ケロッケ かえるさん味

雨澤 稼穀

文字の大きさ
1 / 1

ケロッケ かえるさん味

しおりを挟む
「ママ! かえるさんのカート取って来たよ!」

「有り難う!」

 キュルキュル……キュルキュル……。

「よ~し! カニクリーミーコロッケへ! GO!」

「ねぇ! ママ!」

「ケロッケ! ケロッケ! 食べたいな!」

「ええ? あの、ケロケロケロ~ッ! 食べてケロ~ッって……宣伝しるやつ……?」

「そうそうそう! ケロッケ! ケロッケ!」

「名前は可愛いんだけどねぇ……? ちょっとね……」

「ケロッケ! ケロッケ! 食べたい食べたい! 食べたぁ~い!」

「置いて無いよ! まだ置いて無いと思うよ? ついこの前から、テレビで宣伝し初めたとこだからね! 今度買ってあげるから! 今度ね!」

「ケロッケ! ケロッケ!」

「タイムセールの、カニクリーミーコロッケさん! 早く行かないと、無くなっちゃうぞ!」

「ケロッケ! ケロッケ! カニッケ! カニッケ!」

「よ~し、行くぞ! いざ、カニクリーミーコロッケ! ゲットだぞ!」

「うん!」

「よしよし! ご~っ!」

 たったったったったった……。
 キュルキュル……キュルキュル……。

「走っちゃ駄目だよ~っ!」

「カニッケ! カニッケ! ママ~! カニッケ! 壱杯いっぱいあるよ! 何個なんこのにするの~っ?」

「好きなのでいいよ!」

「本当! この大きいのでも良いの?」

「いいよ! 籠に入れて!」

「は~い! よいしょっと!」

「おかしひとつなら良いよ!」

「やった~っ!」

 たったったったったった……。

「走っちゃ駄目だってばさ!」

「ねぇママ~っ! ケロッケあるよ!」

「あっちゃ~っ! 真逆、もう売ってるんだ?」

「早く早く早くう! 早く来て~っ!」

 キュルキュル……キュルキュル……。

「はいはい……(カニクリ~ミ~で誤魔化せたと思ったのに……)」

「あったからね! 約束したもんね!」

「……(してないけど……?)本当だ! あるねぇ……早いね! もう、置いてあるんだね! (398さんきゅっぱぁか!)」

「良いでしょ! ケロッケ! 買っちゃおっか!」

「うん!」

「これってさ? 牛乳掛けるんだよね?」

「そうだよ! 牛乳も買ってね!」

「ケロッケって? 参種類さんしゅるいもあるのか……?」

「そうだよ! カエルさん味と、唄うお玉ちゃん味と、とろ~り黒タマゴ味があるよ!」

「うわ~っ! 味分かんないな~っ? カエルさん味とか想像したくないよ?」

「ママ! カエルさん味にするね!」

「……(何故にこのラインナップで、カエルさん味にするかな……?)とろ~り黒タマゴ味もあるよ」
 
「それは黄色いケロッケだもん! かえるさん味は、赤いケロッケ付いてるし!」

「ああ! それ目当てね!」

「これ! シュッシュしたら、ピョコピョコするんだよ!」

「しょうがないね! いいよ!」

「有り難う! ママ!」

「その代わり! オヤツ無しだからね!」

「うん! 有り難う! やった~!」

「やった~って言うんだ! うちの子!」

「ママ! 早くお家かえろ!」

「はいはい……カエルさん味かあ……(どんな味するんだろ?)」

「ケロッケ! ケロッケ! ルンルンルン!」

「うちの子……ルンルンルンなんて言うんだ……後、牛乳はと……パパのおつまみ何にしようかな……?」

「ケロッケ! ケロッケ! ルンルンルン! パパのチイカマ取ってくるね!」

 タッタッタッタッタッタッタ……。

「走っちゃ駄目だよ!」

「は~い!」
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

離婚した妻の旅先

tartan321
恋愛
タイトル通りです。

処理中です...