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第二章 社畜、現実を知る
最終話.社畜、ダンジョンで生きていきます
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「こんなにダンジョンが発展することがあるのか?」
一緒にダンジョンにきた生田は新しくできた村をキョロキョロしながら見渡している。
俺も急な生活の違いに驚くばかりだ。
「ゴブリンは生活能力が高いというのか、群れを作ると人間に近い生活をするからね」
「そうなのか?」
「他のダンジョンのゴブリンもそうだが、繁殖行為をする魔物は集落みたいなものを作るかな。まぁ、探索者に取ったら良い稼ぎ場だな」
「お前達鬼畜だな」
探索者は思ったよりも鬼畜な性格をしているようだ。
魔物から出てくる魔石というのが、今の世界に必要となっているなら仕方ないだろう。
「それよりもあそこに置いてあるやつを持って帰ってもいいか?」
「魔宝石か?」
きっと家を作っていく時に邪魔になった魔宝石を一箇所に集めたのだろう。
魔宝石は魔石よりも使い勝手が良いと生田も言っていたからな。
「いや、せっかくならこいつらに必要な物とぶつぶつ交換してくれ」
「あー、それならホワイトちゃんに聞いてくるよ」
そう言って生田はホワイトを捜しに行った。
ここまで発展したら、俺よりもホワイトの方が何が足りないのか理解していそうだしな。
さっきもあれだけ俺の頬にキスをしておきながら、嬉しそうにどこかへ言ってしまった。
他のゴブリンも連れて行ったから、食料でも探しに行ったのかな?
「とーたん!」
ゴボタは何かあったのか俺の服を引っ張ってきた。
「どうした?」
俺はゴボタに視線を合わせると、俺の持ってた荷物が気になるようだ。
「何かあったのか?」
鞄の中を開けると、ゴボタは大事そうに母の遺骨が入った骨壷を取り出した。
「うめりゅ?」
ゴボタには亡くなった人をお墓に入れると伝えていた。
だから母の遺骨を持ってきた時に埋めようと思ったのだろう。
俺はもう時間が経過した世界に戻る気もないからな。
「んー、せっかくなら良いところに埋めるか?」
ダンジョンの中にも見晴らしの良いところはいくつもある。
その方が母も喜ぶかもしれない。
「いや!」
それなのにゴボタにまさか拒否されるとは思いもしなかった。
子どもに拒否されると、少し胸にくるものがあるな……。
「せっかくなら近くにいたいんじゃないですか? ゴボタにとったらおばあちゃんだもんね?」
「うん!」
どうやら心菜の方がゴボタの気持ちを理解しているようだ。
ああ、俺は決して悲しくないからな!
俺達は母の遺骨を埋めるのに良さそうなところを探す。
埋めるのは必然的に外になるから、村を見て回るにはちょうど良い。
「ここって一本の木を中心に建物ができているんですね」
「言われてみたらそうだな」
元々は森の入り口作っていたが、今は建物を隠すためか森が周囲にある。
「本当に昔から変わってないね」
それは良い意味なのか、悪い意味なのかどっちなんだろうか。
俺は昔から優しい近所のお兄さんポジションだったはず。
「とーたん!」
ゴボタは急に俺の手を持って走り出した。
急に走り出すから俺の足も絡まりそうだ。
実際に力も強いから浮いているような気もする。
ゴボタに連れてかれたところには、一本の大きな木が立っていた。
「ここが中心なのか」
木から周囲を見渡すと建物が散在してある。
「ここ!」
ゴボタはそのまま木の根本を指さしていた。
きっと母にここからみんなを見守ってもらおうと思ったのだろう。
「ああ、この村の守り神になってもらおうか」
俺はゴボタと一緒に穴を掘っていく。
骨壷もそこまで大きくないから、入れるには問題ないだろう。
近くにあった木を目印にして母のお墓は完成した。
また、ホワイトに頼んでお墓を作ってもらうのも良いのかもしれない。
「あっ、ここにいたか!」
「ダンナ様ー!」
生田やホワイト達も俺に気づいたのかゾロゾロと集まってきた。
俺が何をしていたのかホワイトも気になっているのだろう。
ジーッと見つめてくる。
「ああ、ここに母の骨を埋めたんだ」
「お義母様の!? すぐにご挨拶をしなきゃ!」
ホワイトはぶつぶつと母のお墓の前で呟いていた。
内容に関しては触れないようにしよう。
孫が何人欲しいのかと聞いてるからな。
それに釣られてか心菜まで何か呟いている。
「俺達もお願いごとする?」
「うん!」
俺やゴボタもお願いごとをすると、次々とゴブリン達も母の墓の前で頭を下げた。
「俺をここまで育ててくれてありがとう。ずっと捜してくれてありがとう。心配ばかりかけるバカな息子でごめんね。どうかこれからも俺達を見守って安らかに眠ってください」
みんなの前で泣かないようにしていたのに、ポロポロと涙が出てくる。
もう少し親孝行したかったな。
それだけが俺の唯一の心残りだ。
そんなことを思っていると何か頭に衝撃を感じた。
「とーたんいいこ!」
隣を見るとゴボタが俺を慰めているのか、頭を撫でていた。
心配かけちゃったのかな?
「ゴボタありがとう」
俺はそんなゴボタを強く抱きしめる。
俺はこれからもこのダンジョンで生きていきます。
こんな俺達を元気な姿で見守っていてください。
「ふふふ、透汰らしいわね」
どこか母の声が聞こえたような気がした。
-END-
---------------------
【あとがき】
ここまで読んでいただきありがとうございます!
久々の更新でしたが、他のコンテストもあり完結をどうするか迷っていました。
無事にコンテストも終わり完結という形にしました。
今後とも新作を出していきますので、よろしくお願いいたします。
一緒にダンジョンにきた生田は新しくできた村をキョロキョロしながら見渡している。
俺も急な生活の違いに驚くばかりだ。
「ゴブリンは生活能力が高いというのか、群れを作ると人間に近い生活をするからね」
「そうなのか?」
「他のダンジョンのゴブリンもそうだが、繁殖行為をする魔物は集落みたいなものを作るかな。まぁ、探索者に取ったら良い稼ぎ場だな」
「お前達鬼畜だな」
探索者は思ったよりも鬼畜な性格をしているようだ。
魔物から出てくる魔石というのが、今の世界に必要となっているなら仕方ないだろう。
「それよりもあそこに置いてあるやつを持って帰ってもいいか?」
「魔宝石か?」
きっと家を作っていく時に邪魔になった魔宝石を一箇所に集めたのだろう。
魔宝石は魔石よりも使い勝手が良いと生田も言っていたからな。
「いや、せっかくならこいつらに必要な物とぶつぶつ交換してくれ」
「あー、それならホワイトちゃんに聞いてくるよ」
そう言って生田はホワイトを捜しに行った。
ここまで発展したら、俺よりもホワイトの方が何が足りないのか理解していそうだしな。
さっきもあれだけ俺の頬にキスをしておきながら、嬉しそうにどこかへ言ってしまった。
他のゴブリンも連れて行ったから、食料でも探しに行ったのかな?
「とーたん!」
ゴボタは何かあったのか俺の服を引っ張ってきた。
「どうした?」
俺はゴボタに視線を合わせると、俺の持ってた荷物が気になるようだ。
「何かあったのか?」
鞄の中を開けると、ゴボタは大事そうに母の遺骨が入った骨壷を取り出した。
「うめりゅ?」
ゴボタには亡くなった人をお墓に入れると伝えていた。
だから母の遺骨を持ってきた時に埋めようと思ったのだろう。
俺はもう時間が経過した世界に戻る気もないからな。
「んー、せっかくなら良いところに埋めるか?」
ダンジョンの中にも見晴らしの良いところはいくつもある。
その方が母も喜ぶかもしれない。
「いや!」
それなのにゴボタにまさか拒否されるとは思いもしなかった。
子どもに拒否されると、少し胸にくるものがあるな……。
「せっかくなら近くにいたいんじゃないですか? ゴボタにとったらおばあちゃんだもんね?」
「うん!」
どうやら心菜の方がゴボタの気持ちを理解しているようだ。
ああ、俺は決して悲しくないからな!
俺達は母の遺骨を埋めるのに良さそうなところを探す。
埋めるのは必然的に外になるから、村を見て回るにはちょうど良い。
「ここって一本の木を中心に建物ができているんですね」
「言われてみたらそうだな」
元々は森の入り口作っていたが、今は建物を隠すためか森が周囲にある。
「本当に昔から変わってないね」
それは良い意味なのか、悪い意味なのかどっちなんだろうか。
俺は昔から優しい近所のお兄さんポジションだったはず。
「とーたん!」
ゴボタは急に俺の手を持って走り出した。
急に走り出すから俺の足も絡まりそうだ。
実際に力も強いから浮いているような気もする。
ゴボタに連れてかれたところには、一本の大きな木が立っていた。
「ここが中心なのか」
木から周囲を見渡すと建物が散在してある。
「ここ!」
ゴボタはそのまま木の根本を指さしていた。
きっと母にここからみんなを見守ってもらおうと思ったのだろう。
「ああ、この村の守り神になってもらおうか」
俺はゴボタと一緒に穴を掘っていく。
骨壷もそこまで大きくないから、入れるには問題ないだろう。
近くにあった木を目印にして母のお墓は完成した。
また、ホワイトに頼んでお墓を作ってもらうのも良いのかもしれない。
「あっ、ここにいたか!」
「ダンナ様ー!」
生田やホワイト達も俺に気づいたのかゾロゾロと集まってきた。
俺が何をしていたのかホワイトも気になっているのだろう。
ジーッと見つめてくる。
「ああ、ここに母の骨を埋めたんだ」
「お義母様の!? すぐにご挨拶をしなきゃ!」
ホワイトはぶつぶつと母のお墓の前で呟いていた。
内容に関しては触れないようにしよう。
孫が何人欲しいのかと聞いてるからな。
それに釣られてか心菜まで何か呟いている。
「俺達もお願いごとする?」
「うん!」
俺やゴボタもお願いごとをすると、次々とゴブリン達も母の墓の前で頭を下げた。
「俺をここまで育ててくれてありがとう。ずっと捜してくれてありがとう。心配ばかりかけるバカな息子でごめんね。どうかこれからも俺達を見守って安らかに眠ってください」
みんなの前で泣かないようにしていたのに、ポロポロと涙が出てくる。
もう少し親孝行したかったな。
それだけが俺の唯一の心残りだ。
そんなことを思っていると何か頭に衝撃を感じた。
「とーたんいいこ!」
隣を見るとゴボタが俺を慰めているのか、頭を撫でていた。
心配かけちゃったのかな?
「ゴボタありがとう」
俺はそんなゴボタを強く抱きしめる。
俺はこれからもこのダンジョンで生きていきます。
こんな俺達を元気な姿で見守っていてください。
「ふふふ、透汰らしいわね」
どこか母の声が聞こえたような気がした。
-END-
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【あとがき】
ここまで読んでいただきありがとうございます!
久々の更新でしたが、他のコンテストもあり完結をどうするか迷っていました。
無事にコンテストも終わり完結という形にしました。
今後とも新作を出していきますので、よろしくお願いいたします。
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いやいや、あなたの名前の方が面白いですよ笑
感想ありがとうございます(*´꒳`*)
更新するたびにドキドキしています。
ゴブリンも今までよくあるゴブリンと違うし、かわいいし強いし。とーたんとその仲間が安全に楽しく過ごしてくれると良いなあって思います。最近はハラハラすることばっかりだったけど。
Lucky H様
ゴブリンの可愛い物語りを書きたかったので、そう思ってもらえてよかったです!
ほのぼののスローテンポばかりだったので、少しドタバタさせました笑
これからも読んでいただけると嬉しいです。
また、感想コメントお待ちしております(*´꒳`*)