ケロッケ かえるさん味

雨澤 稼穀

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ケロッケ かえるさん味

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「ママ! かえるさんのカート取って来たよ!」

「有り難う!」

 キュルキュル……キュルキュル……。

「よ~し! カニクリーミーコロッケへ! GO!」

「ねぇ! ママ!」

「ケロッケ! ケロッケ! 食べたいな!」

「ええ? あの、ケロケロケロ~ッ! 食べてケロ~ッって……宣伝しるやつ……?」

「そうそうそう! ケロッケ! ケロッケ!」

「名前は可愛いんだけどねぇ……? ちょっとね……」

「ケロッケ! ケロッケ! 食べたい食べたい! 食べたぁ~い!」

「置いて無いよ! まだ置いて無いと思うよ? ついこの前から、テレビで宣伝し初めたとこだからね! 今度買ってあげるから! 今度ね!」

「ケロッケ! ケロッケ!」

「タイムセールの、カニクリーミーコロッケさん! 早く行かないと、無くなっちゃうぞ!」

「ケロッケ! ケロッケ! カニッケ! カニッケ!」

「よ~し、行くぞ! いざ、カニクリーミーコロッケ! ゲットだぞ!」

「うん!」

「よしよし! ご~っ!」

 たったったったったった……。
 キュルキュル……キュルキュル……。

「走っちゃ駄目だよ~っ!」

「カニッケ! カニッケ! ママ~! カニッケ! 壱杯いっぱいあるよ! 何個なんこのにするの~っ?」

「好きなのでいいよ!」

「本当! この大きいのでも良いの?」

「いいよ! 籠に入れて!」

「は~い! よいしょっと!」

「おかしひとつなら良いよ!」

「やった~っ!」

 たったったったったった……。

「走っちゃ駄目だってばさ!」

「ねぇママ~っ! ケロッケあるよ!」

「あっちゃ~っ! 真逆、もう売ってるんだ?」

「早く早く早くう! 早く来て~っ!」

 キュルキュル……キュルキュル……。

「はいはい……(カニクリ~ミ~で誤魔化せたと思ったのに……)」

「あったからね! 約束したもんね!」

「……(してないけど……?)本当だ! あるねぇ……早いね! もう、置いてあるんだね! (398さんきゅっぱぁか!)」

「良いでしょ! ケロッケ! 買っちゃおっか!」

「うん!」

「これってさ? 牛乳掛けるんだよね?」

「そうだよ! 牛乳も買ってね!」

「ケロッケって? 参種類さんしゅるいもあるのか……?」

「そうだよ! カエルさん味と、唄うお玉ちゃん味と、とろ~り黒タマゴ味があるよ!」

「うわ~っ! 味分かんないな~っ? カエルさん味とか想像したくないよ?」

「ママ! カエルさん味にするね!」

「……(何故にこのラインナップで、カエルさん味にするかな……?)とろ~り黒タマゴ味もあるよ」
 
「それは黄色いケロッケだもん! かえるさん味は、赤いケロッケ付いてるし!」

「ああ! それ目当てね!」

「これ! シュッシュしたら、ピョコピョコするんだよ!」

「しょうがないね! いいよ!」

「有り難う! ママ!」

「その代わり! オヤツ無しだからね!」

「うん! 有り難う! やった~!」

「やった~って言うんだ! うちの子!」

「ママ! 早くお家かえろ!」

「はいはい……カエルさん味かあ……(どんな味するんだろ?)」

「ケロッケ! ケロッケ! ルンルンルン!」

「うちの子……ルンルンルンなんて言うんだ……後、牛乳はと……パパのおつまみ何にしようかな……?」

「ケロッケ! ケロッケ! ルンルンルン! パパのチイカマ取ってくるね!」

 タッタッタッタッタッタッタ……。

「走っちゃ駄目だよ!」

「は~い!」
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