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第一章 外れスキル

241.この感触って……

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 俺はとりあえずキンポヨが以前と変化がないか調べることにした。

「スキルで何か変わったことはあるか?」

 話しかけると分離体達は一斉に首を傾げた。

 一気に動くとどこか不気味さを感じる。

 キンポヨは何かを思い出したのか俺を手招きすると何かジェスチャーをしていた。

「お腹を殴れってことか?」

 分離体の一人がもう一人の分離体の腹を叩くジェスチャーをしていた。

 こういう時は確かに数が多いと良いのかもしれない。

「じゃあ、いくぞー!」

 俺は勢いよくキンポヨのお腹を叩いた。

 柔らかくなった保冷剤を叩くような感じで予想通りの柔らかさだった。

「これがどうしたんだ?」

 するともう一度叩けとジェスチャーをしていた。

 側から見れば人型の何かに喧嘩をしているような様子だろう。

「よし、もう一度……うおぉぉぉ!」

 もう一度叩くと感触が異なり、俺の手は腹に埋もれている。

 感覚的には片栗粉に水を入れた時に起こるダイラタンシー現状に似たような感触がしていた。

「ひょっとして硬さが変えられるのか?」

 俺の声にキンポヨは反応してさらに硬さを変えた。

 うん、手の感触がなんとも言えない状況だ。

「硬さが変えられと使い道はありそうだね」

「何か案ってある?」

「んー、どこまで硬くすることができるのかな?」

 キンポヨは少し考えると突然地面を叩いた。

「おっ……おい」

「はは、これは強そうだね」

 キンポヨの腕は地面に突き刺さり、地面が抉れていた。

「用心棒としても使えるってことか」

 これだけの攻撃力があり、人の言葉が分かれば人力としても使えそうだ。

「キンポヨだけで騎士団でも作れそうだね」

「へっ!?」

「いや、戦力としては十分あるなら人相手だと強そうだよね」

 ラルフの言葉に若干驚きながらも使い方としては間違っていないだろう。

 それこそ何かあった時に守ってくれる存在が家にいるだけで安全に生活できそうだ。

 ちょっとした警備会社みたいな……。

 ん?

「警備会社をとして働いて貰えば良いんじゃないか?」

「警備会社?」

「そうそう!」

 いや、警備会社と言ってもラルフには伝わらないだろう。

 言葉的にも元の世界の言葉だろうしな。

「例えば王都でも事件は起きているよね? 強盗とか殺人とか」

「あー、それは警備団の仕事だけどね」

「警備団ってなんだ?」

「えっ……一緒に住んでるロニーさんの仕事も知らないの?」

「えっ? 父さんって門番じゃないのか?」

「はぁー」

 ラルフはため息をついていた。門番は門番だと思っていたがどうやら異なるらしい。

「とりあえずロニーさんのところに行って話を聞いてこようか」

「わかった」

 俺はラルフに連れてかれるようにロニーが働く門に向かった。

 ついでにキンポヨも連れて行って何かアイデアをもらおう。

「あっ、キンポヨはなるべく見つからないようにね!」

 分離体は一斉に敬礼をした。
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