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4.じいじ、詐欺に遭う
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わしは手を引かれながら連れられていく。
この世界では交番はなく、ギルドがその役目を行っていた。
この辺の設定も、漫画やアニメで人気の異世界ってやつをモチーフにしているのだろう。
ギルドの前に来ると、ハルキは立ち止まった。
「じいじ、迷子になったらダメだよ?」
「あっ……うん」
これはハルキの中で、わしが認知症だと認識されているのだろう。
それでもハルキが一生懸命手を繋いで、わしを案内してくれるから、黙って様子をみておこう。
「ほぉー、今と昔もそこまで変わらないんだな」
ギルドは木造建築で、建物の中は近未来感はなく、見慣れた景色が広がっている。
まるでハンターになって、恐竜を倒すゲームにそっくりだ。
「おっ、新入りか?」
「じいじが落とし物を拾ったので、届けにきました」
恰幅が良い男に声をかけると、ハルキは男の元へ駆け寄っていく。
そんなハルキをわしはギュッと抱きしめる。
「知らない人に付いて行ったらダメだぞ!」
「はっ!?」
わしに言われてハルキは気づいたのだろう。
いくらゲームの世界でも、誘拐事件がないわけでもないしな。
「ははは、子どもにしっかり教えるのは大事だからな」
自分が警戒されているのにも関わらず、男は嫌な顔せず笑っている。
きっとこの人は良い人なんだろう。
普通であれば急に警戒されたら、誰だって嫌な思いをするからな。
「勝手なことを言って申し訳ない」
「ははは、そんなことは気にするな!」
わしは男に謝罪すると、男はバシバシと肩を叩く。
地味にHP減っているような気がするが、表は笑顔だが、内心は怒っているのかもしれない。
昔に比べてNPCが、本当に生きているような感覚がする。
「それで落とし物を持ってきたんだってな?」
「うん! じいじが自分のものにしようとしてたから、ちゃんと届けないといけないって連れてきたの!」
「ほぉ、そうか」
男はハルキを優しく撫でて褒めるが、わしと目が合うと、ギロリと睨んだ。
わしはすぐに落とし物をテーブルの上に置いていく。
「大人は子どもの良いお手本じゃないといけないからな」
見えないナイフがグサグサと刺さる。
ああ、この世界は思ったよりも現実世界に近いのだろう。
「ただ、お金に関しては持ち主がわからないからな」
「そうなんですね……」
せっかく持ってきたのに、落とした本人は届かないらしい。
わしは内心ガッツポーズをするが、そんなことをしたら、ハルキに嫌われるからな。
「道具に関してはあそこに探している人がいるかもしれないから探すといい」
男は掲示板のようなところを指さしていた。
いまだにわざわざ掲示板を確認するシステムが残っているらしい。
「ありがとうございます」
わしはハルキと掲示板を確認する。
「あっ、これじいじが拾ったやつだよね?」
「んー、たしかに同じだな」
拾ったアイテムと掲示板に貼り出されているものを見比べる。
【クエスト】
内容 ちいさなメダルを探せ
詳細 孫が大事にしている記念メダルを落とした。見つけ次第届けてくれ。
報酬 1000G+選択アイテム一つ
「この依頼を持ってきたら受注することができるからな」
「うぉ!?」
後ろから男が様子を窺っていた。
どうやらちゃんと依頼が受けられるか気になったのだろう。
わしらって傍から見たら、祖父と孫だから危なっかしいようだ。
それにしても〝ちいさなメダル〟って某ゲームを思い出すな。
わしらは言われた通りに依頼書を持っていく。
ただ、ここで問題が発生した。
「メダルが一枚しかないな」
わしが拾ったのは一枚のメダルだった。
「じいじが拾ったから、じいじが受けていいよ」
それに気づいたのか、ハルキはわしにクエストを譲ってきた。
だが、チラチラと見る視線が、ハルキがどうしたいのか物語っている。
「じいじはハルキのお願いごとを聞かないと弱くなっちゃうからな」
システムが発動しないということは、ハルキのお願いごとをは一つまでなんだろう。
だが、孫のお願いごとを叶えるのは祖父の役目だからな。
「えっ、いいの!」
ハルキは嬉しそうに男にクエストとメダルを渡した。
「あっ、そういえば、ギルドにも登録していなかったな。登録しないとクエストを受けられないから、登録しておくぞ」
ニヤニヤした顔で男はギルドの手付きを始める。
ゲームの中でギルドと言ったら、いくつも種類があるだろう。
だが、考える時間もなくギルドの手続きが済んでしまった。
あれだけ詐欺には気をつけろって娘に言われていたのにな。
ハルキのワクワクした顔を見ていると、途中で止められるわけない。
報酬と同時にわしらは冒険者となった。
この世界では交番はなく、ギルドがその役目を行っていた。
この辺の設定も、漫画やアニメで人気の異世界ってやつをモチーフにしているのだろう。
ギルドの前に来ると、ハルキは立ち止まった。
「じいじ、迷子になったらダメだよ?」
「あっ……うん」
これはハルキの中で、わしが認知症だと認識されているのだろう。
それでもハルキが一生懸命手を繋いで、わしを案内してくれるから、黙って様子をみておこう。
「ほぉー、今と昔もそこまで変わらないんだな」
ギルドは木造建築で、建物の中は近未来感はなく、見慣れた景色が広がっている。
まるでハンターになって、恐竜を倒すゲームにそっくりだ。
「おっ、新入りか?」
「じいじが落とし物を拾ったので、届けにきました」
恰幅が良い男に声をかけると、ハルキは男の元へ駆け寄っていく。
そんなハルキをわしはギュッと抱きしめる。
「知らない人に付いて行ったらダメだぞ!」
「はっ!?」
わしに言われてハルキは気づいたのだろう。
いくらゲームの世界でも、誘拐事件がないわけでもないしな。
「ははは、子どもにしっかり教えるのは大事だからな」
自分が警戒されているのにも関わらず、男は嫌な顔せず笑っている。
きっとこの人は良い人なんだろう。
普通であれば急に警戒されたら、誰だって嫌な思いをするからな。
「勝手なことを言って申し訳ない」
「ははは、そんなことは気にするな!」
わしは男に謝罪すると、男はバシバシと肩を叩く。
地味にHP減っているような気がするが、表は笑顔だが、内心は怒っているのかもしれない。
昔に比べてNPCが、本当に生きているような感覚がする。
「それで落とし物を持ってきたんだってな?」
「うん! じいじが自分のものにしようとしてたから、ちゃんと届けないといけないって連れてきたの!」
「ほぉ、そうか」
男はハルキを優しく撫でて褒めるが、わしと目が合うと、ギロリと睨んだ。
わしはすぐに落とし物をテーブルの上に置いていく。
「大人は子どもの良いお手本じゃないといけないからな」
見えないナイフがグサグサと刺さる。
ああ、この世界は思ったよりも現実世界に近いのだろう。
「ただ、お金に関しては持ち主がわからないからな」
「そうなんですね……」
せっかく持ってきたのに、落とした本人は届かないらしい。
わしは内心ガッツポーズをするが、そんなことをしたら、ハルキに嫌われるからな。
「道具に関してはあそこに探している人がいるかもしれないから探すといい」
男は掲示板のようなところを指さしていた。
いまだにわざわざ掲示板を確認するシステムが残っているらしい。
「ありがとうございます」
わしはハルキと掲示板を確認する。
「あっ、これじいじが拾ったやつだよね?」
「んー、たしかに同じだな」
拾ったアイテムと掲示板に貼り出されているものを見比べる。
【クエスト】
内容 ちいさなメダルを探せ
詳細 孫が大事にしている記念メダルを落とした。見つけ次第届けてくれ。
報酬 1000G+選択アイテム一つ
「この依頼を持ってきたら受注することができるからな」
「うぉ!?」
後ろから男が様子を窺っていた。
どうやらちゃんと依頼が受けられるか気になったのだろう。
わしらって傍から見たら、祖父と孫だから危なっかしいようだ。
それにしても〝ちいさなメダル〟って某ゲームを思い出すな。
わしらは言われた通りに依頼書を持っていく。
ただ、ここで問題が発生した。
「メダルが一枚しかないな」
わしが拾ったのは一枚のメダルだった。
「じいじが拾ったから、じいじが受けていいよ」
それに気づいたのか、ハルキはわしにクエストを譲ってきた。
だが、チラチラと見る視線が、ハルキがどうしたいのか物語っている。
「じいじはハルキのお願いごとを聞かないと弱くなっちゃうからな」
システムが発動しないということは、ハルキのお願いごとをは一つまでなんだろう。
だが、孫のお願いごとを叶えるのは祖父の役目だからな。
「えっ、いいの!」
ハルキは嬉しそうに男にクエストとメダルを渡した。
「あっ、そういえば、ギルドにも登録していなかったな。登録しないとクエストを受けられないから、登録しておくぞ」
ニヤニヤした顔で男はギルドの手付きを始める。
ゲームの中でギルドと言ったら、いくつも種類があるだろう。
だが、考える時間もなくギルドの手続きが済んでしまった。
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ハルキのワクワクした顔を見ていると、途中で止められるわけない。
報酬と同時にわしらは冒険者となった。
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