転生令息の飴玉達

meimei

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「なんだあの人だかり?」

「ラフィーアス様あれは……奴隷販売ですね。時たま出張で売るんですよ」


 へぇ~


「ちょっと覗いてもいいか?」


「はい……ラフィーアス様には少しその……グレートが」

 ああ……確かにうちが行ってる奴隷商は高級奴隷商だからなぁ。


 人だかりの方に歩いていくと人が体育座りで入れるくらいの檻が何個も並べられていた。

 ん?耳が………

「おい」

「はい!!どの子が気になりますか??」


「あの耳はエルフか?」


「はい!!珍しいでしょ?長命ですしオススメですよ!!」

 髪の色はハニーゴールドで……
 瞳は………ピンクか!じぃぃっとつい見てしまう。


「ラフィーアス様……あのエルフが気になるなら買いますか?」


「ちょっと待って。なんか……あの表情見覚えが……」

 まさか……


「なぁ、君さ」

 ビクっと肩を震わせる奴隷……


「もしかしてだけど、バイオリン弾けたりする?」


「!?」

 この世界実はバイオリンはあるけど、名前はバイオリンではない。この世界のバイオリンの名前はバイオルンだ。


「あーー。その顔知ってるんだね。この子を買っていく」


「かしこまりましたラフィーアス様」

 メルが奴隷商にお金を支払い手続きも済ませた。


「君名前は?」


「ご主人様が……おつけ下さい」


「そんな震えなくても大丈夫だよ。名前かぁ……じゃぁカナートルね」


「!?」


「で愛称はカナね。さっ帰るよ」


「はい、カナ行きますよ」


「………ハイ」

 パッ



「お帰りなさいませ、ラフィーアス様……そちらは?」



「じぃ、この子はカナートルすぐに奴隷紋を解除してくれる?で分家かどこかに養子にしてこの子も婚約者にしてくれる?」


「か、かしこまりました」


「ご主人様………あの」


「ふふ、ちょっと部屋で話そう」ニコッ


「私は廊下で控えております」
 メル

「メル、レナード呼んでくれる?」


「レナード様ですね?かしこまりました」


 パタン


「ご主人様?」


「カナ、そこのソファーに座ってって。待った!!クリーン」
 カナをクリーン魔法で全身綺麗にしてまずはメイドに着替えさせて貰った。


 うん……綺麗になったね。


「あのさ、カナは奏音だろ?」

 カナが驚きで目を見開く


「なっ!?なぜその名を」


「なぜって」

 トントン


「ラフィーアス様入りますよ~」

 ガチャ



「あ、レナード」


「用ってなんです??ってそのエルフはどう……ん?」


「レナードも分かる?」


「奏音????その表情…にその仕草」


「!?二人とも誰なんですか!?」

 ついに……カナが大きな瞳から涙をボロボロと流した。
 うん……奴隷にされて……檻に入れられてその上いきなり前世の名前呼ばれたらそりゃ動揺するよね。


「僕の前世の名前は彗」


「私の前世は楽飛」


「ふぇ……彗様と……らっくんなの??」

「「そう」」


「ううううっ………」
ポロポロ ポロポロ


「なんでまた、奴隷に??」
ラフィー

「彗様の前世の恋人は今のところ全員貴族なのにな……」
レナード


「僕も……エルフの王族に生まれたのに……迷子になって。いつの間にか奴隷に……」
ポロポロ ポロポロ


「あーーー。相変わらずの方向音痴かぁ」


「奏音さぁ……王族なのに護衛は?」


「それが……いつの間にか護衛もいなくなってて…」
ポロポロ ポロポロ


「護衛がいなくなる?そんな事あるか?」
ラフィーアス

「それって……奴隷商人と組んでいたんじゃ……」

レナード



「そうなのかな?」
ポロポロ ポロポロ


「「はぁ……」」


「二人して……呆れないでよ」


「相変わらずだなと思って。とりあえずエルフの王には連絡入れるから……まずは奴隷から解放おめでとう」


「ありがとう……彗様」


「良かったなーカナ」


「うん」


「今日はゆっくり部屋を用意したから。沢山食事もとって寝るように」


「うん、ありがとう…」


「じゃ、レナード」
レナードとアイコンタクトを取るとレナードが頷いた。

「分かった。カナ行くぞ」


「あ、うん!」

パタパタ パタパタ

パタン


しかし……その護衛許せないなぁ……見つけてどうしてくれようかな。
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