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126.村の老木

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 2人ともに村の中心に大きくそびえ立つ木に向かっている。村の通りを抜けて行くたびに声をかけられる。

「ひょっとしてウォーレンじゃないか!?」

「おっ、久しぶりに帰ってきたのか」
 村の中では一緒に遊んでいた友達が声をかけてくれた。村を出て数年になるがみんなは一足先に家族を築いているようだ。

「にいちゃ友達が多いんだね」

「一番年下だったからみんなに可愛がってもらってたね」

「いいなー、私も昔のお兄ちゃんに会いたかったな」

「俺もにいちゃと遊びたかった」

「あー、可愛いやつらめ」
 ロンとニアを優しく撫でるとどこか心地良さそうな顔をしていた。本当に可愛い俺の家族だ。

「あそこが大きい木なのかな?」

「また大きくなったな」
 村の中央には大きな木がそびえ立っている。近くまで歩くと以前は見えていた木の先端は見えなくなっていた。

「ここにお兄ちゃんのお父さんとお母さんがいるんだね」

「ああ、そうだな」
 俺達は近くに座ってそっと地面に手を触れた。どこか懐かしい匂いに俺は目を閉じると、次第に周りの音も聞こえなくなった。





「やっとウォーレンが来たわ」

「流石俺の息子だから良い男になったな」
 目を開けたらまたあの真っ白な空間に立っていた。そして今のこの状況に困惑している。

「母さん……父さん……?」
 俺の声が聞こえているのか2人は手を広げて待っていた。

「会いたかった」
 2人に飛び込むように抱きついた。

「ははは、ルイスに似て甘えん坊ね」

「おいおい、それはないぞ」

「そう? ならもう私は必要な――」

「必要です!」
 どことなく2人の会話を見て懐かしい気持ちになった。覚えてもいないはずの小さい頃の記憶がどこかに残っているのだろう。

「ここに来たってことはカナタさん達から聞いたのね」

「あの2人は結局どうなったんだ?」
 俺は首を横に振った。そもそも祖父の記憶も薄らとしか覚えていないのだ。

「そうか……」

「今は新しい家族ができたんだ」

「新しい家族か!? さすが俺に似てモテ――」

「あなたモテないわよ? 私が居なかったら今頃独り身よ?」
 母の一言に父は落ち込んでいた。

「それで結婚相手は?」

「いや、結婚相手じゃなくて獣人の兄妹ができたんだ」

「さすが私の子ね!」

「この国は亜人に対しての差別が酷いからな」

「あとはじいじとばあばができたよ」

「じいじとばあば?」
 俺の言葉に二人は首を傾けていた。新しく祖母と祖父ができたって普通に考えたらおかしいからな。

「メジストさんとモーリンさん――」

「がはははは」
「あはははは」
 2人は声をあげて笑っていた。そんなにもおかしなことだったんだろう。

「まさかあの2人がそんなことになるとはね」

「ああ、毎日喧嘩してたやつらが俺の子どもにじいじとばあばと呼ばれてるって思うと――」

「母さんと父さんも知ってるの?」

「知ってるも何もあの2人は私と同じパーティーで活躍した勇者よ」

「えっ!?」
 まさか両親と同じパーティーを組んでいたとは思いもしない。

「なら他のやつにも会ってないか?」

「他の人?」

「例えばロビンやウィリアムとかか?」

「会いました」

「ぎゃははは! 未来は面白いな」

「なら王都ギルドマスターは誰なのかしら?」

「ローナさんです」

「ローナ?」

「あー、ローガンさんです。 ローガンって呼ぶと怒るんですよ」

「おいおい絶対お前のせいだろ」
 母はとぼけた顔をしていた。母がローガンに何かしらの影響を与えたことはわかった。

「俺達が与えた影響が子どもに返ってきてるってことか」

「私達が頑張ったかいがあったわね」

 その後も2人とたわいもない話を続けた。
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