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第一章 社畜、パパになる
6.社畜、迷子になる
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「なぁ、ゴボタ……」
「本当にこっちで合っているのか?」
「ゴ……ゴボッ!?」
俺はゴボタが髪の毛を引っ張る方向に合わせて曲がりながら歩いてきた。
ゴボタに言われるがまま歩いてきたのだ。
それでも一向に探していた草は見つかっていない。
「なぁ、俺は帰り道わからないぞ?」
「ゴ……ゴボボボ!?」
ゴボタに言われるがまま付いてきたが、元の場所に戻っていけと言われても帰れないだろう。
全くここまでの道順を覚えていない。
どこか俺の頭に乗っているゴボタは焦っているように感じた。
「まさか楽しくて忘れていたんじゃ……」
「ゴッ……ゴボォー!」
ゴボタは俺の頭をポカポカと叩いている。
どうやら忘れていたわけではないようだ。
否定して叩いているのだろう。
「おいおい、そんなに叩くとバカになるよ」
「はぁ!?」
ゴボタは何か思ったのだろう。
俺の頭をさらに叩き出した。
意外に力が強いゴボタのパンチって想像以上に一撃が重たい。
急いで頭から下ろすと、ゴボタはそっぽを向いていた。
確実に自分が悪いことをしたと理解はしているのだろう。
「ゴボタ、俺は謝らないやつは嫌いだぞ?」
「……」
それでもゴボタはそっぽ向いたままだった。
「しかも、俺の頭を叩いてバカにさせたら忘れると思っていただろ」
わざとかまをかけてみる。
するとそっぽ向いていたゴボタはどこかソワソワとしていた。
本当に叩いてバカになると思っていたのだろうか。
なら、俺もイタズラをしてやろう。
「ああ、俺は謝らないゴボタは嫌いだな。もう一人で帰っていくわ」
俺は立ち上がり一人で歩き出した。
もちろんゴボタを置いていく気はないし、チラチラと振り返っている。
「ゴボッ……ゴボボ!?」
初めはそっぽ向いていたゴボタだが、本当に置いていかれるとは思っていなかったのだろう。
俺がいなくなったことに戸惑ってキョロキョロとしている。
ちなみに俺は近くの木に隠れて様子を伺っている。
これで反省をするだろう。
俺はそう思ってゴボタを見ていた。
「ゴボッ……ゴボオオオオオ!」
ゴボタは俺を探しても見つからないことに気づき、その場で泣いてしまった。
さすがに可哀想だと思った俺は木から顔を出す。
「ゴボタ……おっ、おい! どこに行くんだ!」
だが、ゴボタは俺が木の後ろから出てきたことに気づいていなかった。
俺を探しに行ったのだろう。
森の奥に走って行ってしまった。
「やりすぎたか……」
頭を少し掻いて俺も反省する。
少しやりすぎてしまったようだ。
力は強いけど見た目は幼子で園児ぐらいだもんな。
ゴボタの後ろを必死に追いかける。
ただ、ゴボタは力も強ければ足も速かった。
声をかけながら走っていくが、ゴボタは気づかずにどんどんと遠くに行ってしまう。
「ゴボタアアアアア!」
――ドスン!
足元を見ていなかったのは俺の方だった。
俺は木から生えている根っこに足を引っ掛けて、その場に転んでしまった。
社畜で運動不足の俺の体は長いこと走れなかったようだ。
足ももつれてフラフラだ。
「おい、マジかよ……」
急いで起き上がり、ゴボタが走った方に目を向けると、もう目の前にはゴボタの姿は完全に見えなくなった。
それに俺はわけのわからない森で一人になってしまったようだ。
帰り道もわからなければ、どこに向かえば良いのかもわからない。
スクーターも手元になければ、食料や水分も一から確保しないといけない。
それでもまずはゴボタを探す方が優先だ。
俺は息を整えると、すぐにゴボタを探し始める。
「おーい、ゴボター!」
森の中に静かに俺の声だけが広がっていく。
聞こえてくるのは俺の声だけで、他には何も聞こえない。
幸いなのは日が暮れていないことだろう。
これで暗かったら完全に道もわからなくなっていた。
――ガサガサ!
茂みの中から音が聞こえてきた。
今まで他の生物も見たことないため、きっとゴボタで間違いないはずだ。
「ゴボタ……どこに行ってたんだよ!」
俺が振り返るとそこには知っているようで、全く知らない人物が立っていた。
「ゴブ?」
「ゴボタ……?」
見た目はなんとなくゴボタに似ている。
だが、大きさはゴボタよりも10cm程度大きく、髪の毛が長かった。
女性のセミロングぐらいの長さだ。
ゴボタ以外に会った初めての人物に俺は嬉しくなった。
だが、俺は急いで目を閉じた。
「ゴブ?」
「いやいや、こっちに近づかないでくれ。まずは大事なところを隠してくれ!」
ゴボタに似ているその人は髪の毛で隠れていたが、胸の膨らみがあり、俺達についている男のシンボルがなかった。
突然目の前に全裸の女性が現れたってことだ。
ただ、俺の言っていることがわからないのか、彼女は周囲をキョロキョロとしている。
俺は急いでワイシャツを脱ぎ彼女に手渡す。
ついに俺はワイシャツの中に来ていたインナーだけになってしまった。
「着たか?」
しばらく待ってから声をかけるが返事がない。
ゆっくりと目を開けると、彼女は俺のワイシャツに腕を通していたが、その後どうすれば良いのかわからず戸惑っていた。
「ダメだ……ロリコンの彼シャツだ」
体の小さな彼女が俺のワイシャツに袖を通すと、完全にワンピースのようになっていた。
きっとロリコン好きにたまらないだろう。
ただ、俺は一切ロリコンには興味がないと断言はしておく。
「すみません」
俺はゆっくりと彼女に近づき、ボタンをとめてあげる。
うっかりスケベ事故もやるつもりはないが、緊張で手が震えてボタンがとめにくい。
震える手を一生懸命使い、二つ目までとめると彼女は理解したのだろう。
その後は自分でボタンをとめだした。
「はぁー」
やっと全てのボタンをとめた時には、全身の力が抜け落ちていく。
「ゴブブ!」
そんな俺を見て彼女は笑っていた。
どこか笑った顔がゴボタに似ているが、彼女はゴボタの知り合いだろうか。
「あのー、ゴボタを知りませんか?」
「ゴブ?」
ゴボタとは違い、返事をする時は〝ゴブ〟と言うらしい。
そういえば、今のゴボタよりも、初めて会った時のゴボタの方が似ている気がした。
「ゴブ!」
彼女は何かに気づいたのだろう。
俺の手を急に握ってきた。
「おおおおい!?」
「ゴブ!」
俺の手を強く引っ張って、さらに森の奥に俺を連れて行こうとする。
ひょっとしたらゴボタがそこにいるのだろうか。
俺は黙って彼女に引っ張られながら、付いて行くことにした。
「本当にこっちで合っているのか?」
「ゴ……ゴボッ!?」
俺はゴボタが髪の毛を引っ張る方向に合わせて曲がりながら歩いてきた。
ゴボタに言われるがまま歩いてきたのだ。
それでも一向に探していた草は見つかっていない。
「なぁ、俺は帰り道わからないぞ?」
「ゴ……ゴボボボ!?」
ゴボタに言われるがまま付いてきたが、元の場所に戻っていけと言われても帰れないだろう。
全くここまでの道順を覚えていない。
どこか俺の頭に乗っているゴボタは焦っているように感じた。
「まさか楽しくて忘れていたんじゃ……」
「ゴッ……ゴボォー!」
ゴボタは俺の頭をポカポカと叩いている。
どうやら忘れていたわけではないようだ。
否定して叩いているのだろう。
「おいおい、そんなに叩くとバカになるよ」
「はぁ!?」
ゴボタは何か思ったのだろう。
俺の頭をさらに叩き出した。
意外に力が強いゴボタのパンチって想像以上に一撃が重たい。
急いで頭から下ろすと、ゴボタはそっぽを向いていた。
確実に自分が悪いことをしたと理解はしているのだろう。
「ゴボタ、俺は謝らないやつは嫌いだぞ?」
「……」
それでもゴボタはそっぽ向いたままだった。
「しかも、俺の頭を叩いてバカにさせたら忘れると思っていただろ」
わざとかまをかけてみる。
するとそっぽ向いていたゴボタはどこかソワソワとしていた。
本当に叩いてバカになると思っていたのだろうか。
なら、俺もイタズラをしてやろう。
「ああ、俺は謝らないゴボタは嫌いだな。もう一人で帰っていくわ」
俺は立ち上がり一人で歩き出した。
もちろんゴボタを置いていく気はないし、チラチラと振り返っている。
「ゴボッ……ゴボボ!?」
初めはそっぽ向いていたゴボタだが、本当に置いていかれるとは思っていなかったのだろう。
俺がいなくなったことに戸惑ってキョロキョロとしている。
ちなみに俺は近くの木に隠れて様子を伺っている。
これで反省をするだろう。
俺はそう思ってゴボタを見ていた。
「ゴボッ……ゴボオオオオオ!」
ゴボタは俺を探しても見つからないことに気づき、その場で泣いてしまった。
さすがに可哀想だと思った俺は木から顔を出す。
「ゴボタ……おっ、おい! どこに行くんだ!」
だが、ゴボタは俺が木の後ろから出てきたことに気づいていなかった。
俺を探しに行ったのだろう。
森の奥に走って行ってしまった。
「やりすぎたか……」
頭を少し掻いて俺も反省する。
少しやりすぎてしまったようだ。
力は強いけど見た目は幼子で園児ぐらいだもんな。
ゴボタの後ろを必死に追いかける。
ただ、ゴボタは力も強ければ足も速かった。
声をかけながら走っていくが、ゴボタは気づかずにどんどんと遠くに行ってしまう。
「ゴボタアアアアア!」
――ドスン!
足元を見ていなかったのは俺の方だった。
俺は木から生えている根っこに足を引っ掛けて、その場に転んでしまった。
社畜で運動不足の俺の体は長いこと走れなかったようだ。
足ももつれてフラフラだ。
「おい、マジかよ……」
急いで起き上がり、ゴボタが走った方に目を向けると、もう目の前にはゴボタの姿は完全に見えなくなった。
それに俺はわけのわからない森で一人になってしまったようだ。
帰り道もわからなければ、どこに向かえば良いのかもわからない。
スクーターも手元になければ、食料や水分も一から確保しないといけない。
それでもまずはゴボタを探す方が優先だ。
俺は息を整えると、すぐにゴボタを探し始める。
「おーい、ゴボター!」
森の中に静かに俺の声だけが広がっていく。
聞こえてくるのは俺の声だけで、他には何も聞こえない。
幸いなのは日が暮れていないことだろう。
これで暗かったら完全に道もわからなくなっていた。
――ガサガサ!
茂みの中から音が聞こえてきた。
今まで他の生物も見たことないため、きっとゴボタで間違いないはずだ。
「ゴボタ……どこに行ってたんだよ!」
俺が振り返るとそこには知っているようで、全く知らない人物が立っていた。
「ゴブ?」
「ゴボタ……?」
見た目はなんとなくゴボタに似ている。
だが、大きさはゴボタよりも10cm程度大きく、髪の毛が長かった。
女性のセミロングぐらいの長さだ。
ゴボタ以外に会った初めての人物に俺は嬉しくなった。
だが、俺は急いで目を閉じた。
「ゴブ?」
「いやいや、こっちに近づかないでくれ。まずは大事なところを隠してくれ!」
ゴボタに似ているその人は髪の毛で隠れていたが、胸の膨らみがあり、俺達についている男のシンボルがなかった。
突然目の前に全裸の女性が現れたってことだ。
ただ、俺の言っていることがわからないのか、彼女は周囲をキョロキョロとしている。
俺は急いでワイシャツを脱ぎ彼女に手渡す。
ついに俺はワイシャツの中に来ていたインナーだけになってしまった。
「着たか?」
しばらく待ってから声をかけるが返事がない。
ゆっくりと目を開けると、彼女は俺のワイシャツに腕を通していたが、その後どうすれば良いのかわからず戸惑っていた。
「ダメだ……ロリコンの彼シャツだ」
体の小さな彼女が俺のワイシャツに袖を通すと、完全にワンピースのようになっていた。
きっとロリコン好きにたまらないだろう。
ただ、俺は一切ロリコンには興味がないと断言はしておく。
「すみません」
俺はゆっくりと彼女に近づき、ボタンをとめてあげる。
うっかりスケベ事故もやるつもりはないが、緊張で手が震えてボタンがとめにくい。
震える手を一生懸命使い、二つ目までとめると彼女は理解したのだろう。
その後は自分でボタンをとめだした。
「はぁー」
やっと全てのボタンをとめた時には、全身の力が抜け落ちていく。
「ゴブブ!」
そんな俺を見て彼女は笑っていた。
どこか笑った顔がゴボタに似ているが、彼女はゴボタの知り合いだろうか。
「あのー、ゴボタを知りませんか?」
「ゴブ?」
ゴボタとは違い、返事をする時は〝ゴブ〟と言うらしい。
そういえば、今のゴボタよりも、初めて会った時のゴボタの方が似ている気がした。
「ゴブ!」
彼女は何かに気づいたのだろう。
俺の手を急に握ってきた。
「おおおおい!?」
「ゴブ!」
俺の手を強く引っ張って、さらに森の奥に俺を連れて行こうとする。
ひょっとしたらゴボタがそこにいるのだろうか。
俺は黙って彼女に引っ張られながら、付いて行くことにした。
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