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翌日、αの仲間入りを果たしたという体で朝桐と水城は三組に来て私と他愛のない話を交わした。
これが面白いほどに効果抜群で、私がαであることは確固たる事実として学校に広まっていった。
念には念をということで、これからはこの二人と積極的に公での交流を増やしていくつもりだ。
手始めに昼食も二人と一緒に取ることになった。
「何となく理由はわかるんだけど聞いていい?」
屋上で昼食を取りつつ雑談していると水城がそう切り出した。
何となく水城の言わんとしていることが想像でき先を促す。
「何で圭と番にならないの?」
(まぁそうなるよね)
「俺も聞こうと思っていた。番になってしまえば他のαを警戒する心配も減るだろう」
朝桐の意見に水城が強く頷く。運命の番ともなれば最もな質問だろう。
早い話、圭を自分だけのものにしたければ項を噛んで番ってしまえばいい。
「でもお互い両親を無視できないでしょ」
「やっぱりソコだよね」
「……東の両親は特に厳しいだろうな」
例え運命の番であろうと両親を差し置いて勝手に番えば角が立つ可能性が高い。
圭の家庭事情はもちろん詳しいことを聞く予定だが、二人の反応からして簡単に事が進む可能性はやはり低いだろう。
「とにかく圭への負担はなるべく減らしたい。ただでさえΩになってこれから大変だろうし」
「うん……表面上はこれまで通りに過ごしてるけどさ、東たまに不安そうに見えるんだよね」
「周りは全く気付いてないが東にとっては町宮がいないαだらけの教室は不安が多いだろうな」
加えてこの学校はαが多い。
どうするんだ、と二人が私を見る。
「昨日お母さんには伝えたよ」
「「え?」」
「驚いてはいたけど反対はされなかった。まぁ未成年だから慎重に行動しなさいとは言われたけど。お父さんは仕事で家にいないから今日にでも電話で伝えようかと思うんだけど多分お母さんと似たような反応じゃないかな」
「そ、そんなもんなの……?」
「うちなら絶対に有り得ない反応だ……」
両親がβだからか?それにしても簡単じゃない?と言い合う二人と同じような感想を私も抱いたものだ。
ともあれ私のほうは一番の難関と思っていた両親はあっさり解決してしまった。
「そうなると残るは東の両親だね。東のほうも上手くいけばいいけど……う~ん」
「圭にも聞くつもりだけど、家族と他人とじゃ多分見え方も変わるだろうからまず二人に聞いておこうと思って」
「懸命な判断だな。東の両親に関しては特にな」
「確かに。圭以外には別人って言ってもいいくらい違うからね」
前にも聞いていたが、二人の話してくれた内容を要約すると結局圭の両親は相当な親バカということだった。
しかも圭がΩに後天してからさらに過保護になったという。
「これに関しては俺達はあまり力になれない……」
「嫌な言い方になるけど理々子は一般家庭だから家のコネとか一切ないしね。私達も所詮子供だから家の権力とかあまり関係ないし」
親バカの次に厄介なのが圭の両親は代々の資産家であり由緒正しいお家柄で一般的ではないということ。
許嫁はおらずともそれらしい相手を両親から進められるのは普通だと、似たようなお家柄の朝桐が言う。
「さすがにそこまでは聞いたことないが……いると思っておいたほうがいいだろうな」
「理々子大丈夫……?」
「何が?」
「何がってその、今の話聞いてた?東の両親に認めてもらえない可能性が高いんだよ?」
「できる限り認めてもらえるよう動くつもりだけど、もし駄目なら駆け落ちの方向で事を進めるだけでしょ」
「「…………」」
何故か言葉なく呆然と私を見る二人に首を傾げると、二人は心配して損したと同時に大きな溜息をついた。
これが面白いほどに効果抜群で、私がαであることは確固たる事実として学校に広まっていった。
念には念をということで、これからはこの二人と積極的に公での交流を増やしていくつもりだ。
手始めに昼食も二人と一緒に取ることになった。
「何となく理由はわかるんだけど聞いていい?」
屋上で昼食を取りつつ雑談していると水城がそう切り出した。
何となく水城の言わんとしていることが想像でき先を促す。
「何で圭と番にならないの?」
(まぁそうなるよね)
「俺も聞こうと思っていた。番になってしまえば他のαを警戒する心配も減るだろう」
朝桐の意見に水城が強く頷く。運命の番ともなれば最もな質問だろう。
早い話、圭を自分だけのものにしたければ項を噛んで番ってしまえばいい。
「でもお互い両親を無視できないでしょ」
「やっぱりソコだよね」
「……東の両親は特に厳しいだろうな」
例え運命の番であろうと両親を差し置いて勝手に番えば角が立つ可能性が高い。
圭の家庭事情はもちろん詳しいことを聞く予定だが、二人の反応からして簡単に事が進む可能性はやはり低いだろう。
「とにかく圭への負担はなるべく減らしたい。ただでさえΩになってこれから大変だろうし」
「うん……表面上はこれまで通りに過ごしてるけどさ、東たまに不安そうに見えるんだよね」
「周りは全く気付いてないが東にとっては町宮がいないαだらけの教室は不安が多いだろうな」
加えてこの学校はαが多い。
どうするんだ、と二人が私を見る。
「昨日お母さんには伝えたよ」
「「え?」」
「驚いてはいたけど反対はされなかった。まぁ未成年だから慎重に行動しなさいとは言われたけど。お父さんは仕事で家にいないから今日にでも電話で伝えようかと思うんだけど多分お母さんと似たような反応じゃないかな」
「そ、そんなもんなの……?」
「うちなら絶対に有り得ない反応だ……」
両親がβだからか?それにしても簡単じゃない?と言い合う二人と同じような感想を私も抱いたものだ。
ともあれ私のほうは一番の難関と思っていた両親はあっさり解決してしまった。
「そうなると残るは東の両親だね。東のほうも上手くいけばいいけど……う~ん」
「圭にも聞くつもりだけど、家族と他人とじゃ多分見え方も変わるだろうからまず二人に聞いておこうと思って」
「懸命な判断だな。東の両親に関しては特にな」
「確かに。圭以外には別人って言ってもいいくらい違うからね」
前にも聞いていたが、二人の話してくれた内容を要約すると結局圭の両親は相当な親バカということだった。
しかも圭がΩに後天してからさらに過保護になったという。
「これに関しては俺達はあまり力になれない……」
「嫌な言い方になるけど理々子は一般家庭だから家のコネとか一切ないしね。私達も所詮子供だから家の権力とかあまり関係ないし」
親バカの次に厄介なのが圭の両親は代々の資産家であり由緒正しいお家柄で一般的ではないということ。
許嫁はおらずともそれらしい相手を両親から進められるのは普通だと、似たようなお家柄の朝桐が言う。
「さすがにそこまでは聞いたことないが……いると思っておいたほうがいいだろうな」
「理々子大丈夫……?」
「何が?」
「何がってその、今の話聞いてた?東の両親に認めてもらえない可能性が高いんだよ?」
「できる限り認めてもらえるよう動くつもりだけど、もし駄目なら駆け落ちの方向で事を進めるだけでしょ」
「「…………」」
何故か言葉なく呆然と私を見る二人に首を傾げると、二人は心配して損したと同時に大きな溜息をついた。
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