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第一章 外れスキル

212.ハワードの実力 【side:ハワード】

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 明らかに見た目が変わった魔物の出現にハワードは仲間に指示を出した。

「いますぐ散れ」

 地面から出てきたことを考慮し、ハワードは囲まれないように散るように指示を出した。

 それに反応した冒険者達はパーティー毎に散った。

「とりあえずこいつらはなんなんだ……」

 ハワードは周囲を警戒していると魔物達は地面を掘って中に入って行った。

「習性はアント種と変わらないか……ってことはこれでどうだ?」

 ハワードは魔物が隠れた穴に対して、水属性魔法で多量の水を流し込んだ。

――ゴォー!!

 その勢いは大きな滝のようなだ。

「ギュエエエエ!」

 水が流れる音ともに甲高い声が地面から響いてきた。

「おー、思った通りだな」

 魔物達は何かに追われるように違う穴から這いずって出てきていた。

 その姿は全身ずぶ濡れで、水捌けが悪いのか地面に体を押しつけて乾かそうとしていた。

「ハワードさーん! 凄いデカいやつが出てきました!」

 ハワードは他の冒険者に呼ばれ、顔を向けると大きな魔物に追われているリチアがいた。

「おおお、おい! こっちに来るなよ」

「だってこいつめちゃくちゃ硬くて、私の魔法が何も効かないんですよ」

 リチアの風属性魔法では、体に一部傷をつける程度で切り傷にもならなかった。

 怒った一際大きい魔物はこっちに向かって追いかけていた。

「だからこっちに……」

「もう無理です!」

 ハワードより足が早かったリチアはハワードを追い抜かしていた。

「くそ! タイダルウェイブ!」

 ハワードは津波と思わせるような水を多量に出現させると敵はすぐに向きを変え、地面を掘ってまた中に隠れた。

 リーダーに従ったのか、さっきまで地面に体を擦り付けていたやつらも地面の中に戻って行った。

「ありがとうございますー!」

 リチアはヘラヘラしながらハワードに謝っていた。 

「何か言ってから逃げろよ」

「だから後ろからデカイのが来てるって言ったじゃないですか」

「はぁー」

 ハワードがため息を吐いていると、リチアを追っていたリモンとカルロが遅れて走って来ていた。

「はぁはぁ、ハワードさんすみません」

「おい、リーダーこいつをどうにかしろよ」

「パーティーのじゃじゃ馬なのですみません」

「そうじゃないと冒険者なんてできないか」

 ハワードはリチアに諦めて、今後の作戦を近くにいる冒険者に伝えるように大声で話した。

「すぐに地属性魔法を使えるやつは穴を全て塞げ! 使えないやつは穴を埋めるだけでいい」

 ハワードの声に反応した冒険者達は、魔法が使えるものは魔法で、他のものは土を被せるように地面を埋めた。

 カルロは盾をスコップのように器用に使っている。

「よし、じゃあ離れろよ!」

 ハワードの合図とともに冒険者達はその場から離れるとハワードは呪文を唱えた。

「タイダルウェイブ!」

 一つだけ開いている地面に手をつけると、そこに水属性魔法を発動させた。

――ゴォー!

 勢いよく水を流すと、魔物達は地面から出ようと走るが、地面が埋まっているため、再度掘るしかなかった。

 そのため至るところから地面がポコポコと浮かび上がっていた。

「魔物達が出てきたら倒してくれ!」

 冒険者達が浮かび上がった地面の前で待機している中、ハワードは次の魔法を唱えた。

「フリーズ」

 ハワードの手から出ていた水は次第に凍っていき、地面の浮きはわずかとなった。

 ハワードは巣に急激に水を入れ凍らせたのだ。

「グェー!!」

 しかし、ハワードの近くにいたやつは死んでなかった。

 さっきまでリチアを追っていた魔物が飛び出してきたのだ。

 その姿は一部凍ってはいるが白くなっている程度だ。

「まだ生きていたか……ダイヤモンドダスト」

 急に冷気が吹き、魔物のリーダーを含め全ての魔物は凍り付いていた。

 その戦い方に他の冒険者達はその場で固まっていた。

「おい、お前らには魔法をかけたつもりはないぞ? おーい!」

 ハワードはリチアの顔の前で手を振るとすぐに気づいた。

「流石です!」
 
「おおお、おう!」

「ぜひ、私を弟子にしてください」

 リチアは思いっきり飛び上がるとそのままジャンピング土下座をしていた。

 その姿にハワードはあたふたするのだった。
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