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第一章 外れスキル
114.報告
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俺は王都に戻り冒険者ギルドの受付カウンターにいた。
「すみません、カタリーナさんに会えませんか?」
「ご用件は何でしょうか?」
「えーっと……ちょっと言えないんですが」
「ご用件を聞かない限りはギルドマスターにお繋ぎすることはできません」
受付嬢にギルドマスターであるカタリーナに会うために声をかけるが、会う理由を話さない限りは会えないと断られてしまった。
流石に口止めされていることを受付嬢に話してもいいのだろうか。流石にこの俺でも言っていいのかダメなのかはわかる。
「だから言えないんだってば……」
「言えないほどやましいものであれば諦めてください。ただでさえ忙しいしギルドマスターが好きだからって……」
「えっ?」
受付嬢の一言に俺は戸惑った。
「最近多いのよ。若い冒険者でギルドマスターが好みなのか、取り入ろうとしてなのかはわからないけど……」
以前俺達がギルドマスターの部屋に呼ばれているのを見た若い冒険者が何かしらの恩恵を受けているのではないかと思う者がいたらしい。
「いえ、僕は幼女趣味もないですしカタリーナさんよりはお姉さんのが好みですけど……」
俺はその先を言うのをやめた。
「あら、嬉しいわね。私もなんでペチャパイで小さい女の子が人気なのかわからないわ。そんなに幼女がいいのかしら」
「あのー」
俺は受付嬢の後ろに指を差した。
「やっぱり魅力的な女性は胸とお尻だわよね。それにしても後ろへ指をさして……ギルマス!」
受付嬢の後ろには小さな胸を張ってるギルドマスターが立っていた。
「ほぉ……誰がペチャパイだと? 減給されたいのかい?」
「いえ、私は仕事に戻ります」
受付嬢は少し席を外しどこかへ行ってしまった。
「それでケントはどうしたんだ?」
「少し部屋を変えてもらってもいいですか?」
「やっぱりお主も私目当て――」
カタリーナは自身の体を抱きしめて左右にウネウネとしていた。
「あっ、範囲外なので大丈夫です」
カタリーナのような幼女に興味はない。
「なぬ……」
自身から話を振っていたのにカタリーナは落ち込んでいた。
どうやらコロポと同様に妖精や精霊は感情的なのだろうか。
♢
ギルドマスターの後をついて部屋に入るとソファーに腰掛けた。
「それで要件はなんじゃ? 何かあの件であったのか?」
「実は……」
俺は妖精の池で拾った強制進化の首輪に似た物を異次元医療鞄から取り出した。
「すぐに片付けるのじゃ!」
突然のカタリーナ大声に俺は驚いた。
「あれはどこで手に入れたのじゃ?」
俺は森に遊びに行ってからのことをカタリーナに説明した。
「妖精達が直接話しかけてくるとはさすがケントじゃな。それでその首輪はケントから見ても前の物とは同じだと思うか?」
「一緒だとは思いますが妖精やコロポが言うには魔力がたくさん溢れているそうなので、まだ未使用なのだと思います」
「それはどういうことじゃ?」
「まずこの首輪には魔力があるのと魔物が一匹も近づけない環境だったからこそ未使用だと考えられます。強制進化の首輪は周囲の魔素を吸収し、つけることで急激に対象者の魔力の器を広げて進化しているのだと思います」
「でも何故そう思ったのじゃ?」
魔力の器を広げると言ってもカタリーナは否定しなかった。やはり妖精や精霊達の中では当たり前なんだろうか。
「スライム達が首輪を求めて集まってたからです。動物はあまり気にならなかったそうですが、魔物達は自然と引きずられていたので何かあると思ったんです」
動物と魔物との違いは何か。それは魔力を持つものか持たないものかとの差だ。
狼であるボスは魔力を持たないため動物だが、魔物であるフォレストウルフなどは魔力を持っているため魔物としての扱いになっている。
「だから魔物が本能で魔力を求めて首輪に近づくのは当たり前だと考えました。魔素を吸収して進化するのは魔物では当たり前のことなんですよね?」
魔物が進化する理由は一般的に知られてはいないが、きっと魔素と関係していると俺は思っている。
ただこの首輪が魔素を吸収して魔力を高めているということは、この首輪自体が魔力の器のような効果を持っている。
「基本的に魔物が生息しているところも魔素があるところって言いますし……」
エッセン町近くの森で初めてゴブリンを見た時も森の奥深くの魔素が濃い場所だった。
「概ねケントが考えていることで間違えはないのじゃ。ただ人間にしては知りすぎなのじゃ」
「わしは何も言っていないぞ!」
カタリーナは胸ポケットにいるコロポを睨んでいるが、別にコロポから聞いたわけではない。
「まぁ、それはいいとして頼みがあるのじゃ」
「はい」
「その首輪をしばらくの間でいいから預かって貰えないか?」
「こんなやばいものを預かってても良いんですか?」
「今このギルド内に魔素を遮断する物がないのじゃ。だからそのまま置いておけば王都に魔物が集まってくるのじゃ」
カタリーナの話を聞き、俺は恐怖が襲ってきた。
もし、街中にこの首輪が大量に放置されるとどうなるのかと……。きっとすぐに魔物達に街は蹂躙されるだろう。
「では預かっておくのでまた何かあったら連絡ください」
異次元医療鞄の枠が一つ埋まるが、医療ポイントを使って一枠増やしていたため強制進化の首輪を預かることにした。
「すみません、カタリーナさんに会えませんか?」
「ご用件は何でしょうか?」
「えーっと……ちょっと言えないんですが」
「ご用件を聞かない限りはギルドマスターにお繋ぎすることはできません」
受付嬢にギルドマスターであるカタリーナに会うために声をかけるが、会う理由を話さない限りは会えないと断られてしまった。
流石に口止めされていることを受付嬢に話してもいいのだろうか。流石にこの俺でも言っていいのかダメなのかはわかる。
「だから言えないんだってば……」
「言えないほどやましいものであれば諦めてください。ただでさえ忙しいしギルドマスターが好きだからって……」
「えっ?」
受付嬢の一言に俺は戸惑った。
「最近多いのよ。若い冒険者でギルドマスターが好みなのか、取り入ろうとしてなのかはわからないけど……」
以前俺達がギルドマスターの部屋に呼ばれているのを見た若い冒険者が何かしらの恩恵を受けているのではないかと思う者がいたらしい。
「いえ、僕は幼女趣味もないですしカタリーナさんよりはお姉さんのが好みですけど……」
俺はその先を言うのをやめた。
「あら、嬉しいわね。私もなんでペチャパイで小さい女の子が人気なのかわからないわ。そんなに幼女がいいのかしら」
「あのー」
俺は受付嬢の後ろに指を差した。
「やっぱり魅力的な女性は胸とお尻だわよね。それにしても後ろへ指をさして……ギルマス!」
受付嬢の後ろには小さな胸を張ってるギルドマスターが立っていた。
「ほぉ……誰がペチャパイだと? 減給されたいのかい?」
「いえ、私は仕事に戻ります」
受付嬢は少し席を外しどこかへ行ってしまった。
「それでケントはどうしたんだ?」
「少し部屋を変えてもらってもいいですか?」
「やっぱりお主も私目当て――」
カタリーナは自身の体を抱きしめて左右にウネウネとしていた。
「あっ、範囲外なので大丈夫です」
カタリーナのような幼女に興味はない。
「なぬ……」
自身から話を振っていたのにカタリーナは落ち込んでいた。
どうやらコロポと同様に妖精や精霊は感情的なのだろうか。
♢
ギルドマスターの後をついて部屋に入るとソファーに腰掛けた。
「それで要件はなんじゃ? 何かあの件であったのか?」
「実は……」
俺は妖精の池で拾った強制進化の首輪に似た物を異次元医療鞄から取り出した。
「すぐに片付けるのじゃ!」
突然のカタリーナ大声に俺は驚いた。
「あれはどこで手に入れたのじゃ?」
俺は森に遊びに行ってからのことをカタリーナに説明した。
「妖精達が直接話しかけてくるとはさすがケントじゃな。それでその首輪はケントから見ても前の物とは同じだと思うか?」
「一緒だとは思いますが妖精やコロポが言うには魔力がたくさん溢れているそうなので、まだ未使用なのだと思います」
「それはどういうことじゃ?」
「まずこの首輪には魔力があるのと魔物が一匹も近づけない環境だったからこそ未使用だと考えられます。強制進化の首輪は周囲の魔素を吸収し、つけることで急激に対象者の魔力の器を広げて進化しているのだと思います」
「でも何故そう思ったのじゃ?」
魔力の器を広げると言ってもカタリーナは否定しなかった。やはり妖精や精霊達の中では当たり前なんだろうか。
「スライム達が首輪を求めて集まってたからです。動物はあまり気にならなかったそうですが、魔物達は自然と引きずられていたので何かあると思ったんです」
動物と魔物との違いは何か。それは魔力を持つものか持たないものかとの差だ。
狼であるボスは魔力を持たないため動物だが、魔物であるフォレストウルフなどは魔力を持っているため魔物としての扱いになっている。
「だから魔物が本能で魔力を求めて首輪に近づくのは当たり前だと考えました。魔素を吸収して進化するのは魔物では当たり前のことなんですよね?」
魔物が進化する理由は一般的に知られてはいないが、きっと魔素と関係していると俺は思っている。
ただこの首輪が魔素を吸収して魔力を高めているということは、この首輪自体が魔力の器のような効果を持っている。
「基本的に魔物が生息しているところも魔素があるところって言いますし……」
エッセン町近くの森で初めてゴブリンを見た時も森の奥深くの魔素が濃い場所だった。
「概ねケントが考えていることで間違えはないのじゃ。ただ人間にしては知りすぎなのじゃ」
「わしは何も言っていないぞ!」
カタリーナは胸ポケットにいるコロポを睨んでいるが、別にコロポから聞いたわけではない。
「まぁ、それはいいとして頼みがあるのじゃ」
「はい」
「その首輪をしばらくの間でいいから預かって貰えないか?」
「こんなやばいものを預かってても良いんですか?」
「今このギルド内に魔素を遮断する物がないのじゃ。だからそのまま置いておけば王都に魔物が集まってくるのじゃ」
カタリーナの話を聞き、俺は恐怖が襲ってきた。
もし、街中にこの首輪が大量に放置されるとどうなるのかと……。きっとすぐに魔物達に街は蹂躙されるだろう。
「では預かっておくのでまた何かあったら連絡ください」
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