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第一章 外れスキル
273.ただ愛されたい人生 ※一部ロザリオ視点
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いつの間に私達の関係はこんな風になったのだろうか。あの当時は毎日が楽しく冒険者として活動していただけなのに……。
私のことを本当に愛する人を求めたのがいけなかったのだろうか。
「なぜあのタイミングで首輪をつけたのよ!」
「君まで私を否定するのかね?」
「そんなことは言っていないわ。でも、魔力があればあの子は必要ないじゃないの! 私の魔力ならいくらでもあげるわ」
パーティーに参加するために王都に来たが、マーベラスは体調を崩していた。
なぜこんなに弱っているのかはわからないが、私が魔力を与えることで彼はどうにか生きていると私は実感できた。
私はこれでもっと愛してもらえる。
私の願いは昔と変わらず今も同じだ。
そう思っていたのに……実際は違った。
「君には残念だよ。もうお前はいらない」
低く鳴り響く声に私の心は戸惑った。
いつもならありがとう、と優しく抱きしめてくれる彼はもうそこにはいなかった。
あの子がいたから私は必要なくなった。
今まで必死に彼に好かれようとしていたのに……。
殺したくもない人を一緒に殺さなければ公爵夫人になれなかった。
同じ冒険者メンバーを見捨てないと愛してくれる人の隣にはいられなかった。
全ては私を愛してくれる人と一緒にいるためだった。
「私のこと愛して――」
「私は君のことを愛しているよ。だからこれからも一緒に王都を破壊しようじゃないか!」
私が聞きたかったのはこの言葉だった。
彼の唇が額に触れた瞬間、首元から違和感と異様な音が聞こえた。
――カチャ
「これで君と一緒だね」
「ああああぁぁぁぁ!!!」
私の中から何かが抜けていくような気がした。
どうかこの思いだけは消えないで……。
私を愛してくれる人はあなたしかいないんだから……。
気づいた時には私の自我は消えていた。
♢
「おい、ケント大丈夫か?」
「私はただ愛して欲しかった……」
「おい、聞いてるか?」
俺はマルクスに揺さぶられていた。
うん、いくらぼーっとしていたからって揺さぶるにも限度がある。
「ちょ……それ以上は気持ち悪いです」
「ああ、すまない」
なぜか俺の中で生きている実感が湧いてきた。
あの時はあれだけ楽になりたいと思ったのに、こんな方法で元に戻れるなら早く揺さぶって欲しかった。
俺はいつのまにか倒れていたらしい。目の前では最強の四人が公爵と戦っていた。
それにしても今までの感情はなんだったんだろうか。
正気に戻った俺の目には、遠くで倒れている女性が目に入った。
目の前で倒れているあの女の感情が首輪を通して感じたのだろうか。
「おい、ケントどこにいくんだ?」
気づいた頃には俺は走り出していた。向かったのはあの忌々しい女のところだった。
「はぁ……こんな時に何しにきたのよ……」
小さく聞こえる声にまだ生きているのだとわかった。
「俺は特に用はない。ただ、この体の持ち主がお前に用があるからな」
今なら俺の中にいるあいつの必死の叫び声が聞こえる。
「そうね……私が全て悪かったわ……。クロスのことよね」
女の声に俺の中にいたあいつが呼び覚まされた。
「ならなぜクロスさんを殺したんだ!」
「私には愛する人が……必要だったの」
「クロスさんはずっとあなたを愛していた。あなたと公爵のせいで奴隷にされたことをわかっていた」
「ええ……だけど私には絶対に揺るがない愛が欲しかったのよ」
「それならクロ――」
「ただずっと愛してくれる人が欲しかった。子どものあなたにはまだわからないわ」
「大人の俺にもわからないな」
成人だった俺にもこの人の気持ちは理解できない。
「そうね……私にもあなたが何者かもわからないわ……ケトくん……いや、相澤健斗さんかしらね」
どうやら少し気を失った時に俺の記憶を覗いたのだろう。
「医療従事者は人を殺すことができないんだ」
「何を言っているのよ……私はもうすぐ……」
「お前にはクロスさんの分……いや、今までたくさんの人を傷つけた……犯した罪を償ってもらう!」
俺は女の首元に手を当てた。
「おい、ケント何しているんだ!」
ラルフ達が駆け寄る中、俺……いや、俺の中にいるケトはスキルを発動させた。
「異次元医療鞄!」
女の首元からはあの忌々しい首輪は消えた。
私のことを本当に愛する人を求めたのがいけなかったのだろうか。
「なぜあのタイミングで首輪をつけたのよ!」
「君まで私を否定するのかね?」
「そんなことは言っていないわ。でも、魔力があればあの子は必要ないじゃないの! 私の魔力ならいくらでもあげるわ」
パーティーに参加するために王都に来たが、マーベラスは体調を崩していた。
なぜこんなに弱っているのかはわからないが、私が魔力を与えることで彼はどうにか生きていると私は実感できた。
私はこれでもっと愛してもらえる。
私の願いは昔と変わらず今も同じだ。
そう思っていたのに……実際は違った。
「君には残念だよ。もうお前はいらない」
低く鳴り響く声に私の心は戸惑った。
いつもならありがとう、と優しく抱きしめてくれる彼はもうそこにはいなかった。
あの子がいたから私は必要なくなった。
今まで必死に彼に好かれようとしていたのに……。
殺したくもない人を一緒に殺さなければ公爵夫人になれなかった。
同じ冒険者メンバーを見捨てないと愛してくれる人の隣にはいられなかった。
全ては私を愛してくれる人と一緒にいるためだった。
「私のこと愛して――」
「私は君のことを愛しているよ。だからこれからも一緒に王都を破壊しようじゃないか!」
私が聞きたかったのはこの言葉だった。
彼の唇が額に触れた瞬間、首元から違和感と異様な音が聞こえた。
――カチャ
「これで君と一緒だね」
「ああああぁぁぁぁ!!!」
私の中から何かが抜けていくような気がした。
どうかこの思いだけは消えないで……。
私を愛してくれる人はあなたしかいないんだから……。
気づいた時には私の自我は消えていた。
♢
「おい、ケント大丈夫か?」
「私はただ愛して欲しかった……」
「おい、聞いてるか?」
俺はマルクスに揺さぶられていた。
うん、いくらぼーっとしていたからって揺さぶるにも限度がある。
「ちょ……それ以上は気持ち悪いです」
「ああ、すまない」
なぜか俺の中で生きている実感が湧いてきた。
あの時はあれだけ楽になりたいと思ったのに、こんな方法で元に戻れるなら早く揺さぶって欲しかった。
俺はいつのまにか倒れていたらしい。目の前では最強の四人が公爵と戦っていた。
それにしても今までの感情はなんだったんだろうか。
正気に戻った俺の目には、遠くで倒れている女性が目に入った。
目の前で倒れているあの女の感情が首輪を通して感じたのだろうか。
「おい、ケントどこにいくんだ?」
気づいた頃には俺は走り出していた。向かったのはあの忌々しい女のところだった。
「はぁ……こんな時に何しにきたのよ……」
小さく聞こえる声にまだ生きているのだとわかった。
「俺は特に用はない。ただ、この体の持ち主がお前に用があるからな」
今なら俺の中にいるあいつの必死の叫び声が聞こえる。
「そうね……私が全て悪かったわ……。クロスのことよね」
女の声に俺の中にいたあいつが呼び覚まされた。
「ならなぜクロスさんを殺したんだ!」
「私には愛する人が……必要だったの」
「クロスさんはずっとあなたを愛していた。あなたと公爵のせいで奴隷にされたことをわかっていた」
「ええ……だけど私には絶対に揺るがない愛が欲しかったのよ」
「それならクロ――」
「ただずっと愛してくれる人が欲しかった。子どものあなたにはまだわからないわ」
「大人の俺にもわからないな」
成人だった俺にもこの人の気持ちは理解できない。
「そうね……私にもあなたが何者かもわからないわ……ケトくん……いや、相澤健斗さんかしらね」
どうやら少し気を失った時に俺の記憶を覗いたのだろう。
「医療従事者は人を殺すことができないんだ」
「何を言っているのよ……私はもうすぐ……」
「お前にはクロスさんの分……いや、今までたくさんの人を傷つけた……犯した罪を償ってもらう!」
俺は女の首元に手を当てた。
「おい、ケント何しているんだ!」
ラルフ達が駆け寄る中、俺……いや、俺の中にいるケトはスキルを発動させた。
「異次元医療鞄!」
女の首元からはあの忌々しい首輪は消えた。
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