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15.筋肉令嬢、やっぱりトカゲさんです
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「トカゲさん、もう少し早く走れないのかしら?」
『ふぉふぉ、そこも気持ちいいぞ!』
私は自称アースドラゴンの上に跨り、背中をバシバシと叩く。
しっかりと痛みを感じにくいように、魔力を流しているのがいけないのか、心地良さそうな顔をしている。
「リリナー、早くしないとお母さんに怒られちゃう」
私がジャックを抱えた方が、早く着いただろうが、大量にアクアナッツを持っていたら、ジャックを抱えられないから仕方ない。
「ほらほら、トカゲさん頑張って!」
『ふぉふぉ!』
さっきよりも素早く叩くが、やはり自称アースドラゴンは心地良さそうにしていた。
魔力の使い方も考えないと、時には不便になってしまうわ。
――ピューン! バン!
セラフの方から何かを打ち上げる音が聞こえてきた。
その後も何か鐘のようなものが、ずっと鳴っているような気がする。
「ジャック、あれは何かわかる?」
「んー、僕にもわからないかな」
セラフに住んでいるジャックがわからないなら、私にわかるはずがない。
ただ、空に打ち上げられる火の玉が暗くなった空に目立って綺麗だ。
「これってお祭りかな?」
どこかの国で空に花が咲いたような火属性魔法を打ち上げる祝典がある。
もしかして、それはセラヴィア連邦王国のことだろうか。
近づいていくと、セラフの方から騒がしい声も聞こえてくる。
「町に着くのが楽しみね」
「何か……違うような気がするよ……」
祝典にワクワクしている私と違って、なぜかジャックは難しい顔をしていた。
そんなに考えてもお祝い事は楽しまないと損だわ。
それに――。
『ふぉふぉ、肩こりが治ってきたぞ』
自称アースドラゴンも祝典が気になるのか、スピードが上がってきた。
もうそろそろ町が見えてきたと思ったら、何かが目の前に現れた。
「おのれ……アースドラゴンめ!」
そこには剣を構えているガレスさんとアシュレイがいた。
祝典があることを聞いていなかったから、私が帰ってくるのを待っていたのだろうか。
「おーい、ガレスさーん! アシュレイー!」
私は自称アースドラゴンの背中から手を振って声をかける。
だが、二人とも私よりも跨っている自称アースドラゴンにしか目がいかないようだ。
「トカゲさん、ちょっと止まれるかしら?」
『ふぉ? 急には止まれないぞ?』
まさか自称アースドラゴンがスピード制御ができないトカゲだと思わなかった。
だから、そこまで速く走らなかったのかもしれない。
これは私の責任です……よね?
ジャックを見ると、怪しい目で私の方を見ていたわ。
私はジャックを抱えて、そのまま地面に飛び降りた。
「「リリナ!?」」
ガレスさんとアシュレイは驚いた顔をしていた。
いきなり空から飛んで出てきたらびっくりするわよね。
「トカゲさんが止まれないらしいので、少し離れてくださいね?」
「「はぁん!?」」
私は足を大きく広げて、手に力を入れて構える。
勢いがある状態から静止させるのって、中々難しいものね。
でも、私の拳があれば簡単だ。
「トカゲさん、いくよー!」
『ちょちょ、ちょっと待ったアアアアア!』
自称アースドラゴンは必死に足の動きを止めると、砂埃を撒き散らしながら速度を落としていく。
初めからできるなら、時間の効率も良いのに、なぜできないって言ったのかしら。
途中ヨタヨタとしながら、私の拳が顔に触れる寸前で止まった。
『しっ、死ぬかと思った……』
自称アースドラゴンはどこか大袈裟な性格のようね。
私だって本気で叩こうとはしていない。
一振りしたら、風で多少は減速できると思っただけだ。
それよりも――。
「祝典のためにお迎えに来てくれたんですか?」
「「んっ……ん!?」」
私は振り返って、ガレスさんとアシュレイに話しかけるが、明らかに二人の表情は私が思っているものとは違った。
どこか戸惑いを隠せないような、信じられないものを見た驚きと、ついには呆れを浮かべた複雑なものだ。
それに視線は私よりも自称アースドラゴンに向いている。
これは自己紹介しろってやつだろうか。
「こちら自称アースドラゴンのトカゲさんです」
『あっ、どもども』
私がアースドラゴンの名を出すとガレスさんとアシュレイは警戒を強めた。
やはりあいさつの仕方が悪かったのだろうか。
「トカゲさん、礼儀ができていないって思われてますよ!」
『そんなことは知らん。わしはトカゲさんだからな』
初めて会った時は高貴なアースドラゴンとか言っていたのに、今はトカゲと言って、怒られるのを逃げる気だろう。
「リリナ、本当にアースドラゴンなのか……?」
ガレスさんは恐る恐る私に聞いてきた。
「本人もトカゲと認めたので、トカゲです」
今さっき、本人もトカゲと言っていたから、トカゲで問題ないだろう。
「そうか……トカゲか……」
「いやいや、ガレスさん! あれはどこからどう見てもアースドラゴンです!」
ガレスさんはトカゲと認めたのに、アシュレイは未だに認めないようだ。
そうやって決めつけるのは良くないって学ばなかったのかしら。
「アシュレイ、決めつけは良くないです。トカゲさんは自ら、トカゲと名乗ったんです」
「いや、あの勇ましい顔を……いや、腑抜けてるな」
私はチラッと自称アースドラゴン……いや、トカゲさんの顔を見ると、ボーッとした顔をしていた。
『ふぉふぉ、体がポカポカして心地いいな』
背中を叩いていた影響でトカゲさんは眠たそうにしている。
今もあくびをして、そのまま丸まって寝る寸前だ。
「まぁ、リリナがそう言うなら……って、お前仕事をサボってどこに行ってたんだ!」
「げっ!?」
まさかアシュレイに仕事をサボっていたと言われるとは思いもしなかった。
ただ、今日の仕事ってルシアン様の護衛だったはず。
考えてみたら朝にルシアン様に会ったきり、その後は会ってもないし、護衛もしていない。
「リリナ、君はどこに行ってたのかな?」
私が恐る恐る振り返ると、そこには腕を組んだルシアン様が立っていた。
ルシアン様の顔を見て、私は石のようにその場で固まる。
「ルシアン様、ここまで付いて来られてんですか?」
ガレスさんはルシアン様の元へ駆け寄る。
元々はここまで来るつもりはなかったのだろう。
「くくく、それでリリナは何をしてたの?」
せっかくマッチョ売りを始めたのに、ここで解雇になったら、私の働くところはない。
その場で片膝をつき、頭を下げる。
「ルシアン様、申し訳ありません。旧セラフに行って、ゴブリンとトカゲの手合わせ……いや、アクアナッツの収穫をしておりました」
急いで大量のアクアナッツを持ってきて、ルシアン様に献上する。
「それと湯浴み場と池を作っておりました。明日にはお湯と水が溜まっています」
今までやっていた仕事内容を伝えることにした。
これで怒られて解雇されるなら、それもまた筋肉の道。
筋肉一つでプロテイン公爵家を出てきたため、荷物は何も持っていない。
すぐに出て行けと言われたら、出ていくつもりだ。
私としては、覚悟の上。でも、ルシアン様と離れるのはどこか寂しい。
だが、ルシアン様の声は聞こえず、ゆっくりと顔を上げると驚いた顔をしたルシアン様がいた。
同じようにガレスさんとアシュレイも驚いていた。
アシュレイなんて、顎が外れそうな勢いだ。
「私、やっぱり解雇――」
「リリナ、良くやった! 君はずっと私の隣にいてくれ!」
「ふぇ!?」
ルシアン様は私の頭を優しくポンポンと叩く。
まさか褒められるとは思いもしなかった。
……って、これってプロポーズ?
えっ? 違う? いや、でも……恥ずかしいわ。
あまりの恥ずかしさに、後ろに振り向いて拳を振るって落ち着かせる。
――ドオオオオオオン!
「わわわわ、私は一生ルシアン様のお隣にいま……す?」
私はもう一度ルシアン様を見ると、なぜか視線が合わない。
まるで私の背後に何かあるような感じだ。
ゆっくりと振り返ると、そこにはセラフと旧セラフを繋げる大きな道ができていた。
『ふぉふぉ、そこも気持ちいいぞ!』
私は自称アースドラゴンの上に跨り、背中をバシバシと叩く。
しっかりと痛みを感じにくいように、魔力を流しているのがいけないのか、心地良さそうな顔をしている。
「リリナー、早くしないとお母さんに怒られちゃう」
私がジャックを抱えた方が、早く着いただろうが、大量にアクアナッツを持っていたら、ジャックを抱えられないから仕方ない。
「ほらほら、トカゲさん頑張って!」
『ふぉふぉ!』
さっきよりも素早く叩くが、やはり自称アースドラゴンは心地良さそうにしていた。
魔力の使い方も考えないと、時には不便になってしまうわ。
――ピューン! バン!
セラフの方から何かを打ち上げる音が聞こえてきた。
その後も何か鐘のようなものが、ずっと鳴っているような気がする。
「ジャック、あれは何かわかる?」
「んー、僕にもわからないかな」
セラフに住んでいるジャックがわからないなら、私にわかるはずがない。
ただ、空に打ち上げられる火の玉が暗くなった空に目立って綺麗だ。
「これってお祭りかな?」
どこかの国で空に花が咲いたような火属性魔法を打ち上げる祝典がある。
もしかして、それはセラヴィア連邦王国のことだろうか。
近づいていくと、セラフの方から騒がしい声も聞こえてくる。
「町に着くのが楽しみね」
「何か……違うような気がするよ……」
祝典にワクワクしている私と違って、なぜかジャックは難しい顔をしていた。
そんなに考えてもお祝い事は楽しまないと損だわ。
それに――。
『ふぉふぉ、肩こりが治ってきたぞ』
自称アースドラゴンも祝典が気になるのか、スピードが上がってきた。
もうそろそろ町が見えてきたと思ったら、何かが目の前に現れた。
「おのれ……アースドラゴンめ!」
そこには剣を構えているガレスさんとアシュレイがいた。
祝典があることを聞いていなかったから、私が帰ってくるのを待っていたのだろうか。
「おーい、ガレスさーん! アシュレイー!」
私は自称アースドラゴンの背中から手を振って声をかける。
だが、二人とも私よりも跨っている自称アースドラゴンにしか目がいかないようだ。
「トカゲさん、ちょっと止まれるかしら?」
『ふぉ? 急には止まれないぞ?』
まさか自称アースドラゴンがスピード制御ができないトカゲだと思わなかった。
だから、そこまで速く走らなかったのかもしれない。
これは私の責任です……よね?
ジャックを見ると、怪しい目で私の方を見ていたわ。
私はジャックを抱えて、そのまま地面に飛び降りた。
「「リリナ!?」」
ガレスさんとアシュレイは驚いた顔をしていた。
いきなり空から飛んで出てきたらびっくりするわよね。
「トカゲさんが止まれないらしいので、少し離れてくださいね?」
「「はぁん!?」」
私は足を大きく広げて、手に力を入れて構える。
勢いがある状態から静止させるのって、中々難しいものね。
でも、私の拳があれば簡単だ。
「トカゲさん、いくよー!」
『ちょちょ、ちょっと待ったアアアアア!』
自称アースドラゴンは必死に足の動きを止めると、砂埃を撒き散らしながら速度を落としていく。
初めからできるなら、時間の効率も良いのに、なぜできないって言ったのかしら。
途中ヨタヨタとしながら、私の拳が顔に触れる寸前で止まった。
『しっ、死ぬかと思った……』
自称アースドラゴンはどこか大袈裟な性格のようね。
私だって本気で叩こうとはしていない。
一振りしたら、風で多少は減速できると思っただけだ。
それよりも――。
「祝典のためにお迎えに来てくれたんですか?」
「「んっ……ん!?」」
私は振り返って、ガレスさんとアシュレイに話しかけるが、明らかに二人の表情は私が思っているものとは違った。
どこか戸惑いを隠せないような、信じられないものを見た驚きと、ついには呆れを浮かべた複雑なものだ。
それに視線は私よりも自称アースドラゴンに向いている。
これは自己紹介しろってやつだろうか。
「こちら自称アースドラゴンのトカゲさんです」
『あっ、どもども』
私がアースドラゴンの名を出すとガレスさんとアシュレイは警戒を強めた。
やはりあいさつの仕方が悪かったのだろうか。
「トカゲさん、礼儀ができていないって思われてますよ!」
『そんなことは知らん。わしはトカゲさんだからな』
初めて会った時は高貴なアースドラゴンとか言っていたのに、今はトカゲと言って、怒られるのを逃げる気だろう。
「リリナ、本当にアースドラゴンなのか……?」
ガレスさんは恐る恐る私に聞いてきた。
「本人もトカゲと認めたので、トカゲです」
今さっき、本人もトカゲと言っていたから、トカゲで問題ないだろう。
「そうか……トカゲか……」
「いやいや、ガレスさん! あれはどこからどう見てもアースドラゴンです!」
ガレスさんはトカゲと認めたのに、アシュレイは未だに認めないようだ。
そうやって決めつけるのは良くないって学ばなかったのかしら。
「アシュレイ、決めつけは良くないです。トカゲさんは自ら、トカゲと名乗ったんです」
「いや、あの勇ましい顔を……いや、腑抜けてるな」
私はチラッと自称アースドラゴン……いや、トカゲさんの顔を見ると、ボーッとした顔をしていた。
『ふぉふぉ、体がポカポカして心地いいな』
背中を叩いていた影響でトカゲさんは眠たそうにしている。
今もあくびをして、そのまま丸まって寝る寸前だ。
「まぁ、リリナがそう言うなら……って、お前仕事をサボってどこに行ってたんだ!」
「げっ!?」
まさかアシュレイに仕事をサボっていたと言われるとは思いもしなかった。
ただ、今日の仕事ってルシアン様の護衛だったはず。
考えてみたら朝にルシアン様に会ったきり、その後は会ってもないし、護衛もしていない。
「リリナ、君はどこに行ってたのかな?」
私が恐る恐る振り返ると、そこには腕を組んだルシアン様が立っていた。
ルシアン様の顔を見て、私は石のようにその場で固まる。
「ルシアン様、ここまで付いて来られてんですか?」
ガレスさんはルシアン様の元へ駆け寄る。
元々はここまで来るつもりはなかったのだろう。
「くくく、それでリリナは何をしてたの?」
せっかくマッチョ売りを始めたのに、ここで解雇になったら、私の働くところはない。
その場で片膝をつき、頭を下げる。
「ルシアン様、申し訳ありません。旧セラフに行って、ゴブリンとトカゲの手合わせ……いや、アクアナッツの収穫をしておりました」
急いで大量のアクアナッツを持ってきて、ルシアン様に献上する。
「それと湯浴み場と池を作っておりました。明日にはお湯と水が溜まっています」
今までやっていた仕事内容を伝えることにした。
これで怒られて解雇されるなら、それもまた筋肉の道。
筋肉一つでプロテイン公爵家を出てきたため、荷物は何も持っていない。
すぐに出て行けと言われたら、出ていくつもりだ。
私としては、覚悟の上。でも、ルシアン様と離れるのはどこか寂しい。
だが、ルシアン様の声は聞こえず、ゆっくりと顔を上げると驚いた顔をしたルシアン様がいた。
同じようにガレスさんとアシュレイも驚いていた。
アシュレイなんて、顎が外れそうな勢いだ。
「私、やっぱり解雇――」
「リリナ、良くやった! 君はずっと私の隣にいてくれ!」
「ふぇ!?」
ルシアン様は私の頭を優しくポンポンと叩く。
まさか褒められるとは思いもしなかった。
……って、これってプロポーズ?
えっ? 違う? いや、でも……恥ずかしいわ。
あまりの恥ずかしさに、後ろに振り向いて拳を振るって落ち着かせる。
――ドオオオオオオン!
「わわわわ、私は一生ルシアン様のお隣にいま……す?」
私はもう一度ルシアン様を見ると、なぜか視線が合わない。
まるで私の背後に何かあるような感じだ。
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