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「ごめん妬いた」
「うん、潔い!」
屋上に着いてすぐ理々子は頭を下げてきた。
「大人げないと思うけど気付いたら……」
「暴力振るったわけでも暴言言ったわけでもないんだし気にしないでいいって。てか東、あれは相当喜んでると思う」
「……喜んでる?」
「ヤキモチってさ相手が自分を想ってるからこそでしょ?東って理々子にべた惚れじゃんか。喜ばないはずがないって」
「そう言われると…………少し恥ずかしいものがある」
(……私αだよね?)
思わず自身のバース性を疑ってしまうほど理々子の艶のある照れ顔にグラっときてしまった。
女としての美しさ、そして目にはαとしての雄々しさを湛えている理々子は普通の女性では決して出だせない色気を持っている。
番、東を想っている時は如実に本能の部分が顕になるのだろう。
まだ理々子と接するようになってから日は浅いものの、何故周囲が今まで理々子に注目しなかったのかが不思議なほどだ。
「で、メールじゃなく私と直接話したくてってとこかな?」
「うん。密かにじゃなくて周囲にもわかるように水城さんと親睦を深めようと思って。打算丸出しで申し訳ないけど仲良くなりたいのは本当だから」
「まぁαならαの友達っていうかツテがあったほうが何かと便利だしね。具体的には?」
「あくまで私的な見解なんだけど、一番友好的なαは水城さんだと思ってる。実際バース性関係なく友好関係広いでしょ?志帆とも友達だし。そういうのって周囲にとっては一種の抑制力があると思って」
「さ、さすがだね理々子……確かに周りから、というか女子から私って怒らせちゃ駄目みたいな暗黙のルールがあるらしいけど知ってたの?」
「志帆に聞いた」
「さすが抜かりない……!」
別に私が怒ったところで所詮高校生、何ができるわけでもない。
しかし私が何もしなくとも黙っていられない者達がいる。
古臭いといつも思うのだが、αには大抵取り巻きというものが存在する。
そういった取り巻き達はたとえ自分が口にせずともどこからか情報を仕入れ水面下で密かに動く。
どこの忍びだよって感じだ。
「私にもそういうのいるんだよねぇ。ただ私のは取り巻きっていうより遠くから見守ってる的な感じかな。で、厄介なことにそこそこ過激」
「本当にあるんだねそういうの」
「私が一番それ思ってるから!勝手に知らないとこで問題起こされたりとかシャレになんないんだよね本当。何度も辞めるよう言ってるんだけどなかなかね……」
「でもまだマシなほうでしょ」
「そうなの!理々子はαだから私にいくら近付こうが全く問題なし。でもなぁ……問題は朝桐なんだよね」
朝桐は家柄のせいかバース性への拘りが強く、そういった取り巻きも見下しつつも容認しているためα至上主義なβが集まりやすい。
しかも家柄すら重視する連中だから余計に厄介だ。
実際のところ今まで大きな事件や問題など起きたことはないが、そういった者達を刺激したら何を仕出かすのだろうかという怖さはある。
この学園で圭と最も親しい者はと問われたら全員もれなく朝桐と答えるだろう。
理々子は学校では圭と接触はしないと言っているが、そうであっても根回しは必要だ。
朝桐は妙に勘が良いためどう紹介したものかと頭が痛い。
そうして一人悩んでいるところで理々子が爆弾を落とした。
「実は朝桐君、私と圭の事情知ってるんだよね」
「……え?何て?」
「それでもう釘もさしてあるんだけど何か避けられてるみたいで」
「はい?」
「そこで水城さんに取り持ってもらおうと思って」
「ええ?」
理々子は色々と規格外すぎる。そう確信した日だった。
「うん、潔い!」
屋上に着いてすぐ理々子は頭を下げてきた。
「大人げないと思うけど気付いたら……」
「暴力振るったわけでも暴言言ったわけでもないんだし気にしないでいいって。てか東、あれは相当喜んでると思う」
「……喜んでる?」
「ヤキモチってさ相手が自分を想ってるからこそでしょ?東って理々子にべた惚れじゃんか。喜ばないはずがないって」
「そう言われると…………少し恥ずかしいものがある」
(……私αだよね?)
思わず自身のバース性を疑ってしまうほど理々子の艶のある照れ顔にグラっときてしまった。
女としての美しさ、そして目にはαとしての雄々しさを湛えている理々子は普通の女性では決して出だせない色気を持っている。
番、東を想っている時は如実に本能の部分が顕になるのだろう。
まだ理々子と接するようになってから日は浅いものの、何故周囲が今まで理々子に注目しなかったのかが不思議なほどだ。
「で、メールじゃなく私と直接話したくてってとこかな?」
「うん。密かにじゃなくて周囲にもわかるように水城さんと親睦を深めようと思って。打算丸出しで申し訳ないけど仲良くなりたいのは本当だから」
「まぁαならαの友達っていうかツテがあったほうが何かと便利だしね。具体的には?」
「あくまで私的な見解なんだけど、一番友好的なαは水城さんだと思ってる。実際バース性関係なく友好関係広いでしょ?志帆とも友達だし。そういうのって周囲にとっては一種の抑制力があると思って」
「さ、さすがだね理々子……確かに周りから、というか女子から私って怒らせちゃ駄目みたいな暗黙のルールがあるらしいけど知ってたの?」
「志帆に聞いた」
「さすが抜かりない……!」
別に私が怒ったところで所詮高校生、何ができるわけでもない。
しかし私が何もしなくとも黙っていられない者達がいる。
古臭いといつも思うのだが、αには大抵取り巻きというものが存在する。
そういった取り巻き達はたとえ自分が口にせずともどこからか情報を仕入れ水面下で密かに動く。
どこの忍びだよって感じだ。
「私にもそういうのいるんだよねぇ。ただ私のは取り巻きっていうより遠くから見守ってる的な感じかな。で、厄介なことにそこそこ過激」
「本当にあるんだねそういうの」
「私が一番それ思ってるから!勝手に知らないとこで問題起こされたりとかシャレになんないんだよね本当。何度も辞めるよう言ってるんだけどなかなかね……」
「でもまだマシなほうでしょ」
「そうなの!理々子はαだから私にいくら近付こうが全く問題なし。でもなぁ……問題は朝桐なんだよね」
朝桐は家柄のせいかバース性への拘りが強く、そういった取り巻きも見下しつつも容認しているためα至上主義なβが集まりやすい。
しかも家柄すら重視する連中だから余計に厄介だ。
実際のところ今まで大きな事件や問題など起きたことはないが、そういった者達を刺激したら何を仕出かすのだろうかという怖さはある。
この学園で圭と最も親しい者はと問われたら全員もれなく朝桐と答えるだろう。
理々子は学校では圭と接触はしないと言っているが、そうであっても根回しは必要だ。
朝桐は妙に勘が良いためどう紹介したものかと頭が痛い。
そうして一人悩んでいるところで理々子が爆弾を落とした。
「実は朝桐君、私と圭の事情知ってるんだよね」
「……え?何て?」
「それでもう釘もさしてあるんだけど何か避けられてるみたいで」
「はい?」
「そこで水城さんに取り持ってもらおうと思って」
「ええ?」
理々子は色々と規格外すぎる。そう確信した日だった。
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