ひーこちゃんとおっとちゃんの七夕祭り

雨澤 稼穀

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   七夕のお願い事書いたの?

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「ねぇ、ヒーコちゃん! 七夕のお願い事って、もう書いたの……?」

「もち! 書いたよ!」

「おっとちゃんは、どうなの……?」

「そんなの……ヒーコちゃんに聞かれる迄も無く、書いてるに決まってるじゃん!」

「はっはぁ~ん! あっ、そう! 書いて無いね!」

「なっ……何言ってんのよ! 本人が書いたって、声高らかに宣言してるのよ? 書いてるに、決まってるじゃん!」

「無気に声を荒げるとこ見ると……益々怪しいな……?」

「うっ、ううん! はい! この話しは終わり!」

「あんたね! 早く書きなよ! 明日、七夕さんだよ!」

「ヒーコちゃん、クドいよ! わたしが書いたって、言ってるじゃん!」

「はいはい……書いたのね! 書いた書いた書いた! 分かった分かった! で、何色の短冊にしたのかな? おっとちゃん!」

「えっ……? なっ、何色って……? そんなの気にする……? わたしは気にしない派だからさ……忘れた」

「わたしは、薄いピンク色にしたよ! 紙撚こよりは白!」

「そうなんだ!」

「おっとちゃんは、何色かな……?」

「なっ、何色って……てっ、適当に選んで書いたから……わっ、解んないし! 色なんて壱々いちいち気にしないでしょ?」

「色は気にするでしょ? おっとちゃん! いい加減、白状しなさい! 書いて無いって!」

「書いたむん!」

「動揺してるね? 書いたむんって言ってたよ! 今!」

「言ってないむん!」

「今度は、言って無いむんだし! わかり易過ぎだよ! オットちゃんはさ!」

「駄目だよ! そんな引掛けには乗らないし! ヒーコちゃんの誘導尋問には、引掛からないからね!」

「はあ……別に引掛けとかじゃ、無いんだけどな……そんな風に思われてるんだ……わたしの事……なんか心外だな……?」

「普通そう思うでしょ! ヒーコちゃん、引いた振りして、わたしのポロリ目的なんでしょ……?」

「バレてるか~っ……なるほどなるほど……」

 壱寸ちょっとあんた! カレ~作るって、言ってたんじゃ無いの……?

 作るし! 今、ヒーコちゃんと電話中だからさ……後で!

 早くしなさいよ! それと、短冊買ってきたからここ置いとくよ!

 (あっちゃ~……?) 分かったから、余計な事大声で言わないでよ!

 ちゃんと作りなさいよ! 今日は、何も作らないからね!

 分かったて!

「おっとちゃん! 確定でいいね!」

「御免……」

「早く書きなよ! カレー作るんだね!」

「うん……そうなんだ。また明日ね!」

「うん……また明日!」

 タッタッタッタッタッタッタ……。
 ママ~……カレーの材料何処……?
 テーブルの上に置いてあるよ!
 じゃがいもと、玉葱は納屋なの?
 そうよ! じゃがいもは、芽の出て無いの選んでね!
 は~い!
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