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91.治療
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俺は椅子に座っているといつのまにか日が暮れて夜になっていた。
「おっ、ここにウォーレン達が居たか」
外から入ってきたのは戦いを終えたロビンだった。少し魔物にやられたのか腕から血が出ていた。
「回復しますね」
ニアは匠の杖に回復魔法のスキル玉を付け替えるとすぐに魔法を唱えた。
「すごい力だな」
「へへへ」
ニアはロビンに褒められて喜んでいた。
「ウォーレン達は冒険者ギルドに来てもらってもいいか? ニアはそのまま行っても回復魔法をかけれるか?」
「大丈夫ですよ」
「よし、じゃあ冒険者ギルドに向かおうか」
「わかりました」
俺も時間が経てば少しずつは落ち着いてきたはずだったが、冒険者ギルドに向かうまでにさっき通った道をまた通ることになった。
「あいつらをどうにかできればいいんだけどな」
ロビンの視線も縛り付けられたガロル達に向いていた。昼間と異なり触手が飛び出て外に戻ろうと伸びていた。
「あれは何ですか?」
「ああ、昼間にも見たと思うがあいつらはみんなすでに死んでるんだ。 外の魔物もいくら倒しても触手が出てくるからあの当時と変わらねえよ」
何となく見た時には死んでいると感じていたが、ロビンに言われたことでどこか納得できなかったものが心の奥深くに落ちた気がした。
俺はそんな彼らに手を合わせて見つめているといつのまにかロビンはかなり遠くへ歩いていた。
「ウォーレンはやく来いよ」
「今行きます!」
俺はロビンのところへ走る時もガロルからは触手が外に向かって伸びていた。どこか助けを求めるように伸びる触手に俺は不思議な気持ちを抱いていた。
♢
俺が冒険者ギルドに入るといつもの陽気な感じはなくどこか血の臭いが部屋中に広がっていた。
「ウォーレンちゃん久しぶりね」
そんな中手を振っていたのはローガンだった。
「ちょ、ローガンさん血が出てますよ」
「ローガンだって?」
血が出ていることに俺は気を取られてまた呼び方を間違えたようだ。
「えっ? 今ローナさんって呼びましたよ?」
「そうだったかしら?」
俺は誤魔化すようにローガンに回復魔法をかけた。そもそもローガンなのに本人の前ではローナと呼ばなきゃいけないのがややこしい。
「こんな傷のためにスキル玉を使ってもらって悪いわね」
「スキル玉は使ってないので大丈夫ですよ」
――ドン!
俺はローガンに手を掴まれるとそのまま壁際に押し倒された。ああ、やっぱりローガンと呼んだのがバレたのだろうかと内心はハラハラしていた。
「あんた……それを早く言いなさいよ!」
「えっ?」
俺はそのままローガンの肩に背負われると冒険者ギルド内にある部屋に連れて行かれた。
お金を稼ぐようになってからは冒険者ギルドで借りることもなかった部屋からは呻き声が聞こえていた。
「少し衝撃を受けるかも知れないけど許してね」
扉を開けたそこにはベットに横たわる冒険者がいた。
「何で縛られてるんですか!?」
冒険者は手足をベットの足の部分に紐で結ばれていた。それはまるで王都の中央で縛られていたガロルのような状態だった。
「あなた達も見たと思うがガロルと違ってこの人達はまだ生きてるの。 ただ、ポーションの効果は得られにくいし、唯一の回復魔法が使える教会のやつらは汚れた街だと言ってすぐに聖都に帰ってしまったわ」
どうやら頼みの綱であるポーションで命はどうにか繋ぎ止められているが、それ以上は効果が得られずどうすればいいかわからない所で俺達が帰ってきたらしい。
実際は腹に大きな穴が空いていたらしい。
「ニアも協力してもらってもいい?」
「わかった」
匠の杖についたスキル玉は回数制限なく自身の魔力のみで発動できるため、俺より魔力が高いニアにも力を借りた方がいいだろう。
「ハイヒール」
「ハイヒール!?」
ニアが回復魔法を唱えるとローガンは驚いていたが、その様子を見てロビンはニヤニヤと笑っていた。
ローガンはニアの魔力の高さに驚いているのだろう。
しばらく回復魔法をかけているとベットに縛られている男は落ち着いたが、腹から飛び出ている触手は変わらずに動いていた。
「おっ、ここにウォーレン達が居たか」
外から入ってきたのは戦いを終えたロビンだった。少し魔物にやられたのか腕から血が出ていた。
「回復しますね」
ニアは匠の杖に回復魔法のスキル玉を付け替えるとすぐに魔法を唱えた。
「すごい力だな」
「へへへ」
ニアはロビンに褒められて喜んでいた。
「ウォーレン達は冒険者ギルドに来てもらってもいいか? ニアはそのまま行っても回復魔法をかけれるか?」
「大丈夫ですよ」
「よし、じゃあ冒険者ギルドに向かおうか」
「わかりました」
俺も時間が経てば少しずつは落ち着いてきたはずだったが、冒険者ギルドに向かうまでにさっき通った道をまた通ることになった。
「あいつらをどうにかできればいいんだけどな」
ロビンの視線も縛り付けられたガロル達に向いていた。昼間と異なり触手が飛び出て外に戻ろうと伸びていた。
「あれは何ですか?」
「ああ、昼間にも見たと思うがあいつらはみんなすでに死んでるんだ。 外の魔物もいくら倒しても触手が出てくるからあの当時と変わらねえよ」
何となく見た時には死んでいると感じていたが、ロビンに言われたことでどこか納得できなかったものが心の奥深くに落ちた気がした。
俺はそんな彼らに手を合わせて見つめているといつのまにかロビンはかなり遠くへ歩いていた。
「ウォーレンはやく来いよ」
「今行きます!」
俺はロビンのところへ走る時もガロルからは触手が外に向かって伸びていた。どこか助けを求めるように伸びる触手に俺は不思議な気持ちを抱いていた。
♢
俺が冒険者ギルドに入るといつもの陽気な感じはなくどこか血の臭いが部屋中に広がっていた。
「ウォーレンちゃん久しぶりね」
そんな中手を振っていたのはローガンだった。
「ちょ、ローガンさん血が出てますよ」
「ローガンだって?」
血が出ていることに俺は気を取られてまた呼び方を間違えたようだ。
「えっ? 今ローナさんって呼びましたよ?」
「そうだったかしら?」
俺は誤魔化すようにローガンに回復魔法をかけた。そもそもローガンなのに本人の前ではローナと呼ばなきゃいけないのがややこしい。
「こんな傷のためにスキル玉を使ってもらって悪いわね」
「スキル玉は使ってないので大丈夫ですよ」
――ドン!
俺はローガンに手を掴まれるとそのまま壁際に押し倒された。ああ、やっぱりローガンと呼んだのがバレたのだろうかと内心はハラハラしていた。
「あんた……それを早く言いなさいよ!」
「えっ?」
俺はそのままローガンの肩に背負われると冒険者ギルド内にある部屋に連れて行かれた。
お金を稼ぐようになってからは冒険者ギルドで借りることもなかった部屋からは呻き声が聞こえていた。
「少し衝撃を受けるかも知れないけど許してね」
扉を開けたそこにはベットに横たわる冒険者がいた。
「何で縛られてるんですか!?」
冒険者は手足をベットの足の部分に紐で結ばれていた。それはまるで王都の中央で縛られていたガロルのような状態だった。
「あなた達も見たと思うがガロルと違ってこの人達はまだ生きてるの。 ただ、ポーションの効果は得られにくいし、唯一の回復魔法が使える教会のやつらは汚れた街だと言ってすぐに聖都に帰ってしまったわ」
どうやら頼みの綱であるポーションで命はどうにか繋ぎ止められているが、それ以上は効果が得られずどうすればいいかわからない所で俺達が帰ってきたらしい。
実際は腹に大きな穴が空いていたらしい。
「ニアも協力してもらってもいい?」
「わかった」
匠の杖についたスキル玉は回数制限なく自身の魔力のみで発動できるため、俺より魔力が高いニアにも力を借りた方がいいだろう。
「ハイヒール」
「ハイヒール!?」
ニアが回復魔法を唱えるとローガンは驚いていたが、その様子を見てロビンはニヤニヤと笑っていた。
ローガンはニアの魔力の高さに驚いているのだろう。
しばらく回復魔法をかけているとベットに縛られている男は落ち着いたが、腹から飛び出ている触手は変わらずに動いていた。
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