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この学校で一番αらしい奴は誰かと聞けば大半が東と答えるだろう。
自分もαだが、今のところ東ほど見ていて気持ちのいいαっぷりの奴には出会ったことがない。
本人に言ったことはないし言うつもりもないが、周囲のβ同様に憧れを抱いている。
同じαとしてこの学校では恐らく一番近くで東を見てきた者としては、昨日の東は別人としか思えなかった。
他のαの奴等も気にしているようだった。
「なぁ、昨日の東なんか様子おかしくなかった?」
「私もそれ思った。朝からずっとぼんやりしてたよね。朝桐もそう思うっしょ?」
「……確かに少し変だったな」
自分にとっては少しどころではないが、つい東を庇う言い方になる。
東の友人の中で最も親しい自分からの同意を得られ、二人はやっぱりと頷く。
朝の教室、三人でどうしたのだろうかと東を心配していると本人がやって来た。
自然と三人の視線が東に集中する。
しかし東は昨日同様、ぼんやりとしており全く視線に気付かない。
「東、おはよう」
「…………」
「おい、東」
「あぁ……朝桐か……はよ」
「やっぱり東が変だ」
「だな」
昨日に引き続きやはりいつもの東ではない。覇気がまるで感じられない。
二人も東の様子を見て小声で呟き合っている。
普段であれば三人で東の席周りに集い雑談するのだが、二人は無言で俺を見てくる。
どうやら俺一人で探りを入れてこいということらしい。
溜息をつきはしたが、自分も気になってはいることだし反論はせず東の元へと向かう。
「東、元気?」
「は?いきなり何だ?」
「お前昨日から変」
遠回しに聞くこともできないことはないが、まどろっこしいのは好きじゃない。
ストレートにそう言えば東は嫌そうな顔をした。どうやら突かれたくないことらしい。
それでもジッと目を外さずにいると東が折れた。
「詳しくは言えねぇ……少し、いやかなり気になる奴ができた」
「は?」
今度は俺が聞き返す番だった。こんな回答を誰が想像できただろうか。
近くで聞き耳を立てていたらしい二人をこれには飛びついてきた。
「ついに春到来か?」
「どうしちゃったの東!いつも捨てるばっかりの東が!」
「るせぇ……そういうんじゃねぇ」
東は否定するが二人はなおもはしゃぐ。その気持ちはよくわかる。
東は誰かに興味を抱くことなどないに等しい。
俺達にしたってこちらから話しかけたりしなければ、この繋がりはなかっただろう。
そんな東の気を引く奴がこの学校にいるとは思えない。
「学校の奴じゃないだろ?」
「……言わねぇ」
「「えー!気になるー!!」」
騒ぐ二人は気付かなかったようだが、俺には東の目に動揺が浮かんだのがわかった。
この学校にそんな奴がいただろうかと思い巡らすもやはり該当者などいない。
俺の困惑が伝わったのか、東は気まずげに顔を逸らした。
(お前はそんな弱々しい奴だったか……?)
きっと俺の中の東圭という人物像が崩れ始めたのはこの時からだった。
自分もαだが、今のところ東ほど見ていて気持ちのいいαっぷりの奴には出会ったことがない。
本人に言ったことはないし言うつもりもないが、周囲のβ同様に憧れを抱いている。
同じαとしてこの学校では恐らく一番近くで東を見てきた者としては、昨日の東は別人としか思えなかった。
他のαの奴等も気にしているようだった。
「なぁ、昨日の東なんか様子おかしくなかった?」
「私もそれ思った。朝からずっとぼんやりしてたよね。朝桐もそう思うっしょ?」
「……確かに少し変だったな」
自分にとっては少しどころではないが、つい東を庇う言い方になる。
東の友人の中で最も親しい自分からの同意を得られ、二人はやっぱりと頷く。
朝の教室、三人でどうしたのだろうかと東を心配していると本人がやって来た。
自然と三人の視線が東に集中する。
しかし東は昨日同様、ぼんやりとしており全く視線に気付かない。
「東、おはよう」
「…………」
「おい、東」
「あぁ……朝桐か……はよ」
「やっぱり東が変だ」
「だな」
昨日に引き続きやはりいつもの東ではない。覇気がまるで感じられない。
二人も東の様子を見て小声で呟き合っている。
普段であれば三人で東の席周りに集い雑談するのだが、二人は無言で俺を見てくる。
どうやら俺一人で探りを入れてこいということらしい。
溜息をつきはしたが、自分も気になってはいることだし反論はせず東の元へと向かう。
「東、元気?」
「は?いきなり何だ?」
「お前昨日から変」
遠回しに聞くこともできないことはないが、まどろっこしいのは好きじゃない。
ストレートにそう言えば東は嫌そうな顔をした。どうやら突かれたくないことらしい。
それでもジッと目を外さずにいると東が折れた。
「詳しくは言えねぇ……少し、いやかなり気になる奴ができた」
「は?」
今度は俺が聞き返す番だった。こんな回答を誰が想像できただろうか。
近くで聞き耳を立てていたらしい二人をこれには飛びついてきた。
「ついに春到来か?」
「どうしちゃったの東!いつも捨てるばっかりの東が!」
「るせぇ……そういうんじゃねぇ」
東は否定するが二人はなおもはしゃぐ。その気持ちはよくわかる。
東は誰かに興味を抱くことなどないに等しい。
俺達にしたってこちらから話しかけたりしなければ、この繋がりはなかっただろう。
そんな東の気を引く奴がこの学校にいるとは思えない。
「学校の奴じゃないだろ?」
「……言わねぇ」
「「えー!気になるー!!」」
騒ぐ二人は気付かなかったようだが、俺には東の目に動揺が浮かんだのがわかった。
この学校にそんな奴がいただろうかと思い巡らすもやはり該当者などいない。
俺の困惑が伝わったのか、東は気まずげに顔を逸らした。
(お前はそんな弱々しい奴だったか……?)
きっと俺の中の東圭という人物像が崩れ始めたのはこの時からだった。
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