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68.最強ニアちゃん

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 水中で身動きが取れない俺に脳内へ声が聞こえてきた。

「魔力を吸収しますか?」

「んつっ!?」
 俺は魔水昆虫王ギタガメの熱い口づけのような攻撃を避けながらスキル玉を使うような感覚を全身に感じた。

「魔力を吸収しました」
「スキル【限界突破】が発動されました。 魔力の限界値が上昇します」
 どうやら魔力の湖にある魔力を吸い取ったようだ。

 俺は腰につけている短剣を取り出しスキル玉【雷属性】を発動させた。一瞬で光ると同時に魔物の力は弱まり、俺は魔物を足台として勢いよく地上に向かい力を入れた。

「ぷっはあー!」
 俺は地上に出たタイミングで大きく息を吸った。

「にいちゃ!」
「お兄ちゃん!」
 湖に入ろうとしてロビンに止められていた2人が近寄ってきた。

「なんか湖にめちゃくちゃいるよ!」
 俺は雷属性を使うと同時に底には大量のギタガメがいることに気づいたのだ。

「ひょっとしてあいつ遊んでただけじゃないの――」

「遊んではないです!」
 ロビンとエヴァンが何やら話し出したため俺は否定しておいた。

「それで湖はどうだった?」
 俺は湖に鑑定を発動させると鑑定結果が変わっていた。

《綺麗な湖》
効果 森の中にある水が澄んだ綺麗な湖。湖の中には魔物も生息しているが水質に関して特に問題はない。

「どうやらただの湖にようです」

「ただの湖に?」

「はい」

「はぁー」
 ロビンはまた俺の顔を見てため息をついていた。

 それにしてもあの魔物達は光りに弱いのか俺がスキルを発動した瞬間に逃げ出そうとしていた。

「ちょっとこれをつけて湖に魔法を放ってもらっていいか?」
 俺はニアにスキル玉を渡すとニアはスキルホルダーに装着していた。

「雷属性の魔法を湖に放てばいいんだよね?」

「おっ、おう」
 ニアは手を湖に向けると何か嫌な予感がしていた。

「なんか雨が降ってきたぞ?」
 
「おい、ニア調整――」
 俺が話しかけた最中に雷鳴と共に雷が湖に向かって落ちてきたのだ。その姿はどこかモーリンに被っていた。

「おー、モーリン様に似てきたな」
 ロビンも俺と同じことを思ったのだろう。雷は湖に落ちるとそのまま湖に雷が走るように湖全体が光っていた。

「お兄ちゃんこれありがとう! なんかスッキリするね!」

「おっ、おう」
 ニアからスキル玉を預かった。どこかその笑顔もモーリンを彷彿とさせていた。

 その後湖から魔物達の死体がどんどん浮かび上がっていた。その中にはさっきまで俺に熱い口づけをしようとしていた魔水昆虫王ギタガメもいた。

「あっ、あそこのやつが俺に口づけをしようとしてきて……」
 俺は魔水昆虫王ギタガメを指差すとロビンとエヴァンは可哀想な人を見る目でこっちを見ていた。

「ああ、ひょっとして遊ぶってそういう趣味があったんだな」

「あー、だからプリシラと同じ部屋で寝ても何も思わなかったのだろうな」
 俺は何かロビンとエヴァンに誤解を生み出したようだ。プリシラも子供達の耳を塞いでいた。

「あのー――」

「よし、すぐに戻ったら王都で一番いいお店を紹介してやろう。 今回はお前達が依頼を解決したようなもんだしな」

「あっ、俺も連れてってもらってもいいですか?」

「おっ、お前も男になったのかー!」
 俺は何を言っているのか理解できなかった。でも顔を真っ赤にしているプリシラを見ると話の内容はなんとなく想像はついた。

 それよりも俺は呆れているロンとニアが心配だった。だって、プリシラは片耳ずつしか隠せていなかったのだ。

「お兄ちゃん……?」

「あの……ニアちゃん? 俺今湖から出てきたばっかりだからそれは寒いよ……」
 辺りは急に温度が下がり、濡れた体の俺はさらに体温が奪われ少し震えていた。決してニアが怖くて震えているわけではない。

「お兄ちゃんの変態! エッチ!!」
 話に入っていないはずの俺を中心にニアは氷属性魔法を発動させた。一瞬にして俺を含むロビンとエヴァンは氷漬けにされていた。

「お兄ちゃんの馬鹿! ニアがいるのに!」
 そう言ってニアは街に向かって歩いて行った。
 
「にいちゃ……女の人を怒らせたらダメだよ?」
 そんな俺にロンは優しくスキル玉【火属性】を発動していた。
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