27 / 281
第一章 外れスキル
27.魔物
しおりを挟む
「アオーン!!」
少し走ると遠吠えが聞こえていた。そこまで俺は必死に走ると目の前には少女を囲むように緑の少年が囲んでいた。
少女は傷だらけではあったものの怯えるようにしゃがみ込んでいた。
「あやつが魔物じゃ! あいつらは知能は低いが力は強いから気をつけるのじゃ」
どうやらファンタジーの代表であるゴブリンだと見た瞬間に感じた!
だって少女を見る顔が頬が緩みきった変態なやつにそっくりだ。
「アオーン!!」
ボスが雄叫びをあげるとゴブリン達は狼の方に意識が向いた。
すると標的を狼に変えたのかこっちに向かってきた。その瞬間ゴブリン達に狼が噛みついた。
「今のうちにあの子を引っ張って来るんじゃ」
俺はコロポに言われた通りに少女の元へ駆け寄ると、少女は恐怖のあまり意識を失っていた。
「ゲッゲゲゲ!」
音がする方に目を向けると狼から逃げ出したゴブリンが俺の目の前に来ていた。
咄嗟に俺は腰につけていた剣帯から短剣を取り出してゴブリンに向けた。
「やらなきゃ殺される」
俺は自分に言い聞かせた。だが前世も現世でも刃物を向けたことはなかった。そのため俺の手は震えていた。
「ガゥ! 」
ボスがそれに気づき走ってきた。ボスは大きく飛びこむとゴブリンに向かって大きく口を開けた。
「ゲフ?」
ゴブリンはそれに気づき振り向いた。しかし、足元が不安定だったのか咄嗟に避けたゴブリンはそのままふらつき俺の元へ倒れていった。
「えっ?」
いつのまにか俺の持っていた短剣がゴブリンの腹に刺さり、次第に俺の手はゴブリンの血で染まっていた。
血でひんやりしているのにどこか体が熱く感じた。
「やぁ……はぁ……はぁ……」
俺は初めて何かを刺した感覚に息苦しさと吐き気に襲われていた。
「ケント落ち着くのじゃ!」
そんな俺をコロポが落ち着かせようと声をかけているがまだ息苦しかった。
次第に周囲の音は収まりボスを中心に狼達が俺の元へ駆け寄り体を擦りつけていた。
「はぁ……はぁ……みんなありがとう」
俺はボスの体を自身の身体を預けると次第に落ち着きだし吐き気は治まった。
「クゥーン?」
「はは、心配かけてごめんね」
「ガゥ!」
「あはは、ボス怪我は?」
俺は周りを見渡すと倒れたゴブリンの近くにも血だらけで倒れた狼が数匹いた。
「おい、大丈夫か!?」
俺は狼近寄るがわずかに息をしているだけでゴブリンと戦ってできた傷口は深かった。
「魔物と戦ってこれだけで済んでまだ良かったのじゃ」
「でも……」
「早くここを離れないとまた次に魔物が来るのじゃ」
他の気配を感じたボスは俺の服を噛み引っ張ろうとしていた。
「せめて最後だけでも……。痛かったよね、僕のためにありがとう」
俺は自然に涙が出ていた。優しく傷口付近を撫でていると傷口付近が光輝き、皮膚が少しずつ動きだしていた。
「えっ……」
皮膚が少しずつ盛り上がっていくと傷口は完全に塞がりかさぶたのようになっていた。
それに気づいた俺は倒れていた狼の元へ駆け寄り優しく撫でるとどの狼も傷が塞がっていった。
「ケント早くするのじゃ」
「ボス、あの子と仲間の子達を連れてって!」
「ガウ!」
ボスが少女を体の上に乗せると他の仲間達もマネして倒れた狼を自身の体の上に乗せた。
そこから俺は無我夢中で走ったためいつのまにか川に着いていた。
「はぁ……はぁ……」
「ケントいい加減にしろ! 今回は無事で済んだが血の匂いにつられて他の魔物が来てたらどうするんじゃ」
コロポは何時に無く険しい顔で俺を怒っていた。
「ごめん。でもみんなを見捨てられなかった」
俺のために命まで必死にかけた狼達を見殺しにすることは俺には出来なかった。
血を見た瞬間に檻の中で何もできずにただ自分の体を抱えて血を眺めることしかできなかったあの時みたいに……。
「それで魔物が来てみんなが死んでたらどうするんじゃ!」
「ごめんなさい」
俺もコロポが言いたいことは理解していた。だから心配してくれたコロポに謝ることしかできなかった。
「分かればいいのじゃ。わしも言い過ぎたが命を粗末にしちゃあかんのじゃ。みんながケントとあやつを守るために戦ったのを無下にはしちゃあかんぞ」
「はい」
「じゃあ、帰って……この少女をどうするんだ?」
コロポはボスの上に乗っていた少女を見てどうしよう迷っていた。
確かに俺が運ぶにはまだ体が小さな俺では背負っていけないし、放置するわけにも出来なかった。
「このまま運んでもいいのか?」
「ガゥ! ガゥ!」
「だがボスが町に行ったら狙われるだけじゃ」
ボスは気にしていない様子だったが絶対町が見えた瞬間に他の人達に狙われるだろう。
「そこは説得してみる! ボスには何もしないようにする!」
「ケントが言うならそうするのじゃ。危険と感じたらそこのやつを放り投げてでも逃げるのじゃ!」
「ガゥ!」
こうして俺達は少女を乗せた狼ボスとともにエッセン町に帰るのだった。
少し走ると遠吠えが聞こえていた。そこまで俺は必死に走ると目の前には少女を囲むように緑の少年が囲んでいた。
少女は傷だらけではあったものの怯えるようにしゃがみ込んでいた。
「あやつが魔物じゃ! あいつらは知能は低いが力は強いから気をつけるのじゃ」
どうやらファンタジーの代表であるゴブリンだと見た瞬間に感じた!
だって少女を見る顔が頬が緩みきった変態なやつにそっくりだ。
「アオーン!!」
ボスが雄叫びをあげるとゴブリン達は狼の方に意識が向いた。
すると標的を狼に変えたのかこっちに向かってきた。その瞬間ゴブリン達に狼が噛みついた。
「今のうちにあの子を引っ張って来るんじゃ」
俺はコロポに言われた通りに少女の元へ駆け寄ると、少女は恐怖のあまり意識を失っていた。
「ゲッゲゲゲ!」
音がする方に目を向けると狼から逃げ出したゴブリンが俺の目の前に来ていた。
咄嗟に俺は腰につけていた剣帯から短剣を取り出してゴブリンに向けた。
「やらなきゃ殺される」
俺は自分に言い聞かせた。だが前世も現世でも刃物を向けたことはなかった。そのため俺の手は震えていた。
「ガゥ! 」
ボスがそれに気づき走ってきた。ボスは大きく飛びこむとゴブリンに向かって大きく口を開けた。
「ゲフ?」
ゴブリンはそれに気づき振り向いた。しかし、足元が不安定だったのか咄嗟に避けたゴブリンはそのままふらつき俺の元へ倒れていった。
「えっ?」
いつのまにか俺の持っていた短剣がゴブリンの腹に刺さり、次第に俺の手はゴブリンの血で染まっていた。
血でひんやりしているのにどこか体が熱く感じた。
「やぁ……はぁ……はぁ……」
俺は初めて何かを刺した感覚に息苦しさと吐き気に襲われていた。
「ケント落ち着くのじゃ!」
そんな俺をコロポが落ち着かせようと声をかけているがまだ息苦しかった。
次第に周囲の音は収まりボスを中心に狼達が俺の元へ駆け寄り体を擦りつけていた。
「はぁ……はぁ……みんなありがとう」
俺はボスの体を自身の身体を預けると次第に落ち着きだし吐き気は治まった。
「クゥーン?」
「はは、心配かけてごめんね」
「ガゥ!」
「あはは、ボス怪我は?」
俺は周りを見渡すと倒れたゴブリンの近くにも血だらけで倒れた狼が数匹いた。
「おい、大丈夫か!?」
俺は狼近寄るがわずかに息をしているだけでゴブリンと戦ってできた傷口は深かった。
「魔物と戦ってこれだけで済んでまだ良かったのじゃ」
「でも……」
「早くここを離れないとまた次に魔物が来るのじゃ」
他の気配を感じたボスは俺の服を噛み引っ張ろうとしていた。
「せめて最後だけでも……。痛かったよね、僕のためにありがとう」
俺は自然に涙が出ていた。優しく傷口付近を撫でていると傷口付近が光輝き、皮膚が少しずつ動きだしていた。
「えっ……」
皮膚が少しずつ盛り上がっていくと傷口は完全に塞がりかさぶたのようになっていた。
それに気づいた俺は倒れていた狼の元へ駆け寄り優しく撫でるとどの狼も傷が塞がっていった。
「ケント早くするのじゃ」
「ボス、あの子と仲間の子達を連れてって!」
「ガウ!」
ボスが少女を体の上に乗せると他の仲間達もマネして倒れた狼を自身の体の上に乗せた。
そこから俺は無我夢中で走ったためいつのまにか川に着いていた。
「はぁ……はぁ……」
「ケントいい加減にしろ! 今回は無事で済んだが血の匂いにつられて他の魔物が来てたらどうするんじゃ」
コロポは何時に無く険しい顔で俺を怒っていた。
「ごめん。でもみんなを見捨てられなかった」
俺のために命まで必死にかけた狼達を見殺しにすることは俺には出来なかった。
血を見た瞬間に檻の中で何もできずにただ自分の体を抱えて血を眺めることしかできなかったあの時みたいに……。
「それで魔物が来てみんなが死んでたらどうするんじゃ!」
「ごめんなさい」
俺もコロポが言いたいことは理解していた。だから心配してくれたコロポに謝ることしかできなかった。
「分かればいいのじゃ。わしも言い過ぎたが命を粗末にしちゃあかんのじゃ。みんながケントとあやつを守るために戦ったのを無下にはしちゃあかんぞ」
「はい」
「じゃあ、帰って……この少女をどうするんだ?」
コロポはボスの上に乗っていた少女を見てどうしよう迷っていた。
確かに俺が運ぶにはまだ体が小さな俺では背負っていけないし、放置するわけにも出来なかった。
「このまま運んでもいいのか?」
「ガゥ! ガゥ!」
「だがボスが町に行ったら狙われるだけじゃ」
ボスは気にしていない様子だったが絶対町が見えた瞬間に他の人達に狙われるだろう。
「そこは説得してみる! ボスには何もしないようにする!」
「ケントが言うならそうするのじゃ。危険と感じたらそこのやつを放り投げてでも逃げるのじゃ!」
「ガゥ!」
こうして俺達は少女を乗せた狼ボスとともにエッセン町に帰るのだった。
17
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
他人の寿命が視える俺は理を捻じ曲げる。学園一の美令嬢を助けたら凄く優遇されることに
千石
ファンタジー
【第17回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞】
魔法学園4年生のグレイ・ズーは平凡な平民であるが、『他人の寿命が視える』という他の人にはない特殊な能力を持っていた。
ある日、学園一の美令嬢とすれ違った時、グレイは彼女の余命が本日までということを知ってしまう。
グレイは自分の特殊能力によって過去に周りから気味悪がられ、迫害されるということを経験していたためひたすら隠してきたのだが、
「・・・知ったからには黙っていられないよな」
と何とかしようと行動を開始する。
そのことが切っ掛けでグレイの生活が一変していくのであった。
他の投稿サイトでも掲載してます。
※表紙の絵はAIが生成したものであり、著作権に関する最終的な責任は負いかねます。
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる