもの。」
「毒が入っていたらどうするのだ。」
「もうっ、神経質すぎますわっ!」
「勇者がいない今、守れるのは俺達だけなんだぞ。」
「それは、そうですが………」
リアナとカイトは、仲間として勇者アレクのことを心から心配している。
怠惰で怠け者の勇者だが、悪い人ではないのだ。
実力だって、確かにあった。
「俺たちは、魔王退治に備えなければならない。不用意な真似をするな。」
きつい言葉を言っているが、それもこれも全て仲間の為という事をリアナも分かっている。
彼なりに、仲間を思っているのだ。
巷で結婚話が出ていても、この2人が結婚する事はない。
警戒心が強く、近づき難い雰囲気のあるカイトと、警戒心が薄く考えたらずな聖女が今まで旅を共にできたのは、勇者というダメな存在がすぐ近くに居て、ぶつかり合う暇がなかったからだ。
そんな勇者がいない今、気の張り詰める様になった2人の関係はギスギスで、いかに彼の存在が大きかったのか互いに身に染みて感じている。
旅をしている最中に、怪訝な雰囲気になるといつも勇者が何か、だらしない事をして居たが、そうして居たのは全て自分達のためでは無いかと、今更ながらに気づく。
でも、もう何処に居るかも分からない勇者に会う事は敵わず、時間が経てば経つほど必要最低限近づくことも無くなってしまう。
魔王を倒すなんて、到底敵わない。
勇者と肩を並べる程の力も持ち合わせて居ない。
無い無い尽くしの、神から選ばれた付き人は勇者よりも役立たずだった。
「キャッ!」
「まだまだですぞ、皇女様。」
宮廷魔法使いと手合わせを毎日しているが、全く成果が出ない。
それは、カイトの方も同じで勇者が去ってから、何も上手くいかなくなった。
周りの者たちは、成長していると褒めてくれるが、このままではダメだという事は、分かっている。
どうにかして、強くならなければ。
「強く、ならないといけません……」
だから、聖女は手を染めた。
「俺は、足手まといじゃない。」
魔法剣士も、手を染めた。
「「世界を、守る為に。」」
((勇者のそばにいられる様に))
禁制の魔薬ーーーアキシトリ。
それは、一時的に魔力や筋力を激的に成長させ、膨大な力を得る魔薬。
魔族の領域で作られた、恐ろしいもの。
人間が使えば、副作用として体の内側から機能が停止していく。
一度使ってしまえば、死ぬほど苦しく辛い日々が待っている。
だが、それでもカイトとリアナは強くなりたかった。また、勇者に会いたかった。
紫の禍々しい雰囲気を放つ瓶を、無理やり開けて2人で一気に飲み干す。
その途端に、膨大な力が体の中に入ってくるのを感じた。
そしてーーー
「う、ぁ……」
「いっ……」
カイトは、肺が。
リアナは片耳が。
機能しなくなってしまった事が、瞬時に分かった。
これから、徐々に体が蝕まれて最後は心臓が止まって死ぬ。
それまでに、勇者と共に魔王を倒さねば。
ーーそう2人は心に決めて、頷き合った。
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