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3話
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ギルドに戻ると、もうみんなは帰ってしまったようで、館内には私たち二人だけ。静まり返った空間が、さっきの森での緊迫感の余韻をさらに増幅させる。
「……レンさん、腕に……血が」
ふと視線を落とすと、彼の右腕から血が流れていた。深くは無さそうだが、彼が動いたせいか、血がぽたぽたと垂れている。
「さっきの野盗に……?」
思わず問いかける私に、レンは薄く肩をすくめて答える。
「これくらい、大丈夫だ」
でも、この血の勢いは心配になる。手当てをしないと、化膿でもしたら大変だ。
「すぐ手当てしないと。バイ菌が入ったら大変だよ」
私はギルドの受付カウンターへ走り、応急処置用の小箱を取り出す。消毒液、包帯、脱脂綿——必要なものを揃えて戻ると、レンは無言で腕を差し出してきた。
「……沁みるかもしれないけど、我慢して」
私は手早く傷口に消毒液を垂らす。彼は一瞬顔をしかめる。低く「っつ……」と声を漏らすが、体はびくともしない。
「大丈夫、もうすぐ終わるから」
包帯を巻く手に少しだけ緊張が走る。冷たい消毒液に彼が小さく息を吐く音が、静まり返ったギルドに響いた。。
「……もう少し」
手早く巻き終えると、レンはわずかに腕を曲げ、包帯の締め付け具合を確認する。私の手が彼の腕から離れる瞬間、ほんの一瞬だけ視線が重なった。
息が、少しだけ乱れる。
「助けてくれてありがとう」
小さく呟く声に、返事はない。ただ、彼の瞳がこちらをじっと見つめている。口元が心なしか微笑んでいるようだ。
静かなギルドの中で、私たちはしばらく無言のまま立ち尽くしていた。
翌朝のギルドは、もう活気づいていた。
早朝の光が木の床を照らし、窓から吹き込む風が依頼票をふわりと揺らす。
昨日の夜の出来事が、まるで夢だったかのように――。
「リーナ、あたし見ちゃった~」
カウンターに肘をつきながら、受付仲間のマリアがにやにやと笑う。私と同時期に入った美少女。明るい性格でよく私にもこうして話しかけてくれる。
朝の光を受けて、長い金髪がさらりと揺れた。
「昨日レンさんと手繋いで歩いてたでしょ?いつの間に~」
「そんな関係じゃないってば、たまたまよ」
私は言葉を濁す。
なんとなく、昨日のことは――秘密にしておきたい気がした。
「リーナってば可愛いのに『男に興味ありません』って顔してるから心配だったんだ~。レンさんとねぇ、ふふふ……」
マリアがあたしの頬を指先でつついてくる。
さらりと机に落ちる金の髪、うるんだ青い目。陶磁器みたいな白い肌。
――男の人だったら、この仕草で一瞬で落ちるんだろうな。
「ほんとそんなんじゃないってば」
書類を整理しながら私はため息をつく。
「帰りにたまたま会って、外套貸してくれただけよ。本当に」
「えーつまんない。結構いい雰囲気だったのになぁ」
ぷぅっと頬を膨らませながら、納得いかないという顔のマリア。
この子はまだ、恋や男性に夢を見ているんだ。
そう思うと、ちょっとだけ羨ましくて胸の奥がチクリとする。
(恋も男性も……私はこりごり)
言いかけた言葉をそっと飲み込む。
「さあ、仕事しましょ。今日も忙しくなるわよ!」
飲み込んだ言葉の代わりに、少し強めに発破をかけた。
(私には、仕事と仲間があればもう十分。この幸せを手放したくない)
「はーい、真面目なんだから。リーナは」
そのとき――カラン。
ギルドのドアが開いた。
朝の光を背に、黒ずくめの男が入ってくる。噂をすれば、レンだった。
「噂をすれば……だよっ」
マリアが小声でいたずらっぽく言う。
「おはようございます、レンさん。ご依頼をお探しですか?」
完璧な営業スマイルで言う私。
昨日のことは、お互いにとって――きっと取るに足らないこと。
そう自分に言い聞かせながら。
「これを……」
レンはカウンターに白い袋を置いた。
「え……」
中を開くと、色とりどりのキャンディーが入っていた。
光を透かしてきらめく、小さな宝石みたいに。
「昨日の礼だ」
短く言い残し、レンは足早にギルドを去っていった。
「え……ちょっと待ってくださ……!」
引き留める声は、すでに遅かった。
ドアの外にはもう、彼の姿はない。
「えー、いいなー!あのレンさんがこんなことするなんて初めてだよ!いっつも仏頂面で喋んなくて。イケメンなのにもったいないよねって噂だったんだよ⁉レンさんリーナのこと好きなんじゃない⁉」
マリアが目をきらきらさせてまくし立てる。
「そんな好かれるようなことしてないよ……」
礼、と確かに彼は言っていた。
おそらく昨日、怪我の手当てをしたことへのお礼――そういうことなんだろう。
「これ、どうしよう……」
袋に入ったキャンディーのずっしりとした重みに、私はため息をつく。
「えー!受け取りなよ!町で人気のやつだよそれ!朝並んで買ってくれたんじゃない?」
マリアはニコニコ笑いながら言う。
「朝並んで……まさかね」
想像して、少しだけ笑ってしまった。
あの無口なレンが、そんなことを……?
「あー!あたしも彼氏欲しい!」
「だから付き合ってないって。マリアならすぐできるでしょ?可愛いし」
また頬を膨らませ、口をとがらせるマリア。
「付き合うならやっぱり年下がいいんだよねぇ……新人剣士のソーマ君なんて顔可愛いのに強いし明るいしいいなぁって思うのに男ばっかりとつるむしさぁ……」
新人剣士のソーマを思い浮かべる。
茶色いくるくるした髪、太陽みたいな笑顔。
年は確か十八だった。――そうか、マリアはそういうタイプが好みなんだ。
「マリアの恋、うまくいくといいね。」
「なんかリーナってそういうとこ変に大人っぽいよね。あたしたちまだ二十歳なんだからもっと恋とか楽しもうよぉ~」
マリアがじたばたする。
変に大人っぽい――その言葉に、私はドキリとした。
だって本当は、私はアラサー。
恋に無条件で飛び込むには、もう色々知りすぎてしまっている。
「失敗したくないのよ、もう」
押さえたつもりなのに、唇からつい本音が零れ落ちた。
マリアは、その言葉を聞き逃さなかった。
「成功するかもしれないじゃん~慎重すぎ。」
ふにゃりと笑う。その無邪気さが、まぶしくて、少し痛い。
――私が失ってしまったものだ。
「いいの、私は淡々と生きていければ」
もう、誰にも心乱されたくない。
それが一番穏やかに生きられる道だから。
「ええ~仕事ばっかりじゃあっという間におばあさんになっちゃうよ?恋しようよ恋~」
マリアがじたじたと足踏みする。
「あらあら、楽しそうね」
ギルド長がひょっこり顔を出した。
「ひゃっ!」
マリアがわかりやすく背筋をピンと伸ばす。
「おしゃべりもいいけど仕事はちゃんとね?」
ふふ、と余裕のある笑みを浮かべるギルド長。
――この人は、いつだって落ち着いていてかっこいい。
四十代で最年少女性ギルド長になった切れ者。未婚で、子どももいない。
この世界のバリキャリのお手本。私のあこがれの人。
「はい!」
私も姿勢を正す。
胸の奥では、まださっきの小袋の感触がまだ残っていた
「……レンさん、腕に……血が」
ふと視線を落とすと、彼の右腕から血が流れていた。深くは無さそうだが、彼が動いたせいか、血がぽたぽたと垂れている。
「さっきの野盗に……?」
思わず問いかける私に、レンは薄く肩をすくめて答える。
「これくらい、大丈夫だ」
でも、この血の勢いは心配になる。手当てをしないと、化膿でもしたら大変だ。
「すぐ手当てしないと。バイ菌が入ったら大変だよ」
私はギルドの受付カウンターへ走り、応急処置用の小箱を取り出す。消毒液、包帯、脱脂綿——必要なものを揃えて戻ると、レンは無言で腕を差し出してきた。
「……沁みるかもしれないけど、我慢して」
私は手早く傷口に消毒液を垂らす。彼は一瞬顔をしかめる。低く「っつ……」と声を漏らすが、体はびくともしない。
「大丈夫、もうすぐ終わるから」
包帯を巻く手に少しだけ緊張が走る。冷たい消毒液に彼が小さく息を吐く音が、静まり返ったギルドに響いた。。
「……もう少し」
手早く巻き終えると、レンはわずかに腕を曲げ、包帯の締め付け具合を確認する。私の手が彼の腕から離れる瞬間、ほんの一瞬だけ視線が重なった。
息が、少しだけ乱れる。
「助けてくれてありがとう」
小さく呟く声に、返事はない。ただ、彼の瞳がこちらをじっと見つめている。口元が心なしか微笑んでいるようだ。
静かなギルドの中で、私たちはしばらく無言のまま立ち尽くしていた。
翌朝のギルドは、もう活気づいていた。
早朝の光が木の床を照らし、窓から吹き込む風が依頼票をふわりと揺らす。
昨日の夜の出来事が、まるで夢だったかのように――。
「リーナ、あたし見ちゃった~」
カウンターに肘をつきながら、受付仲間のマリアがにやにやと笑う。私と同時期に入った美少女。明るい性格でよく私にもこうして話しかけてくれる。
朝の光を受けて、長い金髪がさらりと揺れた。
「昨日レンさんと手繋いで歩いてたでしょ?いつの間に~」
「そんな関係じゃないってば、たまたまよ」
私は言葉を濁す。
なんとなく、昨日のことは――秘密にしておきたい気がした。
「リーナってば可愛いのに『男に興味ありません』って顔してるから心配だったんだ~。レンさんとねぇ、ふふふ……」
マリアがあたしの頬を指先でつついてくる。
さらりと机に落ちる金の髪、うるんだ青い目。陶磁器みたいな白い肌。
――男の人だったら、この仕草で一瞬で落ちるんだろうな。
「ほんとそんなんじゃないってば」
書類を整理しながら私はため息をつく。
「帰りにたまたま会って、外套貸してくれただけよ。本当に」
「えーつまんない。結構いい雰囲気だったのになぁ」
ぷぅっと頬を膨らませながら、納得いかないという顔のマリア。
この子はまだ、恋や男性に夢を見ているんだ。
そう思うと、ちょっとだけ羨ましくて胸の奥がチクリとする。
(恋も男性も……私はこりごり)
言いかけた言葉をそっと飲み込む。
「さあ、仕事しましょ。今日も忙しくなるわよ!」
飲み込んだ言葉の代わりに、少し強めに発破をかけた。
(私には、仕事と仲間があればもう十分。この幸せを手放したくない)
「はーい、真面目なんだから。リーナは」
そのとき――カラン。
ギルドのドアが開いた。
朝の光を背に、黒ずくめの男が入ってくる。噂をすれば、レンだった。
「噂をすれば……だよっ」
マリアが小声でいたずらっぽく言う。
「おはようございます、レンさん。ご依頼をお探しですか?」
完璧な営業スマイルで言う私。
昨日のことは、お互いにとって――きっと取るに足らないこと。
そう自分に言い聞かせながら。
「これを……」
レンはカウンターに白い袋を置いた。
「え……」
中を開くと、色とりどりのキャンディーが入っていた。
光を透かしてきらめく、小さな宝石みたいに。
「昨日の礼だ」
短く言い残し、レンは足早にギルドを去っていった。
「え……ちょっと待ってくださ……!」
引き留める声は、すでに遅かった。
ドアの外にはもう、彼の姿はない。
「えー、いいなー!あのレンさんがこんなことするなんて初めてだよ!いっつも仏頂面で喋んなくて。イケメンなのにもったいないよねって噂だったんだよ⁉レンさんリーナのこと好きなんじゃない⁉」
マリアが目をきらきらさせてまくし立てる。
「そんな好かれるようなことしてないよ……」
礼、と確かに彼は言っていた。
おそらく昨日、怪我の手当てをしたことへのお礼――そういうことなんだろう。
「これ、どうしよう……」
袋に入ったキャンディーのずっしりとした重みに、私はため息をつく。
「えー!受け取りなよ!町で人気のやつだよそれ!朝並んで買ってくれたんじゃない?」
マリアはニコニコ笑いながら言う。
「朝並んで……まさかね」
想像して、少しだけ笑ってしまった。
あの無口なレンが、そんなことを……?
「あー!あたしも彼氏欲しい!」
「だから付き合ってないって。マリアならすぐできるでしょ?可愛いし」
また頬を膨らませ、口をとがらせるマリア。
「付き合うならやっぱり年下がいいんだよねぇ……新人剣士のソーマ君なんて顔可愛いのに強いし明るいしいいなぁって思うのに男ばっかりとつるむしさぁ……」
新人剣士のソーマを思い浮かべる。
茶色いくるくるした髪、太陽みたいな笑顔。
年は確か十八だった。――そうか、マリアはそういうタイプが好みなんだ。
「マリアの恋、うまくいくといいね。」
「なんかリーナってそういうとこ変に大人っぽいよね。あたしたちまだ二十歳なんだからもっと恋とか楽しもうよぉ~」
マリアがじたばたする。
変に大人っぽい――その言葉に、私はドキリとした。
だって本当は、私はアラサー。
恋に無条件で飛び込むには、もう色々知りすぎてしまっている。
「失敗したくないのよ、もう」
押さえたつもりなのに、唇からつい本音が零れ落ちた。
マリアは、その言葉を聞き逃さなかった。
「成功するかもしれないじゃん~慎重すぎ。」
ふにゃりと笑う。その無邪気さが、まぶしくて、少し痛い。
――私が失ってしまったものだ。
「いいの、私は淡々と生きていければ」
もう、誰にも心乱されたくない。
それが一番穏やかに生きられる道だから。
「ええ~仕事ばっかりじゃあっという間におばあさんになっちゃうよ?恋しようよ恋~」
マリアがじたじたと足踏みする。
「あらあら、楽しそうね」
ギルド長がひょっこり顔を出した。
「ひゃっ!」
マリアがわかりやすく背筋をピンと伸ばす。
「おしゃべりもいいけど仕事はちゃんとね?」
ふふ、と余裕のある笑みを浮かべるギルド長。
――この人は、いつだって落ち着いていてかっこいい。
四十代で最年少女性ギルド長になった切れ者。未婚で、子どももいない。
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